やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

岸田外相とフィジー、イノケ外相会談

バヌアツのサイクロンを追いながら、気になるニュースが沢山あった。

その中でも下記の岸田外相とフィジー、イノケ外相会談は、胸に痞えていたものが取り除かれた感じだ。

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Ratu Inoke Builds Japan Ties

Fiji Sun

http://fijisun.com.fj/2015/03/17/ratu-inoke-builds-japan-ties/

日・フィジー外相会談 (外務省ウェッブ情報)

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press1_000058.html

イノケ外相、在日大使の時からよく存じ上げ、食事もよく誘っていただいた。

イノケ外相がバイニマラマ氏の誘いを承諾し、フィジー軍事政権で外相としてフィジーを守り、PIDFを設立された事もよく知っている。

イノケ外相は前政権の外交官が全員更迭される中でバイニマラマ氏に唯一人抜擢されてた外交官である。

(参考)太平洋島サミット2012ーフィジー問題

http://blog.canpan.info/yashinomi/archive/489

そのイノケ外相から「日本は韓国と中国に悪魔的行いをした。」とツイッターで述べられ、大ショック。日本外交がフィジー対応を何もしていない事を懸念し、笹川会長と羽生会長にフィジー出張を直訴した位だ。

慌てて探した外務省アジア大洋州局伊原局長とイノケ外相の面談ニュースは、年を間違えて2013年の事であった。

外務省アジア大洋州局伊原局長、フィジーのイノケ外相を表敬

http://blog.canpan.info/yashinomi/archive/1059

さて、上記 Fiji Sunのニュースには

ー 5月の島サミットにバイニマラマ首相が参加し、安倍総理と会談。

ー 岸田外相も両国の関係を新たなレベルで修復させたい、と。

ー フィジー産品の日本市場開放

ー 経済、投資交流の活発化

ー 園芸、観光農業開発支援

ー 議員交流

ー visa reciprocal arrangement

等、多岐にわたる生産的な議論がされたようである。

なお、上記のvisa reciprocal arrangementは意外と重要と当方は考えている。

なぜか? 日本ーフィジー直行便が、日本ー香港に取って代わられたのは、中国がこのvisa reciprocal arrangementを進めたという背景があるからだ。

加えて、3月12日に提出された「第7回太平洋・島サミットに向けた有識者会合提言」にはフィジー参加が下記の通り記述さている。当方のブログで提案した通りなので嬉しい。

「本年9月に総選挙が実施されたフィジーについては、PALM7に首相の出席を確保することに 大きな意義がある。フィジーPIFへ復帰するか否か、現状では不透明な状況だが、PIFへの復帰いかんにかかわらず、フィジー首相のPALM7への参加を実現させるべきである。フィジー首 相が出席すれば、PALMは「日本とPIF諸国首脳会議」ではなく、「日本と島嶼国の首脳会議」で あることを名実共に示す機会にもなろう。」

島サミットとフィジー

http://blog.canpan.info/yashinomi/archive/1089

PALM and Fiji (この内容はイノケ外相にも送らせていただいた)

http://blog.canpan.info/yashinomi/archive/1090