やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

欧州へ ー お墓参り

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今回の欧州訪問は考古学者の愚夫がオックスフォード大学とソルボンヌ大学で客員教授として講演に呼ばれたのでついて来たのだが、勿論自分の渡航目的を設定。

一つが英国と太平洋島嶼国を結ぶ金融システム、即ちタックスヘブンとナショナルトラストの絡繰りを調べる事。

もう一つが、「お墓参り」である。 この「お墓参り」。英語の表現がない。即ちその習慣がないのだそうだ。 Visit ancestors' cemetery という。Pray でなくVisit。なんか違うよねえ。

当方のお先祖様は欧州にはいない。愚夫のご先祖様である。 しかも歴史上の人物で、血塗られた西洋の歴史の中でも重要な役割を担っている。

一人はCharles James Fox。奴隷貿易を廃止した。大英帝国博物館の近くに銅像がある。

もう一人はLord Edward Fitzgerald。アイルランド独立を試み英国人に殺された。

それから、経済学の父、アダム・スミス。こちらは血のつながりはありません。

オックスフォードで英国の土地問題を探索した後、昨日からスコットランドのエジンバラに移動。 早速アダムスミス詣で。 キャノンゲート通りのキャノンゲート教会の中にスミスのお墓がある。 門にはそれらしき説明がないので、ちょっと不安だったが、教会の左側、通り沿いの建物の一角に、あった。

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地面にはAdam Smithと書かれた道しるべのようなものがあった。

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鉄の柵に囲まれている。

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ジョン・ガルブレイス著の「経済学の歴史」には、「経済学に些かでも興味のある人はここを訪れるべきである」と書かれているのだそうだ。 スミスのお墓のあるキャノンゲート教会の脇にスミスが1778-1790年住んだ家がある。 地元の大学がスミスの住居として改築保存を試みたようだが現在は頓挫している模様。

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教会からは直ぐに行けず裏道を探すのに一苦労。Lochend Closeという袋小路の奥にある。

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近くにシュールな街灯があった。

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アダム•スミスのお墓と、住居を訪ね、ご先祖様ではないが、これで経済学の父の加護を受けられるであろう、と大満足。 メアリー王妃のエジンバラ城に向かった。悲運の王妃で、これも愚娘のご先祖様。 途中、またアダムスミスとヒュームの銅像に遭遇。

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これでスコットランド訪問の目的は完遂した!