やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

日本とアイルランドを結ぶ「能」その2

アイルランドの魂を歌ったイェーツは、日本文化を勉強したフェノロッサ経由で、日本の「能」から大きな影響を受ける。 イースター蜂起の2ヶ月前の1916年2月、イエーツは「鷹の井戸」をロンドンで発表。 アイルランドの伝説と日本のお能が融合したようだ。

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写真は1916年伊藤道郎が舞う鷹

この「鷹の井戸」は日本風に編集されて日本でも公演されている。

参照:逆輸入された能ってあるの? http://www.the-noh.com/jp/trivia/105.html

睡眠薬効果のあるお能もその詩の意味を知ると面白い。

日本のお能の幽玄の世界とアイルランドの伝説の世界。 イエーツのいうアイルランドが抱えた terrible beauty がお能にあると思う。 全く関心のなかったアイルランド。 ご先祖様を含めたその歴史も、米国や豪州に移民した彼等の立場も、そして、蜂起百周年を迎えるアイルランド自体も、日本のお能を通して理解する事ができるかもしれない。 今回のアイルランド訪問ではLord Edwardとイエーツ、2人のアイリッシュの幽霊と語る事ができたのだ。

宇高竜成能楽師の公演が今週末3月20日ある。日本の詩人谷川俊太郎さんの朗読。 http://www.tatsushige3.com/