やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

歌占う木瓜の花

心の四季

心の四季 髙田三郎作曲、吉野弘作詩1967年の作品。 作曲家、髙田三郎の「西洋および日本の音楽の伝統を尊重しつつも、安易に輸出用音楽や虚偽の民族性によりかからない」音楽は多くの日本人の心を捉えてきました。日本語の美しさを生かす高田の作品をお楽し…

光格天皇とモーツァルト レクイエム

「死は【厳密に言えば】ぼくらの人生の真の最終目標ですから、ぼくはこの数年来、この人間の真の最上の友とすっかり慣れ親しんでしまいました。その結果、死の姿はぼくには少しも恐ろしくなくなったばかりか、大いに心を安め、慰めてくれるものとなりました…

芸術の自由とは?モーツアルトとフリーメイソン

(京都鴨川混声合唱団ニュースレターに寄稿した記事です。同合唱団の編集委員をしています。) モーツアルトがフリーメイソンのメンバーであったことは周知のはなし。フリーメイソンって?カルト集団じゃあ? メイソンは石工の意味。そのまま訳すと「自由な…

京都のアイルランド(1)

2年前に初めて訪ねたアイルランド。 肝心のアイリッシュ音楽を聴く機会を失った。 ホテルマンの非常にアイリッシュ訛りの強い英語と、多分その説明の下手さ、さらに私の方向音痴が重なって1時間ほど街中を彷徨ったが、とうとうアイリッシュパブは見つからず…

鴨川に響くモーツアルトのレクイエム

<以前書いたモーツアルトのレクイエムのブログを鴨川混声合唱団のニュースレターにと声をかけていただいたので、少し書き直し、モーツアルトと光格天皇の事を追記しました。> 光格天皇御胞塚 鴨川沿いの道を選んで同志社大学まで徒歩で通っている。 この4…

インド太平洋構想からユーミンへ

ウェッブ検索をしていると最初調べようとしてたことを忘れるくらい、おもしろい情報が芋づる式に出てくることが多々ある。 是非書き留めておきたい、芋づる検索結果。 今や、豪州の外交白書もトランプ大統領も、そしてモジ首相も、はたまたパラオ副大統領ま…

鷹姫ーアイルランドと日本を結ぶ能

アイリッシュの詩人イエーツと能研究者小林静雄 娘のご先祖様の一人にアイルランドの歴史的人物がいる事を知ってから、興味も関心もなかったアイルランドが急に気になって来た。 昨年初めて訪ねたアイルランドは「イースター蜂起」100周年でイエーツの詩…

鴨川に響くモーツアルトのレクイエム

鴨川沿いの道を選んで同志社大学まで徒歩で通っている。 6月の日差しが厳しくなってきた頃、信号待ちで日陰に入った。 老舗のお米屋さんの前。 モーツアルトのレクイエムを一緒に歌いませんか?というポスターが貼ってあった。 モーツアルトのレクイエム。音…

師の占う 白鳥の歌 四海波

渡辺昭夫先生から「白鳥の歌」のリストをお年賀としていただいた。 全部で七作。すごい! こんなに書いていらっしゃるとは知らなかった。 嬉しい、そして悔しい! 1. 渡邉昭夫編著『21世紀を創るー大平正芳の政治的遺産を継いで』 PHP研究所 2. 大庭三枝編…

自由が丘と私をつなぐものー教育

自由が丘を初めて訪ねた。 自由が丘の名前の由来は自由ヶ丘学園にある、とこれはwikiにあった。 もしそうであれば、自由が丘が私にとって特別場所である。 1928年、自由ヶ丘学園を創設した手塚岸衛が最初に自由教育を行ったのが千葉師範学校附属小学校。1919…

日本とアイルランドを結ぶ「能」その3

<アイルランドと太平洋島嶼国を結ぶタックスヘブン> お能も、幽霊も、伝説も多分関係のないアイルランドの特徴で、太平洋島嶼国と共通の要素がある。 その名は、タックスヘブン! Facebook, Google, スタバ等々世界のグローバル企業がアイルランドに会社を…

日本とアイルランドを結ぶ「能」その2

アイルランドの魂を歌ったイェーツは、日本文化を勉強したフェノロッサ経由で、日本の「能」から大きな影響を受ける。 イースター蜂起の2ヶ月前の1916年2月、イエーツは「鷹の井戸」をロンドンで発表。 アイルランドの伝説と日本のお能が融合したようだ。 …

日本とアイルランドを結ぶ「能」その1

今回の欧州訪問は至る所で木蓮の花に出会えた。木蓮は椿同様、日本経由で欧州に伝わってきたようだ。写真はダブリンのトリニティカレッジ。 初めてのアイルランド、ダブリン訪問。 色々勉強してから来ようと思ったが、何もできなかった。 エジンバラからのAe…

お能が睡眠薬でなくなる時

四十数年、西洋音楽をばかりやっているが日本伝統芸能も気になっている。 学生の時にお能を観る機会が何度かあったが、暖かい室内の能楽堂で、意味のわからない、唸っているような音楽と、四角の狭い舞台を行ったり来たりしているだけのお能は、効き目最高の…

歌占う木瓜の花

謹賀新年 今年もよろしくお願い致します。 年末に不思議な「再会」があった。 鳥井啓一氏である。 このブログを見ていただいている、という。 鳥井参与とのお話の中でこのブログに「音楽の話がでていないではないか。」と指摘いただいた。太平洋とは25年の付…

祇園祭 ―民俗“楽“的考察

2010年7月、京都三大祭りの一つ、祇園祭りを初めて鑑賞させていただいた。 テレビによく出る山鉾は宵祭りの、即ち前座であることも初めて知った。 通行止めされた大通りには日本中の屋台が集まったような賑わいで、歩けないほどの人、人、人。京都の人はあま…