やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ニュージーランドに37歳の女性の首相が誕生

 昨日はこのニュースで新井京先生の国際法授業が上の空になってしまった!

 

ニュージーランド、9年ぶり政権交代 TPPに慎重姿勢

2017/10/19

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22462560Z11C17A0FF2000/

 

ニュージーランドの総選挙、第1党の国民党、第2党の労働党がどちらも過半数に満たなかったため、第3党となったウィンストン・ピータース党率いるNZファーストがキングメーカーとなった。

 

37歳、女性、しかも党首になったのは2ヶ月前。

ニュージーランドでの労働党への期待は大きい。しかしそのリーダーシップにいつも疑問の声が。

そこに若くて、頼もしい、しかもあのヘレン・クラークの下にいたとうジャシンダ・アーダーン女史が現れたのだ。

 

ニュージーランドは世界ではじめて女性の投票権を認めた国でもある。

アーダーン女史は3人目の女性の首相だという。女性の社会への進出は世界で群を抜いているのではないか。

 

差別に厳しいニュージーランドだが、中国からの進出は格差を広げ、職を奪い、人々を、コミュニティを、特に社会の弱者を幸せにしていない側面も最近よく報道されるようになった。

人口が約400万人と羊の数より少ないニュージーランドは積極的に移民を受け入れている。しかし、中国人や中国資本は不動産の値を跳ね上げたり、交通事故が増えたり。。

 

 

キングメーカーとなったピータースの「資本主義は人間の顔を取り戻すべきだ」という下記のコメントが印象的だった。

 

"“We believe capitalism must regain its human face, and that conviction deeply influenced our decision.”

 

"Jacinda Ardern to be New Zealand's next PM after Labour coalition deal"

https://www.theguardian.com/world/2017/oct/19/jacinda-ardern-new-zealand-prime-minister-labour-coalition-deal-winston-peters より

 

太平洋島嶼国とも関連の深いニュージーランドの新政権。

日本の安倍政権にとって強敵となるか、味方のなるか。それも興味が尽きない。

 

 

*この12月にはニュージーランド学会のご依頼で「ワーキングマザー兼学生マザーが見たニュージーランドの教育」というテーマで講演をする予定です。