やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

尾高朝雄のノモス主権論

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  このブログにカール・シュミットの「大地とノモス」をメモしていなければ出会えなかった本である。

 SNSで見ず知らずの人からこのブログのしかも「大地とノモス」をRTされたので少し驚いた。 カール・シュミットは多くの人が名前は知っているが議論の中身は知らないという反応だったからだ。

 その方のツイートに「天皇制の国民主権とノモス主権論」政治の究極は力か理念かー(尾高朝雄著)があって、ノモスが日本国憲法の主権論で取り上げられ、しかも尾高朝雄博士はケルゼンの友人でシュミットより前にノモスを議論していたようなのである。(しっかり調べていないので間違っているかもしれません)

 関心は持ったが読もうとは思わなかった。しかし、ある日図書館に行って借りたい本の隣にその本が「いた」のだ。しかも「借りなさい」と無言のメッセージを私に発していた。

 70年前に展開され、話題を呼んだらしい憲法学者宮沢俊義と尾高朝雄の国民主権と天皇制を巡る論争を、書士浸水社が復刻したのである。

 面白い!が、難しい! 何となくわかる、がここに書けるほど理解できない。 主権とは何か、特に自決権が国家主権につながることをを考えるとき、議論する時、参照したい本である。一度図書館に返すこととした。