やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ニューカレドニアー独立を問う住民投票 パリコミューンの影

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1871年のパリコミューン 改めてフランス革命のめちゃくちゃさを実感 みんなルソーとマルクスのせい?

内藤先生のブログではフランスの領有化から第二次世界大戦に一気に飛ぶ。

しかしここで忘れてならないのが、流刑された多くが1871年のコミューン革命の政治犯。ウィキによると4200人がニューカレドニアに流刑されたという。意外なところでマルクスの第一インターナショナルの動きとニューカレドニアはつながっているのだ。

即ちヨーロッパ系の中でも現フランス政権に反発、反感を持つ人々もいる。実は友人がその一人だ。先祖が政治犯。独立を望みたいが、カナク人にその準備ができていないし過去30年の独立へ向けた運動は停滞している、と聞いた。

 当初、ニューカレドニアは流刑植民地でしたが、19世紀後半、ニッケルが発見されたことで鉱業の島となり、第二次世界大戦では、自由フランス側の支配下に置かれ、ガダルカナル攻略などでの米軍の拠点として利用されました。

内藤先生のブログより。

郵便学者・内藤陽介のブログ ニューカレドニアの独立否決

 

もう一つ、フランスの領有化から第二次世界大戦の期間にあったこと。今徴用工問題が議論されているが、南太平洋ではブラックバーでンとよばれる黒人狩りが行われていたのだ。これは以前ブログに書いた。この件、徴用工問題を扱ううえで重要だと思う。「普通」の西洋式植民はこういう事が当り前で植民地の人々の福祉教育なんて毛頭もないのだ。だから日本の、後藤新平の植民政策を理解できないと徴用工問題も世界は理解できないはずだ。違う?

yashinominews.hatenablog.com

ニューカレドニアの歴史は勉強した事がないが、博士論文で扱ったバヌアツ(英仏共同統治が行われていた)の歴史を学ぶ時にいかにフランス人が土地を奪っていったかは書かれているので同様であることは想像できる。そしてフランス人の人種差別は今でも指摘されている。

私は自決権を学んでいるので、ニューカレドニアの独立を支持しない立場だが、フランスの統治は賛成できない。日本の支援でニューカレドニア北部に海洋資源研究所や水産資源研究所、学校などができないだろうか?海洋に関する科学、文化、国際法などを学ぶ新たな拠点。後藤新平だったらなんというか?