やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

信夫清三郎著「ラッフルズ伝」

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父親の信夫淳平。外交官、国際法学者。清三郎氏の写真は見つからず。4人の息子のうち2人が自殺。ウィキ情報だがかなり激しい性格だったようだ。


何度か読んでいる白石隆著「海の帝国」今回読んだら信夫清三郎著「ラッフルズ伝」というのが、なんとアダム・スミスとラッフルズの関係で書かれている、とあった。本は何度も読み返してみるものだ。

この白石先生の本は一般人向けに書かれたものであろう。学術書の固さがないのだが、なんか物足りないのだ。<海の帝国> 面白い、そして私には重要なテーマなのだが何かが抜けている。

白石先生の本の最後に参考文献の解説があり、この信夫清三郎著「ラッフルズ伝」について;

…タイトルにも見る通り、いまでがほとんどだれもとりあげないような問題関心から記されたものであるが、それでもなお読むに耐える。…

とある。え?

これが読むに耐える、という評価なのか?

この本こそ今読むべきではないか?

信夫清三郎氏は戦争中にこの本を出して発禁になったのだ。この本を書くことで戦争に反対したのだ。英国の植民政策を支持したのだ。後藤新平のように!

信夫清三郎氏は後藤新平の本も書いている。

後藤新平――科学的政治家の生涯』(博文館、1941年)