やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

トンガの大陸棚から金銀銅鉛が確認

(2009. 6月の記事です。)

トンガの大陸棚から金銀銅鉛が確認

2009年5月30日から開始されたトンガ大陸棚の海底鉱物資源調査で金銀銅鉛が確認された。4月下旬から5月18日までに実施されたフェーズ1に続く2回目の調査である。

調査はカナダに本部を置く、ノーチラス鉱物社が実施。現場で採掘調査を担当したのはオーストラリア国立大学と同じくオーストラリアの研究機関CISRO (Commonwealth Scientific and Industrial Research Organization).

1トンあたり34グラムの金と1トンあたり185グラムの銀が確認されたとのこと。詳細な数字や地図は同社のウェッブサイトに公開されている。

Figure 1: www.nautilusminerals.com/i/misc/Figure1_TongaSS.pdf

Figure 2: www.nautilusminerals.com/i/misc/Figure2_TongaSS.pdf

Figure 3: www.nautilusminerals.com/i/photos/southern_surveyor_5.jpg1

Table 1: www.nautilusminerals.com/i/misc/Table1_assayresults_TongaSS.pdf

 

ノーチラス鉱物社は当初、パプアニューギニアの海底資源調査のために設立されたが、同国とライセンスの問題で保留になっており、先にトンガの採掘調査が行われた。同社はTeck Resource, Anglo American, Metalloinvest(ロシア)、Gazmetall Holding(キプロス)等の世界トップ鉱物会社が出資している。

自力での海底資源調査、採掘実施はほぼ不可能な太平洋島嶼国が、未知の海底鉱物資源をいかに管理運営していくか、漁業資源と共に今後大きな課題になるであろう。

 

<参考ウェッブサイト>

Nautilus Confirms High Grades in Phase One of 2009 Tongan Exploration.

June 11, 2009 News Release Number 2009-13

  

以上。 (文責 早川理恵子)