やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

アメリカの増税と楽園の島=タックスへブンの島

アメリカの増税と楽園の島=タックスへブンの島

 今朝ラジオからオバマ大統領が富裕層への増税を提案しているニュースが流れていた。ウェッブの産経には「富裕層や石油業界への減税措置を撤廃するほか、年収100万ドル以上の富裕層には新たな増税も行う。」とあった。

 富裕層や国際企業がどのようにお金を隠しているかを書いたのが、以前ブログでも紹介したニコラス・シャクソンの『宝島』だ。ここに先進国内の、途上国内の「格差」の原因が書かれている。

 どうも田中宇さん以外、日本ではほとんど話題にしていないようなのが気になっている。早く誰か翻訳してくれないだろうか?

 

 オバマ大統領の提案が通れば、富裕層は国内で課税される資産を減らすために、今まで以上に太平洋島嶼国やカリブなどの"独立国だけど金融制度を自由に操れる国"に資産を持ち出すかもしれない。

 そうであれな島嶼国にはグッドニュースだ。

 他方、資産の海外送金に制限がかけられるかもしれない。ここはアダム・スミスの出番だ。レッセフェールと規制のバランス・攻防が展開する。

 このタックスへブン制度。マネロンとも繋がっている。富裕層、国際企業だけでなく、テロ組織、犯罪組織の資金源を支える構造もある。