やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

日米豪のシーパワー

日米豪シーパワー。取りあえず人員の構成をイメージとして把握するためのメモ。 数字はウィキからなので、後できちんと調べたいが、大きく外す事はないであろう。
JUSA sea power.png
米国は海軍、海兵隊沿岸警備隊、合わせて712,000人。日米豪全体の91%。 日本は海上自衛隊海上保安庁合わせて58,000人。日米豪全体の7%。 豪州は女王様の海軍のみ。たったの13,000人で日米豪全体の2%。 豪州海軍が少ないというのは意外と知られていない。日本の海保並の人員で冷戦終結後の太平洋全体を護って来たのだから大したものだ。
JUSAseapowerratio.png
法執行機関の米国沿岸警備隊と海保を抜かしても各国の比率は大きく変わらない。 米国は海軍、海兵隊、合わせて667,000人(88%) 日本は海上自衛隊、45,000人(9%) 豪州は女王様の海軍、13,000人(3%)
JUAseapowerNavyratio.png
最後に米国と日本のシーパワーの比率。 Japanseapowerratio.pngUSseapowerratio.png  米国の沿岸警備隊は日本の海保の3倍強の42,000人。しかし米国のシーパワー全体(海軍、海兵隊合わせた総数)では6%。他方日本は海上自衛隊との比率は22%。  いかに米国のシーパワーが異常か、ということだ。  図にはしなかったが、日米の法執行機関(米国沿岸警備隊と海保)は合わせて55,000人。日米豪シーパワー全体の7%。  豪州は女王様の海軍が法執行権限が与えられている。よって王立豪州海軍13,000人をこれに足すと68,000人。それでも全体の7%。  この7%の法執行機関が米国の絶大にして絶対的シーパワーをどう活かすか?という話になればよいと思うのだが。。  今回の集計には入れなかったがニュージーランドなんか、予備兵入れて女王様の海軍は2600人。これで人命救助などキリバスクック諸島など広域の太平洋でも活躍している。自国のEEZは日本に次ぐ広さである。海保ー法執行機関はない。日本に比べ人口も少ないし、近隣に脅威となりそうな国もないが、常備軍はたった2千人強である。この数で誰のものでもないハズの南極大陸も範囲とする。  一国の軍事力で見てはいけない。イギリス、 オーストラリア、ニュージーランドシンガポール、マレーシア間の五ヵ国防衛取極め(the Five Power Defence Arrangements)もあるし、フランス、オーストラリア、ニュージーランドの3カ国軍事同盟FRANZ、これにFFAが中心となるクアド(豪NZ仏米)の枠組みもある。最近はパールハーバー入港を拒否されるという場面はあったものの、米国との軍事関係も強化されつつあり、ANZUS同盟も息を吹き返しそうだ。  よって、3000人以下、と侮るなかれ。軍事力は同盟関係を見極める必要がある。  日米同盟だけに頼る日本の状態。検討する必要あり。