備忘録。。
やっぱり、アダムスミスを継承した新渡戸稲造と矢内原の研究が誤解されたまま、というか、きっとスミスの国富論にあるOf Coloniesが読まれていないんだろうな。で、もしかしたらスミスの植民論をきちんと理解して実行していたのは新渡戸稲造と矢内原忠雄がいた日本だけだったかも?
David Williams, ADAM SMITH AND COLONIALISM
2014年に発表されたペーパー。 ヘー、スミスって広く誤解されているんだ。
スミスは植民地反対したんだけど、それは人道的理由ではなくて、イギリスがやっている植民政策はロンドンに一切利益をもたらさない、という経済の視点を理由に反対したんだよね。植民がもたらす良い部分も指摘していた。ローマ、ギリシャ時代の話もして。新渡戸や矢内原のスミス理解ってもしかしたら貴重かもと思ってWillams博士に新渡戸の英文資料を送ったら返事をいただきました。
Dudley Seers, From Colonial Economics to Development Studies, Institute of Development Studies 1968
https://www.ids.ac.uk/files/dmfile/seers1.1.pdf
おなじみ開発学の大家、Dudley Seers先生の3ページのメモ。開発が経済学だけでは対応できず、過去の植民経済学のように文化人類学とか学際的にやんなきゃだめだ、って話。開発学が植民学の延長っていうのがなんとなくわかる。
小熊英二、「開発と植民学」重点領域研究総合的地域研究成果報告書シリーズ : 総合
的地域研究の手法確立 : 世界と地域の共存のパラダイム を求めて (1997), 28: 6-16
http://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/187657/1/ias_028_006.pdf
矢内原と新渡戸とスミスを論じているんだけど。。多分、矢内原より新渡戸の方がスミスを研究していた事を小熊さんは知らない?それからスミスの植民論を知らないで議論してる?加えて言うと開発論を知らないで書いている?と疑いたくなる内容ではあるが、開発と植民がつながっているのは納得できる。
今泉裕美子「矢内原忠雄の国際関係研究と植民政策研究─講義ノートを読む─」(1996)
矢内原の国際関係研究に関する講義ノートを分析し,植民政策との関連性を探ったもの。
まだ読んでいない。