やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

トラック諸島の旧海軍沈没船、油流出防止を支援(追記あり)

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トラック諸島の旧海軍沈没船、油流出防止を支援 2017年07月22日

http://www.yomiuri.co.jp/eco/20170722-OYT1T50068.html

 

Moves under way to prevent oil leaks from wartime ships

http://the-japan-news.com/news/article/0003835401

 

この話、知っている人にとってみては、「やっと」と深いため息の話である。

戦争中に沈んだ船からの油や危険な物質の流出は以前から、きっと10年以上指摘されていたのだ。

2015年には読売新聞の高沢剛史記者から取材を受け大きな記事にもなった。

 

 

 

これこそ、小島嶼国の大統領が国連で何度叫ぼうとも、無視されてきた案件である。

 外務省が3年間で約3億円の予算を出す。

委託先はパラオでも活躍中の「日本地雷処理を支援する会」JMASだ。海上自衛隊を退職された方達などが命がけで処理に当たっている。

現地との調整もまた困難の連続だが、パラオでのノウハウが生かされると良いが。

是非、米国と協力し来年の島サミットのメイン事業として発表して欲しい。

 

<追記>

この戦跡の海洋汚染に関して、この6月に国連海洋会議に提案されたPIFの提言にも入っていた、のを思い出した。

 

The Blue Pacific at the United Nations Ocean Conference

http://www.forumsec.org/pages.cfm/newsroom/announcements-activity-updates/2017-1/blue-pacific-at-united-nations-ocean-conference.html

 

"The Pacific Ocean for example is exposed to a range of harmful and potentially deadly contaminants and pollutants like remnants of nuclear waste in the Marshall Islands, relics from World War II and shipwrecks dotted around the region."