やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

安倍総理とテイラー事務局長はテリトリアリストか?

Jursidictional right 管轄権 

海洋法を理解するのに山本草二先生の管轄権の議論は必須であることを坂元教授から伺って今年の初旬はこの管轄権に関する議論を読み、なんとくなわかってきた。

そうすると今までEEZ が沿岸に繋がる領域を囲い込む印象だったのが、反対に開かれた空間であるべき、という感覚になってきて世の中で「日本は広大なEEZ云々」と言っているのが、間違っている、わかってないんじゃないの?と疑問を持つようになった。

これをテリトリアリストー領域主義者と半分冗談で指摘するのが下記の論文を書かれたBoczek博士だ。

”Ideology and the Law of the Sea: The Challenge of the New International Economic Order” Boleslaw Adam Boczek

https://lawdigitalcommons.bc.edu/cgi/viewcontent.cgi?article=1476&context=iclr

 

早速テリトリアリストを見つけた。太平洋諸島フォーラムのテイラー事務局長だ。9月8日のオーストラリア国立大学でのスピーチ。

ここで海洋の「オーナシップ」という言葉が出て来る。

”The settlement of maritime boundaries provides certainty to the ownership of our ocean space, as Pacific people taking control of our domain, which is critical to managing our ocean resources, biodiversity, ecosystems and data, as well as for fighting the impacts of climate change.”

 

続けて見つけたのが安倍総理の国連総会演説だ。

せっかく「自由で開かれた海」と言っているのにpossessingという言葉がある。但し和文は「持っている」になってはいるのだが。。

”Japan, located directly above it and also possessing a vast exclusive economic zone, hopes for stability and peace in these waters as well as in the airspaces above them.”

「真上に位置し、広いEEZ(排他的経済水域)を持つ日本は、この海域と、またその上の空域が安全で平和であることを望みます。」

www.kantei.go.jp

勿論総理演説の英訳に国際法の専門家のチェックが入っているはずだから単なる私の杞憂だと思う。私自身がまだJursidictional right 管轄権を理解していない。もう一度山本草二先生の論文を読み返したい。

 

<追記>これも青い大陸と言っている。。絶対太平洋島嶼国のリーダーは海洋法の議論知らない!もしくは中国の影響を受けている。

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