やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

Fishing For FSM Fortunes

これは衝撃的な資料である。

 

まとめたHENRY K.O. NORMANさんが回覧、公開してよいというのでワードにして添付する。

明日以降にメモをつけたい。

水産庁、外務省は必見かと思います。

そして私が以前書いたルエンタイの件が見事に一致しているのが、嬉しいといより怖い。


 

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パラオがあっという間に中国に飲み込まれたのに比べ、隣のヤップは中国からの大きな投資案件を強硬に抵抗してきた。そのプラットフォームのようなFacebookのサイトがあってフォローしている。

最近中国からの攻勢がまた始まった様子である事が伝わってきた。

 

そして下記のウィキリークスの情報を拾ってきた、というレポートを見て衝撃を受けた。

2009年辺りから動きのあったヤップへの攻勢は、以前このブログにも書いたミクロネシア地域のメディアからカジノ、売春まで網羅し、アジア太平洋最大の水産業も展開する「あの」ルエン・タイファミリーと繋がっていたのだ。

 

下記に要点を書き出す。

・2017年4月に水産会社Zhou Xin Dong のLian Cheng会長とヤップ州知事 Tony Ganngiyanがジョイントベンチャーの協定を締結。水産業の開発を目的にした海岸の土地のリース。Zhou Xin Dongはルエンタイが出資する会社。

 

・タンファミリーのDr. Tan Siu Linは在香港のミクロネシア連邦領事になっている。この任命の直後にETGの投資話がヤップに持ち上がった。

(ETG-Entertainment and Travel Group)

 

・2009年、ルエンタイはミクロネシア連邦のモリ大統領に同国の全漁港の独占を要求していた事が在FSM米国大使館が押さえていた情報としてウィキリークスで確認できる。以下ウィキリークス情報。

 

・米国のオセアニアという水産会社がミクロネシア連邦への投資を検討していたがルエンタイの案件が秘密裏に協議されている事に懸念を示した。公開入札をしていない。

 

・中国本土の貿易会社“China National Mechanica”がルエンタイに出資する予定である事を中国大使館一等書記官が述べている。さらに中国企業がミクロネシア連邦全ての港湾を調査し、開発の可能性を検討していることも。

 

・National Oceanic Resource Management Authority (NORMA) のDirector Bernard Thoulag はルエンタイの計画を何もしらなかったし、マグロの加工工場やこれ以上の漁場の拡大は難しい、と。

 

・ミクロネシア連邦のJames Movick(FFA前事務局長)は米国のオセアニアのような真剣でない会社よりルエンタイのようなお金を持っている会社に関心があるとあからさまに示した。

 

・米国の会社オセアニアはポナペ州政府とミクロネシア政府間の闘争に巻き込まれた結果となった。公開入札はルエンタイに、即ちミクロネシア政府に都合のよい条件になっていた。(ここら辺複雑で理解不能)

 

・日本の佐藤大使は、日本のミクロネシアに対する援助が、結果的に中国や台湾の企業を支援している事に懸念を示した。滑走路延長の日本の支援は冷凍マグロをポナペから日本に運ぶためだし、ミクロネシアのEEZで中国の漁船がとったマグロがそのまま日本に運ばれる事にも日本の会社は懸念を示している。佐藤大使は一度もルエンタイの名前を挙げていないが。

 

この日本の佐藤大使は、笹川平和財団のミクロネシア海上保安事業が開始した時に現地にいらしたので存じ上げている。このような重要情報を外務省は省内でさえ共有しない。私はお名前は挙げないが、ルエンタイの動きについて後任の日本大使にご説明し随分感謝された事がある。

佐藤大使は現在APICという外務省の外郭組織でミクロネシアの環境保護の名目で行われているタックスヘイブンンの活動にも関わっているはずだ。以前、ブログに書いた。

 

 

このタックスヘイブンの会社をミクロネシア連邦で始めたのもモリ大統領である。(元々はパラオのレメンゲザウ大統領だがパラオ議会が却下。この仕組みを日本人ビジネスマンから3千万円もらって作った米国人のラリー・ゴダート弁護士。ラリーがモリ大統領に提案した、と本人から聞きました。)モリ政権下で日本漁船に億単位の高額の保証金を要求したエイプリル元司法長官も含め、ミクロネシア警察が調査を始めたという。この司法長官を支援したのが日本財団と笹川平和財団で、私がロバート外相から1時間に渡ってパリキールの政府庁舎で吊るし上げにあった理由だ。

 

 

Fishing For FSM Fortunes.docx