やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2つ目の博論と空海

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この世の中に2つ目の博士号に挑む人は多くはないようで珍しがられている。

私の場合は,2008年から担当してきた海洋安全保障問題を体系的に学ぼうと決意した事が理由である。

2015年辺りであろうか、笹川平和財団のモラルハラスメントは酷くなる一方だった。出張依頼が財団から出て、現場に行っても財団職員は何も教えてくれないどころか、日本財団の元海洋保安庁職員だった有川という若造は、「早川さん余計な事しないでください。」と失礼千万ないい方。あんたの尻拭いしているのは私なのよ、と心で思ったが馬鹿に言っても通じないであろうから、羽生会長に相談した。

「情報を何ももらえませんが。。」

「ろくな情報持ってないからいいんだよ。」

あ、羽生さんも有川が馬鹿である事は知っていた。まあ、確かにそうだった。パラオの閣僚たちも有川以下、財団の職員が使えないというのがわかっていて、私に事情を説明し動くよう指示があったのだ。

こんな状況では2008年にせっかく私が立上げたミクロネシア海上保安事業が潰れてしまう。羽生さんに、今後どうすべきか相談した。

「これからもずっと仕事を続けて欲しい。」2016年1月の事だ。

 

それで体系的に海洋問題を勉強しようと決意をした。ちょうど8年かけた一つ目の博論が完成一歩の頃であった。色々調べて門を叩いたのは,同志社大学の坂元先生。

「博士でBBNJをやってみなさい。」

「え、博士ですか?修士でいいのは?で、BBNJとは?」

「博士に挑戦してみなさい。BBNJに関してはこれとこれとこれを読みなさい。」

そんなやり取りがあって急遽同志社を受験する事に。。

 

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 一つ目の博士で、博士論文がどんなものか知っている自分としては2つ目は大きな躊躇があった。自殺する人もいる位博士論文執筆というのは重い作業なのだ。

その頃読んでいたのが陳舜臣さんの空海の小説『曼荼羅の人』。

空と海。

一つ目の博論は空に浮かぶ衛星を中心とした情報通信政策だった。

空を学んだから次は海を学ばなければ。。

もしこの小説を読んでいなければ2つ目の博論に挑む決意をしていなかったかもしれない。

『曼荼羅の人』は上下2巻で読み出すと止まらないのだが、下巻の途中で止まっていた。先ほど最後まで読んだ。空海も学びの人である。

ここ数年神武の足跡を追って小旅行を重ねたが、空海の足跡も追ってみたい。