やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて30年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

一人で立上げたミクロネシア海上保安事業

 2008年、笹川陽平さんの正論をきっかけに立上げる事となったミクロネシア海上保安事業。安倍政権のインド太平洋構想にも重要な位置を占める。

 笹川さんの正論にミクロネシアへの支援をいれたのは私のアイデアである。草稿段階で何回かコメントを求められたのだ。笹川さん自身は太平洋島嶼国の事を知らないし、これを草稿した元共同通信にいた山崎さんというジャーナリストも何も知らない。

 事業を進めることになってミクロネシア大統領サミットの枠組みで開始したのも私のアイデアで、さらに私が一人でロビー活動を行った。なのでミクロネシア海上保安事業は全く私の事業なのである。10%笹川さん、10%が羽生さん、位の関与である。天下り、造船利権の国交省は関与に入れない。

 本当に一人で立上げたのだ。しかも、散々足をひっぱられた挙げ句、である。足を引っ張ったのは当時の豪州ラッド政権、日本の外務省(余計な事を、と何度いわれたか)そして信じられないと思うが財団の職員である。

 笹川平和財団には太平洋島嶼国の事、もっというと仕事の仕方を知っている人はいない。即ちこの事業がうまく進むと自分の業績にならないので邪魔をしたのだ。

 ちなみに1991年に私が財団に入ってから一度も業務指示を受けた事がない。1989年に設立された島嶼国基金は担当者や財団幹部がめちゃめちゃにし、放り投げられた状態で、26歳の私に「自由奔放にやってくれ給え」と任されたのである。なので個人商店のように運営してきた。

 笹川さんの正論での議論「太平洋共同体」が海上保安になったのは国交省利権、造船利権を狙っていた、笹川平和財団前会長の羽生次郎氏(元国交省審議会)の悪知恵である。これが今薗浦健太郎議員の活躍でオールジャパンになろうとしている。

 米国、パラオだけでなく、英国、豪州からも色々と意見を求められる。そして何も知らない日本人の学者やジャーナリストが知ったぶりの顔でこの事業を語る時、どうしようもない感情、ハラスメントを受けているような気持ちになる。

 この事業がこれからうまく進む事はインド太平洋構想だけでなく、ミクロネシアの子ども達のためでもある。自分が10年関わってきた事業の歴史を紐解いていきたい。これが今取り組んでいる2つ目の博論の基礎、でもある。