やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

クリストファー・クラーク著『夢遊病者たち』読書メモ

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 歴史書である。小説ではない。

 と自分に何度か確認する必要があるような小説のような内容である。上下2巻もあり分量も中身も濃く、目の前に色々差し迫っている今、集中して読めないので一旦返却することとした。

 第一次世界大戦がどのように始まったかをヨーロッパの詳細で複雑な動き追っている。最初のセルビアの章だけでお腹がいっぱいだ。こんなに異常な状況になっている国だとは知らなかった。現状も知らない。

 読みながら思い出したのがマルクスの階級と民族の自決だ。マルクスはスラブ人のことなどこれっぽっちも考えていなかったが、マルクスのイデオロギーに一番共感したのがスラブ人だったのだ。セルビアもスラブの国だったと思う。

 

 猜疑心、パラノイア、猟奇趣味、残虐趣味、道徳の欠如、アノミーの世界。。歴史書である。小説ではない。と自分に言い続ける必要がある信じられないようなヨーロッパの現実。

 第一次世界大戦が始まる以前のヨーロッパは精神的な病が極限まで達していたような状況だった?1巻の途中までの感想。今度いつ手に取ることができるであろう。心と時間の余裕が時がいつ訪れるのか。。