やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

中国の衛星覇権を支えるトンガ王国とアメリカ人

 有本香さんが構成した虎ノ門ニュース。佐藤外務副大臣を招きテーマはなんと太平洋島嶼国だった。2年前に古屋議員初め国会議員の皆さんに講演をさせていただく機会があった時は、肝心の外務省が太平洋島嶼国の実態を何も認識していないくて絶望的になった。しかし佐藤議員はよく理解されている。また有本さんよく調べていらっしゃる。以前より有本さんから太平洋島嶼国の件で照会があり今度お会いして、という話になっていた。

 正直、メディアで太平洋島嶼国の事を何も知らずに知ったか顔でおじさんたちが話している様子は、ハラスメント受けているような気分になる。しかも虎ノ門ニュースは先日チャゴス判決の件で聞き捨てならないコメントをしていたのでクレームを出したばかりだ。

 色々コメントしたいが、番組の後半で取り上げていた中国の衛星覇権。これ実はトンガが大きく関係している。非常に複雑な話なので、なるべくシンプルに書いてみたい。

 衛星は米国がインテルサットという国際組織を設立し長年独占の状態にあった。80年代後半、米国のインテルサット関係者が退職後の余暇を口実にトンガに飛んだ。王様に衛星の軌道を申請するよう知恵をつけた。国際組織、一応世界平等なのでトンガに衛星打ち上げの能力がなくても軌道申請を許可。トンガ王国は1990年時点で60カ国、世界人口の3分の2をカバーする衛星軌道を確保していたのである。トンガサットという。90年代一気に衛星の自由化が進んだ。競争が始まり、トンガに近づいたのが中国である。中国が衛星覇権に動いた背景には、米国の金亡者のリバタリアンと彼が唆した主権国家、トンガ王国がいたのである。

 このトンガサット会社は王女様が所有し、今年になって中国からの受けた50億円相当の支援金をポケットに(多分ケイマンかどこかのタックスヘイブンにあると、これはマイク・フィールド記者の推測)入れたことが有罪となった。

 

さらなる詳細は下記を

China Matters: China as Collateral Damage in the Tongan Crisis

www.mendosa.com

http://www.mendosa.com/tongasat.html?fbclid=IwAR3oWCHs4-ew0kjASX2oL9TMEJ32A43mRAxeU-rNnB-KpLOqsKW-6j5_B2E