やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ハンナ・アレント『革命について』(3)序章 戦争と革命

やっと本文。 序章は2回目。2回読むとチンプンカンプンだったのがチンプン程度になる。 本書テーマの革命について戦争と対比しながら議論される章(でいいでしょうか?) まずは歴史を紐解いて、「暴政に対する自由という大義名分」が語られる。しかし革命…

エルドリッヂ著『沖縄問題の起源』

エルドリッヂ博士の『沖縄問題の起源』は十年以上前に一度拝読し、米国の戦略的地域のミクロネシアの事がたくさん書いてあるので、ずーっと気になっていた。 いよいよ2つ目の博論で「自決権」を扱うことにしたが、自由連合ー信託統治ー委任統治の流れもきち…

ハンナ・アレント『革命について』(2)

1959年プリンストン大学の「合衆国と革命精神」と言うセミナーでアレントに与えられたテーマで、1962年にこの本が出版されている。ケネディ大統領誕生翌年であり、キューバ危機の年。1963年、ケネディを暗殺した米国をアレントはどう思ったであろう? まずは…

ハンナ・アレント『革命について』(1)

自決権の歴史的背景をフランス革命あたりから書くべきか、となんとく思っていて、そうであればアメリカ革命も若干触れた方が、少なくとも知っておかないと、と悩み。そもそもアメリカ史を知らない、と改めて反省。 何気に聴講した阿川尚之教授のゼミはアメリ…

第一次世界大戦に日本は割って入ったのか?

京大の奈良岡教授が「第一次世界大戦に日本は割って入った」と主張され未だにショックを受けている。私の第一次世界大戦の理解は平間洋一先生の論文の依拠している。 なかなか難しく、複雑な議論だが「割って入った」と一言では片付けられないような気がして…

矢内原忠雄「南洋群島の研究」と歴史教科書執筆

高校生の歴史教科書書き直し。ボディの部分が学術書みたいで高校生には難しい,ということで話題を変えることに。あまり世の中に明かしていけないらしいので詳細は書きません。 関連資料をここ数日読み返した。 矢内原忠雄の「南洋群島の研究」は植民が悪い…

太平洋島嶼国バヌアツの中国化 ー 剥奪される正義と報道の自由

太平洋島嶼国の中国化、言論統制は港湾支援を装って軍事基地化する動きよりも、ある意味恐ろしい。 中国人に4千冊の旅券を販売するバヌアツ。その収入は国家予算の3分の1を占めている。この仕組みは同国の法秩序も崩壊させ、報道の自由を圧迫する結果に。…

『法学の世界』読書メモ その2

法学とは何か?法律とは何か?国際法で博士論文を書くとはどういうことか? 学部生のために書かれた導入書『法学の世界』を紹介してくれた法哲学者に感謝したい。シンプルな故に奥深いく、色々考えさせられるのだ。 第一章は憲法につづいて民法、刑法が続き…

ロシア中国が反対する「南極の海洋生物資源の保存」

外国メディアは環境派受けする本件をかなり記事にしています。 「南極の海洋生物資源の保存に関する委員会(CCAMLR)第38回 年次会合」の結果について:水産庁 先日南極管理に関する重要な会議が終了した。 水産庁の上記発表では詳細がわからないので問い合…

ソロモン諸島の動きーブログリスト 12.05 updated

2019年9月16日のソロモン諸島台湾断交から動きを追っている。さっきブログをみたら結構書いていたので自分でもびっくり。 リストを作っておきたい。 まずはソロモン諸島の基本をどうぞ! <断交後> yashinominews.hatenablog.com <断交前の動きも多…