やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

Post-PPBP 報告書の案内

5月31日、豪州の安全保障研究機関、Australian Strategic Policy Instituteから、豪州が過去30年近く実施してきたPacific Patrol Boat Programの今後の提言を含んだ報告書が発表された。 執筆者のベルギン博士によれば、2009年、現在PPBPを担当している豪州…

マーシャル諸島ーレビュー - 3.自由連合協定の行方

この春発行されたThe Contemporary Pacific(Volume 23, Number 1, Spring 2011), Micronesia In Reviewのマーシャル編を、多少解説を加えながらまとめました。 2009年後半、1年近く不在であった米国とマーシャル諸島共和国、両国の大使が新たに任命された。…

マーシャル諸島 レビュー 番外編 イバイ

イバイ島 マーシャル諸島のイバイ島の事を調べていたら偶然見つけたビデオ。 オーストラリアABCの番組だ。ABCいいドキュメンタリー作ってる。 イバイ島のことは聞いたり読んだりしてきたが、初めてその姿を見た。 トメイン大統領時代の収録なので2008年か200…

マーシャル諸島ーレビュー 2.気候変動と台湾総統来訪

マーシャル諸島ーレビュー 2.気候変動と台湾総統来訪 マーシャル諸島共和国ゼドケア第5代大統領 この春発行されたThe Contemporary Pacific(Volume 23, Number 1, Spring 2011), Micronesia In Reviewのマーシャル編を、多少解説を加えながらまとめました…

マーシャル諸島ーレビュー 1.「土地問題と大統領」

この春発行されたThe Contemporary Pacific(Volume 23, Number 1, Spring 2011), Micronesia In Reviewのマーシャル編を、多少解説を加えながらまとめました。 米国と自由連合協定を締結するミクロネシア3国。 米国の軍事的アクセスを認める代わりに長期の…

マーシャル諸島ーレビュー

太平洋島嶼国研究と言えばオーストラリア、次がハワイとニュージーランドであろう。 ハワイ大学から年2回"The Contemporary Pacific"という雑誌が発行されれいる。そこにMicronesia in Reviewというミクロネシアの1年の動きをレビューした記事が出る。 こ…

パラオ、シーシェパードとの協定を破棄

5月16日のパラオの地元紙Island Timesに大統領がシーシェパードとの協定を"terminate"するという記事が掲載されました。(この協定は偶然にも3.11にサインされている。) 期せずして私が進めるミクロネシアの海上保安事業が防波堤になったようです。 これ…

サモアの日付変更線が変わります

サモアの日付変更線が変わります 5月10日、知らない間にサモアの日付変更線が移動されることが決まった。 (追記:実際の運用は今年の12月から) 太平洋のど真ん中を南北に横断する日付変更線。 出張泣かせなのである。出発日の前日に到着とか、翌々日に到…

継続は力なりー仕事を続けていてよかったと思う月曜日の朝

月曜日の朝である。 ポナペの豪州海軍海洋アドバイザーからメールをいただいた。 豪州政府は太平洋島嶼国にPacific Patrol Boat Program を展開し、現在のところこれが唯一の太平洋島嶼国が持つ海洋警備機能。 ポナペ州はミクロネシア連邦の首都。他にコスラ…

島モード:フィジーのクーデターと豚の丸焼き

キリバスの海上行方不明者が漁船に助けられ無事だったのに、1ヶ月も通報して来ない、というニュースを見て思い出した。 「島モード」というか「島感覚」というか。時々着いて行けないと思う事がある。イヤ、着いて行こうと思わない方がいいのかもしれない。…

クック諸島の政治的地位

クック諸島の政治的地位 2011年3月25日、日本政府がニュージーランドと自由連合関係にあるクック諸島を国家承認することを決めた。 クック諸島は現在27か国と外交関係を開設し,25の国際機関に加盟している。 これで日本政府はクック諸島政府と直接交渉でき…

キリバスの捜索

キリバスで行方不明になっている6人の子供達が乗ったカヌー。 キリバスの捜索救助コーディネーターのOmirete Tadurekaキャプテンは、地元の人々にこの6人の子供を見つけたらすぐ通報するよう呼びかけている。 以前、漁船が行方不明になっていたキリバス人…

Interview - Holly Barker - U.S. Nuclear Testing on the Marshallese

Interview - Holly Barker - U.S. Nuclear Testing on the Marshallese 日本の原子力開発と太平洋島嶼国支援が緊密な関係にあると書いたら、稲村公望さんからマーシャル諸島の実態はどうなっているのか?という質問をいただいた。 核実験の悲惨な現状は多く…

キリバスで子供達の乗ったカヌーが行方不明

キリバスで子供達の乗ったカヌーが行方不明 先週金曜日からキリバスでカヌーに乗った6人の子供が行方不明となっている。 19歳の少年が2人と、8、9、12、14歳の少女4名。 3メーターのカヌーで椰子の葉を集めるため海に出たという。 New Zealand R…

世界で2番目に危険な場所

<2011年2月のニュースです。> ボートへの侵入、強盗が続くマーシャル諸島の首都マジュロ。かつては寄港する船舶の「平和な天国」と呼ばれていた。 自らもヨットに住む、マーシャル諸島NGO協議会のディレクターBonny Taggart氏は「クルーズ関連のウェッブ…

コロンビア大学マーシャル諸島政府共催「気候変動に関する会議」

コロンビア大学マーシャル諸島政府共催「気候変動に関する会議」 コロンビア大学とマーシャル諸島政府共催の気候変動に関する会議が5月23-25日、ニューヨークのコロンビア大学で開催される。 200人の専門家が集まる予定。 島が海面下に沈んだ場合の主権につ…

オバマ大統領 ラロトンガ条約批准に向け動く

オバマ大統領 ラロトンガ条約批准に向け動く オバマ大統領は南太平洋非核条約(通称ラロトンガ条約)批准に向け、議会に働きかけている。 ラロトンガ条約は1986年に発効。締約国による核爆発装置の製造・取得・所有・管理、自国領域内における核爆発装置の配…