やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

Marine Mammal Sanctuary Actパラオ議会を通過

パラオの海洋安全保障に関する動向から目が離せません。 年明けに返り咲いたレメンゲサウ政権。全EEZを商業漁業禁止地区に制定する計画を早速発表し、さらに大統領令で海洋保護区研究委員会を設置。6ヶ月後には具体的方策を出すよう指示を出した。 そして今…

豪州国内政治とミクロネシアの海洋安全保障

昨晩、豪州初の女性首相ジュリア・ギラードがその首相の座をケヴィン・ラッドに引き渡した。 豪州政治とミクロネシアの海洋安全保障。一見関係がないように見えるが、深いところで繋がっている。 このブログでさんざん取り上げているが、冷戦終結後広大な太…

Give us Palau! Give us Palau!

本当にがっかりするニュースである。 今月、パラオのレメンゲザウ大統領とコンパクトチーフネゴシエーターのビリー・クアルテイ氏がワシントンDCを公式訪問。目的は2010年からペンディングになっているコンパクトマネーの再履行である。 ところがパラオ案件…

南と北の冬至夏至

日本は夏至、という寺島常務のブログを拝見し、ああ、南と北は反対か、と改めて確認した。 北半球の日本が夏至の時、南半球は冬至なのである。 そしてこの冬至の日、マオリが「マタリキ」という新年のお祭りをする。 娘の学校行事もあり親が駆出される時期だ…

太平洋を結ぶ海底光通信ケーブル

10年前、いや5年間ほど前まで、経済規模の小さな太平洋の島々を海底ケーブルで繋ぐ計画はそれほど望みを持って語れていなかったように思う。 先週、トンガ王国に念願の光通信ケーブルが施設された。フィジーからの延長。 バヌアツも来年を目指して話が進…

スカイプとお化粧

ICTが主体ではない、と昨日言っておきながら、スカイプがなかったら、電話回線がなかったら、インターネットがなかったら、今の仕事環境は成り立たない事も事実である。 スカイプも一早く使い始めてた方である。その性能は日々向上し、電話会社の妨害もなん…

外山健太郎さんのICT4D イイネ

ICT4D ICTが主体でないって事。わかりやすいです。このプレゼン。 最高。イイネ! TEDxTokyo - Kentaro Toyama - 05/15/10 - (English) 外山健太郎さんのウェッブ http://www.kentarotoyama.org/

ワーママ 学ママの勉強術

気づけば、五十間近にしてワーママ、学ママの侭である。自分が選んだ道とはいえ、険しい道のりである。この数週間は毎朝4時起きで論文執筆。 ワーママ、学ママの課題はまとまった時間を作る事だ。 どうも博論が勢いづかないので、とある学会に博論の一部を…

小さな島国の海底資源管理

200海里が制定され、小さな島国が巨大な海洋権益を手にすることとなった。 しかしその海洋資源を必要としているのは外国、大国であって、島嶼国が自ら漁獲、採掘するわけでもないし、消費するわけでもない。 島嶼国の脆弱で不安定な政治は、巨大企業にい…

パラオの外交

小国が在外公館を抱える事自体大きな財政負担となる。しかも物価の高い先進国で小国の外交官が活動するのも制限がある。 今年1月に再スタートしたパラオのレメンゲサウ政権。 ハワイ州議員グレン・ワカイ氏を在ハワイ州の名誉領事に任命。 Hawaii Senator A…

胡蝶の夢 ー 若きビリオネラーの悩み(その3)

縁のないと思っていたビリオネラー。 ひょんな事から、というか太平洋の海洋安全保障事業がきっかけで知り合う事となった。 本当のお金持ちはケチである。未だに一銭もくれどころか、笑顔を送るよ、とかふざけた事ばかり言う。 しかし、すごい勢いで仕事をす…

南太平洋大学の起源

Laucala Bay Flying Boat Base near Suva, Fiji. 来月、7月にフィジーの南太平洋大学で12th Pacific Science Association Inter-Congressが開催される。 日本からはあの黒川清先生がキーノートスピーカーの一人として参加。 私も400近くもある発表者の一…

も一度 warshipとlawship

「日米同盟の動きも睨んで「海洋安全保障」やっています」 と言うと100人中99人が、怪訝な顔で反応する。 大学教授レベルでも「戦争でもする気か。」と言ったりする。 きっと「海洋安全保障」いや「安全保障」について知らないのだろう。 無理もない事…

Give us Yap! Give us Yap!

"Give us Yap! Give us Yap! "The Yanks have put it "The Yanks have put it "The Yanks have put it On the map." source from "Yap for Yappers," Nation, 109 (September 6, 1919) Also see "The Washington Conference and After: A Historical Survey"…

オーストラリア防衛白書2013

オーストラリア国防白書が2013年5月3日に発表された。 2009年に続き、2014年発表の予定が1年前倒しで策定された形である。 以前、エアパワーの項で触れたが、アフガンから2014年末までに撤退し、太平洋とインド洋で新たな展開をする、と言っ…

第12回シャングリラ対話

5月31日の金曜日から「第12回シャングリラ対話」が開催されている。 昨年の同会議で米国パネッタ前国防長官のスピーチとQ&Aは今も忘れられない。 今回はヘーゲル国防長官が参加。これといったメッセージはないように思うのだが素人の当方が見落としている…

無人偵察機が守るパラオの海

昨年再選されたパラオのレメンゲサウ大統領が、この3月に同国の全EEZを商業漁業禁止にする計画を発表。それから約3ケ月が経った。 5月には大統領令で調査委員会を設置。無人偵察機による具体的な監視体制も提案されている。 この無人偵察機、大統領の記者…