やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

パラオ通信改革と中共オンラインカジノ・サイバー犯罪

太平洋島嶼国の通信改革に現場で深く関わってきた。第一回島サミットの目玉事業となったUSPNetのODA化は、本当に私一人で成し遂げた。自慢したいのではなく、何もしていない、何も知らない専門家を名乗る人々が太平洋島嶼国の通信を語る危険性(誤解の拡大)…

インターネットの父、村井純氏が知らない太平洋のサイバーセキュリティ

学会発表用パワポの一枚。1万ワードの論文を15分にまとめる作業の大詰めです。 めずらしく日本人が太平洋の情報通信に関して記事を書いていたので読みながら「よく勉強しているけど何もわかっちゃあいねえな」と思い執筆者を確認したら日本のインターネット…

キリバスの地政学的意味 

キリバス、ソロモン諸島が中共の手に落ちた意味。昨年の8月英文で産経のJapan Forwardに書かせていただいた。共同執筆者は現在パラオ国家安全保障局局長のジェニファー・アンソン女史だ。最近このキリバスに中共が空港を作ろうとしている話があって、「ああ…

他国の主権を否定して領土を侵すようなことはもとより朕の志にあらず

www.youtube.com 「先に米英二国に宣戦した理由もまた、実に帝国の自存と東亜の安定とを切に願うことから出たもので、他国の主権を否定して領土を侵すようなことはもとより朕の志にあらず。」 終戦の詔書(口語訳付き) より パラオに入り込んでいる中共マフ…

ペンタゴンが真剣に太平洋にコミットする日

ペンタゴンがパラオに軍事拠点を持つ可能性を書いた2つの記事。2008年に私がミクロネシア海洋安全保障事業を立ち上げた際、拠点をパラオに置いた。パラオに海洋センターを置く判断は私がした。現地の状況や人脈がないとできない判断である。反対したのは太…

ミクロネシア連邦ヤップファラン州知事の懸念

ミクロネシア連邦ヤップのヘンリー・ファラン州知事が続けてメディアにコメントを出している。相当まずい状態になっているのかもしれない。 https://www.pacificislandtimes.com/post/remaining-silent-is-not-an-option yashinominews.hatenablog.com ヤッ…

パラオの貧困 メモ

パラオにも貧困はある。しかしそれは食べ物がない、とか、家がないとか、そういうレベルではない。色々資料はあるのでいくつかピックアップしたい。 Six Important Things to Know About Poverty in Palau 以下、機械訳を乗せるが、貧困が人口の4分の1を占め…

高校生400人へのオンライン講義<パラオと沖縄の貧困、移民、犯罪とSDGs>

情報を発信していると色々なところから声をかけていただけます。 私が30年以上(❗️)関与してきた、インド太平洋。特に太平洋島嶼国に関して、観光会社の宣伝レベルの情報しか世間になく、本当の姿、すなわち貧困・犯罪といった側面を取り上げていることに共…

まさか、まさか、の高校歴史教科書執筆(1)

「まさか」「まさか」の歴史教科書執筆。完成品です。来年から全国の学校で使用されます。 東郷平八郎、頭山満も登場します。 日本の台湾植民も「反・自虐史観」で書かれています。 数年前、明成社さんから高校生の歴史教科書執筆依頼を受けました。インド太…

USIPのミャンマー分析一覧

気がついたら10本以上、ミャンマー分析を訳していました。太平洋島嶼国との共通項は中共マフィア、三合会です。これを教えてくれたのが米国諜報機関。日本の「専門家」の視点にはないのでフォローしています。 yashinominews.hatenablog.com yashinominews…

ミャンマー 中国、クーデター、そして未来

米のシンクタンク、United States Instetute of Peace のミャンマー分析を、クーデターの始まる前、昨年からフォローしている。なぜか? パラオに入っている三合会がミャンマーにも入っており、このシンクタンクが詳細をフォローしていることを某国政府が教…

やしの実大学の記憶 ー 台風12号(ウィパー|WIPHA)

やしの実大学の最後の3年は、琉球大学の琉球大学アジア太平洋島嶼研究センターに委託する形であった。 2007年に日本島嶼学会が与那国で開催され、そこに共催する形でやしの実大学を開催した。 この時石垣を史上最大の台風が襲い、帰れなくなったのだ。そして…

やしの実大学の記憶 ー 石垣金星さん

石垣 金星 | Switch 近々、名古屋の高校生400人にオンライン授業を実施する。 テーマは「沖縄とパラオの貧困・移民・犯罪、SDGs」と盛り沢山である。 沖縄の八重山諸島で「やしの実大学」と言う事業を私が企画し運営してきた。1997年から2004年まで自主事…

ミャンマーの混乱は中国の悪夢

ミャンマー ー インド太平洋構想の中でも重要な国である。私との接点は意外にもパラオだった。パラオ始め太平洋に侵入している三合会の拠点がミャンマーの少数民族地域。それを教えてくれたのは米国の情報機関だ。日本では誰も触れていない。USIPのJason Tow…

森喜朗元総理大臣と太平洋島嶼国

ある方に頼まれて、森喜朗元総理大臣と太平洋島嶼国の関係のメモをまとめた。 私が関与したのが、フィジーで開催されたIT会議への森総理・ナカムラ大統領(パラオ)の参加。* 2001年9月、JICA/JETRO/PIFの共催。ここに今ポーランド大使をしている宮島昭夫氏…

米領サモアも米軍のプレゼンスを要望

アメリカが太平洋に戻って来たのだ。 冷戦終結後、米国はその姿を太平洋から消して行った。広大な太平洋は豪州・ニュージーランドでは守りきれず、中共が入ったきたのだ。みんな最初は中国の支援を歓迎した。豪州ニュージーランドは最近その態度を180度変…

パラオに続いてヤップもインド太平洋軍を歓迎

現在パラオにどんどんインド太平洋軍が入っている。彼らの道筋を2008年から作り、ここ数年はほぼ一体となってサポートしてきた。パラオの安全保障はそこまで崖っぷちにさらされていたのだ。そしてまだ気が抜けない状況なのだ。 そんなパラオを見て、のことだ…