やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

豪州がPPBPを継続する事とした理由は国内造船業者組合対策

豪州がPPBPを継続する事とした理由は、王立海軍が辞めたいと言った同時に笹川平和財団が乗り出して来たことが理由、と以前書いた。

2009年の第40回太平洋諸島フォーラム総会で継続をラッドが明言した。

 

その後、国防省はPPBPを法執行機関に、という意向が強く、国境警備隊が担当する方向で検討がされたが結局何も進まなかった。ここら辺の詳細を私はキャンベラで、目の前で見て来たのだ。

豪州の外務省と国防省の喧嘩を5時間近く見物できた。こんな貴重な経験は滅多にできるものではない。

 

 

そこで国防省に、という話に戻ったのだが、じゃあどういう内容で?と王立海軍が考えた結果が以前と同じ監視艇を提供し、加えて太平洋島嶼国地元の民間航空会社と契約して空からの監視を加える、という内容。

監視提供与の背景には、これも中国ではなくて国内造船業者を黙らせるため、という理由である。なんで黙らせる必要がったのか?

豪州の造船業ズタズタらしく、国防大臣が「カヌーも作れない」と発言したところ更迭されてしまった。それだけ技術力はなくても政治力、造船組合の力が大きい。

 

 

 つまり、新たな監視艇配備は豪州国内造船業者へのご機嫌取り。。もしくは口封じ。

 

 

2014年頃か、豪州が引けば中国が太平洋の法執行に入って来るという認識が豪州海軍にも合った事を覚えている。ラッド政権だったらどうなったことか。。