やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ブリタニアに戦く中国 ー イギリスのインド太平洋構想

太平洋を訪問される英国王室の動きは追っていたが、イギリスでのインド太平洋構想、海洋安全保障の動きはここ数日、初めて追っている。まさに激戦の真っ最中に訪れてしまったようだ。 まずは42歳の若手Gavin Williamson防衛大臣のRUSI(英国王立防衛安全保障…

東京帝国大学植民政策講義(6)新渡戸博士の講義 第一章輓近植民思想の勃興

第一章 輓近植民思想の勃興 第一項 動揺(motion)の法則 第二項 種族の興廃 第三項 国家勃興の反動 第四項 輓近植民思想の勃興 ここで言う輓近とは西洋諸国の植民の動向を概観している。 第一項 動揺(motion)の法則 では国家膨張の周期を 第二項 種族の興廃…

東京帝国大学植民政策講義(5)新渡戸博士の講義(大内兵衛の解説)

手元にある新渡戸全集第4巻は昭和59年2月15日の版です。初版は昭和44年11月25日。この全集の解説をマルクス経済学者の大内兵衛が書いている。大内兵衛も東京帝国大学法科大学で大正元年から二年までこの講義を聞いている。(それでもマルクス主義者になった…

東京帝国大学植民政策講義(4)新渡戸博士の講義(再開)

新渡戸の東京帝国大学植民政策講義、11月下旬に立ち上げたにもかかわらず、2月以上も棚上げにしましたが再開します。 忘れていたわけではなく、12月は米欧州(ワイマル含む)訪問、1月はワイマル共和国の林先生の本に衝撃を受け(個人的にも多忙を重ね)、2…

情報収集は努力のみ ー インテリジェンス講座その4

日本政府のインテリジェンスの方達から照会があるのだが色々教えているとついてこれないらしく 「早川さんは米国と通じているんですね」って。 通じるって何? 私が情報もっているから米国や豪州や世界中から照会があるんだけど、理解できないんだろうな。 …

豪バヌアツ安全保障協定は非排他的

オーストラリアが中国の影響が高まる太平洋島嶼国と排他的安全保障協定を締結しようとしているが、バヌアツのレゲンバヌ外相はバヌアツは独立国として非排他的、すなわち歴史的関係のあるフランスや、最近支援が強化した中国など、自分たちが誰と協定を締結…

ネオコロニアリズムと批判されるラッド元首相

www.abc.net.au 豪州のラッド元首相がツバル、キリバス、ナウルは豪州の市民権を得て、その広大なEEZは豪州は管理し、豪州に自由に居住して良い、という刺激的な提案をして物議を醸している。 ツバル首相はネオコロニアリズムだ、と。 この反日のラッド氏で…

犯罪の楽園パラオー日本政府インテリジェンスの皆さんへ

「早川さんのブログ見て、太平洋が楽園でないこと。レメンゲサウ大統領を神格化してはいけない、ということを学びました。」 ある政府組織のインテリジェンスの方からのメッセージだ。 複雑な心境だがそれが現実だ。 太平洋島嶼国の法執行能力、法遵守精神は…

Pacific commander: China greatest long term threat to a free & open Indo Pacific region

www.youtube.com 2時間以上あるけど、この公聴会は重要。 1:04:00 あたりから。ミクロネシアの自由連合協定の話。 Mrs Ernst 自由連合の件で質問したのはこちらの共和党の議員。 www.ernst.senate.gov

NAMMCO Agreement IWC脱退

日本が入る入らないのと言っているNAMMCO少し調べてみたいが、Agreement見つけたので後で読みます。多分国際法の観点からすでに議論されているはずなのでその論文を探してみたい。 え、国際法違反と言っている大久保さんは経済学修士?この論文の国際法から…