やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

運命の人―ビリー・クアルテイ前大統領補佐官

運命の人―ビリー・クアルテイ前大統領補佐官 今回のパラオ出張は特別だった。 ビリー・クアルテイ前大統領補佐官にやっとお会いできたからである。 ミクロネシア海上保安案件を立ち上げる際、ミクロネシア3国の了解を取る、というチャレンジングな業務を行…

キャンベル国務次官補のアイランドホッピング その1

キャンベル国務次官補のアイランドホッピング その1 米国国務省のフランキー・リード国務副次官補が昨年のパラオで開催した我々の会議に駆けつけてくれたが、今度はカート・キャンベル国務次官補が追っかけてきた。 一昨日からパラオに来ている。 我々が飛…

島嶼国のリーダーと温暖化

島嶼国のリーダーと温暖化 「なぜQ大統領は急に環境、環境と言い出したのだろう?」 久しぶりのポナペで、世界最大の環境NGOで働く友人に聞いた。 「それは、世界が注目するからだよ。小さな太平洋の島国が経済の話をしたって誰も関心を持たないけれど、島が…

Quadrilateral Defense Cooperation

Quadrilateral Defense Force 前回の出張、ホノルルに同行したメンバーが米国沿岸警備隊との会議で 「ジョイントオペレーションに燃料支援をする事って意味あるんでしょうか?」とサラッと質問。 年2回、ミクロネシア3カ国(もしくは2カ国)共催でFFAが調…

戦略的に重要なパラオ

戦略的に重要なパラオ 米国国務省、我らがフランキー国務副次官補のTestimonyを読んだ。 なぜ「我らが」なのかというと、昨年11月にパラオで開催したミクロネシア海上保安案件の会議に彼女が駆けつけてくれ、かなり協力かつ強力に米国大使のサインをRecord o…

第22回太平洋学術会議 ― その2「女性が作る海洋政策」

第22回太平洋学術会議 ― その2「女性が作る海洋政策」 第22回太平洋学術会議、最終日はコーラル・トライアングル・イニシアチブ(CTI)のシンポジウムに参加。Convenerはマレーシア科学技術革新省、国家海洋局局長Nor Aieni Haji Mokhtar博士。政府主催のシン…

第22回太平洋学術会議 ― その1「参加費」

第22回太平洋学術会議 ― その1「参加費」 1920年に設立された太平洋学術会議の第22回大会が6月14-17日、マレーシアのクアラルンプールで開催された。 自分の発表が15日にあったので、それが終わるまでは人の発表を聞く余裕が持てなかったが16、17日は、払…

Dr Robert Underwoodと笹川太平洋島嶼国基金

Dr Robert Underwoodと笹川太平洋島嶼国基金 グアム大学学長ロバートアンダーウッド博士は真の教育者であるが、1993から2003年米国下院議員として数々の功績をアジア太平洋特に島嶼地域に対し残した。 オバマ政権下では連邦政府教育科学委員に指名されている…

第22回太平洋学術会議

クアラルンプールに来ている。 マレーシアに来るのは10年ぶりくらいである。以前の姿を思い出せないほどの様変わりだ。 今日から始まる第22回太平洋学術会議でシンポジウムを共同開催する。 議長の琉球大学大城肇副学長が来れないので、東海大学医学部の中島…

Joint Operation

太平洋では、島嶼国と米豪NZ仏が参加し、海上警備Joint Operationを実施している。 これ、誰も整理していないようだから課題としてメモしておく。 学会発表が終了したらゆっくり読んで整理したい。 Operation Kurukuru, http://www.ffa.int/node/72 Operatio…

US Department of Homeland and Security

US Department of Homeland and Security ー 9.11を受けて設置された省である。 この中でUSCGだけが全組織移管。他は分割され移管されたそうである。 この組織についても勉強する必要がありそうだ。 明日からの太平洋学術会議での発表準備でそれどころで…

2011年マーシャル諸島出張

ミクロネシア海上保安庁案件は2008年4月マーシャル諸島トメイン大統領が来日し、日本財団笹川会長と会談、海洋問題について協議したのを受け、翌月笹川平和財団羽生会長がマーシャル諸島を訪問し、地域海上保安のアイデアを構想したことに始まる。 ミクロネ…

京にても京なつかしやほととぎす

京にても京なつかしやほととぎす 芭蕉 春はあけぼの やうやうしろくなり行く、山ぎはすこしあかりて 清少納言 此春は 花にまさりし君待ちて 青柳の糸、みだれ候 隆達小歌 時鳥そのかみやまの旅枕ほの語らひし空ぞ忘れぬ 式子内親王 「いろいろ行けていいです…

ニウエ条約の新しい展開

やはり現場で得られる情報というのはありがたい。 インターネットのおかげでありとあらゆる情報にアクセスできるようになったが、本当に必要な情報があちらから歩いてきてくれるわけではない。やはり最後はヒューマンネットワークを頼って、どこのどの情報が…

米国沿岸警備隊第14管区

ホノルルに来ている。米国沿岸警備隊第14管区との会議が主な目的だ。 2008年にミクロネシアの海上保安事業を立ち上げる作業をしていた時、まさか米国沿岸警備隊の中に入って、ポッセコミテタスアクトの話までする日が来るとは、想像もしていなかった。 14管…

慢心 ー 初心・野心

先生と 呼ぶ人もまた 誰がそれ 時々、あの方は偉いのよ、と言われる事があるが、言う方にも言われる方にも疑問を感じる。 人の評価は難しい。見るポジションによって黒にも白にもなる。 大家と呼ばれる人が書けなかった原稿を書かなきゃいけない。 初心と野…

慢心 ー 信心

慢心によって 鬼となり 信心によって 人となる

マーシャル諸島ーレビュー - 4.マーシャル諸島を世界に知らしめた2つのスキャンダル

マーシャル諸島ーレビュー - 4.マーシャル諸島を世界に知らしめた2つのスキャンダル この春発行されたThe Contemporary Pacific(Volume 23, Number 1, Spring 2011), Micronesia In Reviewのマーシャル編を、多少解説を加えながらまとめました。 2010年、…