やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

ミャンマー少数民族とパラオのカジノ・麻薬・マネロン・人身売買

パラオの闇に関して情報交換をしている某国諜報機関から、ミャンマーの少数民族に入り込むマカオ三号会に関する報告書のリンクが送られてきた。公開情報なのでブログに書けます。 オーストラリア国立大学の中国専門家ともこの報告書を共有したところ関連のニ…

英国に植民される事を選んだフィジー

(このブログを書こうと思ってウェブサーチしていたら見つけたフィジーの戦士。カイコロ。どこかで見たお顔だな〜、と1日思い悩んで気がついたのが・・・) コロナ禍で毎年6月頃、シンガポールで開催しているIISS主催のシャングリラダイアローグも中止。その…

田岡良一『委任統治の本質』1941 (後編)

こんな私の読書メモなんか誰も読まないだろう。それにしても田岡博士は偉大だ。なんで博士の委任統治論を今まで誰も教えてくれなかったのだろう?太平洋島嶼国の誕生に重要な議論である。 と思っていたら結構な反応があって、後編も期待している、若い人に読…

同志社寺田教授の「ライン」が「派閥」に化ける時

産経の小森記者が取り上げたCSISの日本に関する報告書。SNSで話題になっている。 「米有力研究所が安倍首相側近を「対中融和派」と名指し」 2020.7.27 産経 https://www.sankei.com/world/news/200727/wor2007270014-n1.html 話題になっている箇所は小森記者…

田岡良一『委任統治の本質』1941 (前編)

田岡良一博士(1898年 - 1985年) 先日再読した等松博士の南洋群島の序章に委任統治研究の概略があった。以下の4点が挙げられている。 田岡良一『委任統治の本質』 古垣鉄郎"Les Mandats internationaux de la Societe des Nations" 1923 (博論) クインシ…

ハドソン研究所・FBIレイ長官の対中見解 和訳 by Ricky_Elwood

7月7日、ハドソン研究所で行われたFBI長官の講演。興味深く拝見したが、誰か和訳すればいいのになあ、と思っていたらTwetterのRicky_Elwoodさんが全訳を公開!ブログにまとめていいですか?と伺ったところ快くokをいただいた。 以下コピペします。長いです。…

フランス海外領の実態(基礎データ)

フランス海外領 その存在がフランスを世界最大のEEZ保有国にしている。本土が形成するEEZはたった3%だ。 それらの多くがインド太平洋にある。情報のほとんどがフランス語、ということもあってしっかりフォローしていないが、ここに基本情報をあげていきた…

南洋群島を日本は独から譲渡?『日本帝国と委任統治』

この等松春夫博士の本は何度かこのブログでも紹介したのだが、しっかりは読んでいなかった。庄司潤一郎氏の南洋群島に関する論文にこの本が引用されていたので再度読んだ。南洋群島をめぐるドイツとの交渉、詳細は記憶していなかった。改めて読んで良かった…

八木氏と小和田氏の捕鯨問題を巡る意見

捕鯨問題は30年に渡って太平洋を専門にする私にとって通奏低音のような大きな問題だ。あまりにもイデオロギーが強くハイポリティクスなので触れたくはない、しかし避けては通れない問題。これに果敢に取り組み世界の注目を集める映画「Behind THE COVE ~捕鯨…

庄司 潤一郎著「日本の南進と南洋興発-中国の太平洋進出への示唆-」に対する所々の疑問

庄司 潤一郎著「日本の南進と南洋興発-中国の太平洋進出への示唆-」 http://www.nids.mod.go.jp/publication/commentary/pdf/commentary113.pdf 庄司潤一郎氏の上記の論文については以前もコメントを書いた。「皇室にもご進講される偉い先生なんですよ」と…