やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

衛星通信と私 (16)

Space Japan Review 4-5 No.16 April/May. 2001 に掲載された記事である。まだそのサイトがあるがいつか消されるかもしれないのでコピペしておきたい。衛星研究第一人者の飯田尚志博士から依頼を受けて書いたものだ。2001年、私はまさに先日亡くなられたパラ…

クニオ・ナカムラ大統領の遺産(1)ミクロネシアサブリジョナリズムの動き

www.jiji.com ナカムラ大統領と日本の関係を、表の、顕教的関係を作ってきたのは私である。 1999年のPIF総会に田淵節也氏と、三塚博議員をご案内し、ここで一気に日本パラオの表の関係のステージがあがった。 翌年2000年は第二回島サミットで、森総理とナカ…

エイプリル・スキリング? クリップス? 楽園の闇

この件はこの数日で突然わかってきた話なのです。 関係者だけに、と思いましたが、このブログは多くの水産関係者も読んでくださっており、応援いただいているので表で書くことにしました。 2014年、ミクロネシア連邦の法務大臣が次々と日本のカツオ漁船を拿…

樋口レポート(いつでも読めるようにここに貼っておきます)

データベース「世界と日本」(代表:田中明彦) 日本政治・国際関係データベース政策研究大学院大学・東京大学東洋文化研究所 [文書名] 防衛問題懇談会「日本の安全保障と防衛力のあり方‐21世紀へ向けての展望‐」(樋口レポート) [年月日] 1994年8月12日 […

"Sovereignty" and "Sovereign right"

Palau constitution violated the regime of EEZ in the UNCLOS. I have read this argument a few times in the past. This was also the reason why the US could not agree to an “anti-Nuclear” constitution in the 80s. Recently I have read “Constit…

矢内原忠雄「南洋委任統治論」 1933.6中央公論(1)

私が新渡戸、後藤の植民政策まで辿り着いたのは南洋群島研究を書かれた矢内原忠雄の存在がある。取っ付きづらい文章と、私が「植民=悪」と思い込んでいた20代30代、矢内原の資料を読む気は湧かなかった。興味を持ったのは40を過ぎてからだ。この矢内…

憲法学者が憲法解釈を変える時

TWFriendが長谷部恭男教授の憲法論を推薦していてウェブで読めるものやYouTubeの講演をいくつか覗かせていただいている。途中までしか読めないのだが下記の記事を読んでいて思い出したのが英国のコークとベーコンのことだ。(下記に2人を対称した表を添付) …

ナポレオン三世のニューカレドニア植民を起源とする「帝国主義」

「帝国主義」よく使われる言葉だが、その定義を議論している人は、矢内原忠雄先生しか見たことがない。。 ニューカレドニアの独立の動きの中で、マクロンがナポレオン三世の植民地宣言の文書を返還したことを前のブログに書いたが「帝国主義」という言葉はま…

マクロン大統領、ナポレオン三世の帝国主義を覆す?

2018年の最初の住民投票の前にニューァレドニアを訪ねたマクロン大統領。1988年先住民独立過激派とフランス人警官に19名の死者出した惨劇のあったウベア島を訪ね和解に一歩を示しただけではありません。 気になっていて、調べていなかった件を少しウェッブ検…

ニューカレドニア、フランスに留まる。

10月4日に開催されたニューカレドニアの独立を問う2回目の住民投票。2018年の投票結果よりも小差で独立反対が多数となった。 私は、正直ホッとした。太平洋島嶼国の現状、特に中国との関係を一気に強化し始めた2000年頃以降、私は、その影響が麻薬、売春、…