やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

米国の遺跡保護法とメガ海洋保護区(4)

ブッシュ、オバマ時代に拡張した太平洋の海洋保護区を含む環境保護の動きと自然保護地域の設定。今年4月に大統領令で見直しが指示された。 もうそろそろ結果が出る頃で気になっているのだが、下記の8月11日付けニューヨークタイムズの記事が最新であろう…

Japan-Forwardへの寄稿 イアハートのフェイクニュース

ヒストリーチャンネルで取り上げられたアメリア・イアハートのフェイクニュース。 普段ならこんなイエロージャーナリズムは相手にしないが、今回は戦ってみる事とした。 理由1:この件を教えてくれたのが旧知の米国議員。 理由2:しかも太平洋島嶼議連で日米…

南極ロス海、世界最大の海洋保護区に─その本当の意味

パラオの海洋保護区で思い出したが、海洋保護区とは何か、森下丈二東京海洋大学教授の記事が紹介されているという。(森下丈二氏ー捕鯨交渉官で世界的に有名だ。勝川先生のいる東京海洋大学に行かれたと知らなかった。) 「南極ロス海、世界最大の海洋保護区…

FAOーレメンゲサウ大統領インタビュー

この7月にFAO(Food and Agriculture Organization of the United Nations)で開催された会議に参加した際のインタビュー。 FAOがSIDS "Small Island Developing States" (小島嶼開発途上国)に対しニーズに合った特別な支援をするという。 SIDSが誕生した背…

ローレンツ・フォン・シュタイン著『平等原理と社会主義』(5)

Jotting down notes のレベルで記録だけ。 ローレンツ・フォン・シュタイン著『平等原理と社会主義』十数頁だけだが、読んで良かった。 フランス革命やルソー、そしてそれに感化されたマルクスを賛美している人がいたら多少は議論できるかもしれない。 エド…

ローレンツ・フォン・シュタイン著『平等原理と社会主義』(4)

シュタイン博士の『平等原理と社会主義』。読むつもりはなかったのだが、開いて良かったと思う。 明治以降の日本国形成に貢献した同博士の本がマルクスの共産主義宣言に繋がっているとは! 日本にもシュタイン研究者は何人かいるようだが、今自分にそちらを…

ローレンツ・フォン・シュタイン著『平等原理と社会主義』(3)

プロレタリアトがどのように誕生したのか? ルイ14世の頃、パリには4万人もの貧民がいたがプロレタリアトは存在しなかった。 革命前、フランスには3つの身分しかなかった。貴族、聖職者、第三身分。 突然パリの人々が立ち上がり、国王を襲撃。プロレタリ…

ローレンツ・フォン・シュタイン著『平等原理と社会主義』(2)

『平等原理と社会主義』(ローレンツ シュタイン (著), 石川 三義 (翻訳), 柴田 隆行 (翻訳), 石塚 正英 (翻訳) 法政大学出版局 、1990)は4部に別れている。 第一部 平等の原理 第二部 社会主義者 第三部 並列する著述家 第四分 共産主義 マルクスの「共産…

ローレンツ・フォン・シュタイン著『平等原理と社会主義』

1842年に出版されたローレンツ・フォン・シュタイン著『平等原理と社会主義』。 (ローレンツ シュタイン (著), 石川 三義 (翻訳), 柴田 隆行 (翻訳), 石塚 正英 (翻訳) 法政大学出版局 、1990) 読むつもりはなかったが、カール・シュミットの『大地のノモ…

IAEA原子力技術が太平洋島嶼国を救う?

IAEA signs deal with Pacific Community http://www.radionz.co.nz/international/pacific-news/335990/iaea-signs-deal-with-pacific-community Nuclear Technology to Help Pacific Islands: IAEA Director General https://www.iaea.org/newscenter/news…

中国人オンライン詐欺フィジーから送還

フェイクニュースかと思ったが、各社が報じているので本当のようだ。 フィジーでオンライン詐欺を展開する中国人77名を、中国警察がフィジーまで来て逮捕、送還した、というニュース。 わざわざ、中国の飛行機を飛ばした。 同様の犯罪は、台湾で行われていた…

『時間の政治学』永井陽之助著

太平洋島嶼国を仕事にすることになって、体系的に学びたいと1997年に青学にいらした渡辺昭夫先生の門を叩いたところ、ボーナスが。 国際政治学者、永井陽之助先生のゼミに参加する事ができたのである。 そして永井先生の小国論を初めて知って、それは宝箱を…