やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

中国と太平洋島嶼国の政党間対話を実施

日本政府主催の島サミットを目前に控え、中国は「中国と太平洋島嶼国の政党間対話を実施」を5月28日に開催している。以下機械訳で英語と日本語をコピペしておく。 参加したのは キリバスのママウ大統領(ケアリング・フォー・キリバス党党首)、 ミクロネシ…

サモア政権交代劇ー島国の政治・中国・FOIP(9)

今回のサモアの政変劇。憲法の危機。インターネットのおかげで世界が注目するようになった。新政権を支持すると明確に表明したのがミクロネシア連邦、マーシャル諸島、パラオの3カ国である。 関係の深い、豪州、ニュージーランド政府は静観の姿勢だが、The …

サモア政権交代劇ー島国の政治・中国・FOIP(8)

混乱を極めるサモアの選挙。Pacific Environment Weekly editor のサモア人Lagipoiva Cherelle Jacksonの興味深いインタビューが5月29日土曜日に掲載された。ツイッターでも熱心に情報を発信しており私もフォローしている。 How will the Samoan constitutio…

台湾蔡総統、ソロモン諸島マライタ州のスイダニ知事を救援助ける

The John Batchelor Show / The battle in the Solomons: PRC vs Taiwan. @CleoPaskal; @GordonGChang 2019年9月、長年台湾との外交関係があったソロモン諸島が突然中国との外交関係に変更した事をまだおぼえているだろうか? そのソロモン諸島の中でも人口…

サモア政権交代劇ー島国の政治・中国・FOIP(7)

政治リーダーの暗殺。楽園の島でそんなことが?と思う方も多いであろう。しかしかなり、あるのだ。 パラオの初代大統領ハルオ・レメリクの暗殺、自殺と言われているラザルス・サリーは暗殺の可能性も囁かれている。 今サモアを揺るがしている22年の長期政権…

サモア政権交代劇ー島国の政治・中国・FOIP(6)

Samoa’s Attorney-General declares FAST’s swearing-in ‘unconstitutional’ | Asia Pacific Report 2021年5月24日月曜日。憲法が規定する選挙から45日以内に国会を開催する最後の日。 前政権議長が鍵をかけた議事堂に入れなかった新政権は外にテントを張り…

フィジー政府が強制国外退去させた南太平洋大学学長

University of the South Pacific VC Ahluwalia gets new contract - Islands Business 2021年2月4日、ミクロネシア5カ国の要請を無視する形で太平洋諸島フォーラム事務局長が選出された日、フィジーでとんでもない事件が起こった。 Pal Ahluwalia南太平洋…

サモア政権交代劇ー島国の政治・中国・FOIP(5)

サモア新政権誕生に執拗に抵抗する前政権。 前政権の無血クーデターとも呼ばれている。 流れを軽くまとめてみよう。 4月の選挙で負けた前政権は、突然女性議席を増やし、5月21日に二度目の選挙を元首が命令。 その元首の指示は憲法違反との最高裁判決が出て…

サモア政権交代劇ー島国の政治・中国・FOIP(4)

昨年末、3つの重要法案が議会を通過した。 Constitution Amendment Bill 2020 、 Land and Titles Bill 2020, and Judicature Bill 2020 各村首長の土地管理権限を強め、特別な裁判所を新たに設置するという内容。それは西洋の影響の強い個人の人権が主張さ…

サモア政権交代劇ー島国の政治・中国・FOIP(3)

www.youtube.com 今回のサモア首相選挙の背景あるのは、やはり中国だったのだ。新首相によって中国が進めようとしていた新しい港開発は棚上げになる。また下記に機械訳した通り新首相は米国との関係を改善する模様。サモアのすぐ隣には米領サモアがあり、米…

トンガ:海底通信ケーブルとカジノの関係

2013年トンガとフィジーは海底通信ケーブルが敷設された。アジ銀と世銀の支援で、だ。 Casino moves ahead Thursday, July 1, 1999 - 12:00. Updated on Friday, January 8, 2016 - 13:40. Thursday, July 1, 1999 - 12:00 A proposal to set up a casino at…

サモア政権交代劇ー島国の政治・中国・FOIP(2)

話が前後するが、サモアの首相選挙を巡る動き、興味深いので追っています。 以下、友人の現地ジャーナリスト、モニカ・ミラーの報告です。機械訳。 サモアの有権者は今週金曜日に投票に行く必要はありません。 最高裁判所は、サモアの憲法は、4月9日に実施さ…

サモア政権交代劇ー島国の政治・中国・FOIP(1)

サモアの首相選が荒れている。 30年にわたって一人の人物が一国の道を仕切ってきた。 トゥイラエパ・サイレレ・マリエレガオイ閣下である。1991年から1998年が副首相。1998年から今年2021年まで首相を務めた。その政治キャリアはウィキの英語版を参考にして…

2010豪州対太平洋島嶼国安全保障政策報告書

2010年、豪州上院議員委員会から出たこの太平洋島嶼国安全保障に関する報告書は11年前に読んでまだ記憶に強く残っている。ウェブで見つけられず気になっていたが偶然出てきた。これを参考に学会論文の3節の後半を今日まとめた。楽園の島が犯罪の巣窟なんて…

FinCEN - Department of the Treasury 楽園の島越境犯罪

中共のサイバー犯罪に関する学会論文を書いている。 舞台は太平洋島嶼国で、いくらでも情報は頭から出てくるが、サイバー犯罪をどのように書くかで足踏みしている。 幸い世界の諜報機関とお友達になれたので次々と。。 米国の財務省にあるFinancial Crime En…

『私のコリア報道』下川正晴 著 ーFBの出会い

私が江崎道朗さんと出会ったのはFacebookなのだ。たかがFB,されどFBである、 2017年台湾に半年招聘される予定があって、台湾情報を探していた時に下川さんのFBを紹介してもらったのだ。日々の細かな生活の様子が綴られており、まさに欲しかった情報である。 …

矢内原忠雄全集第三巻『帝国主義下の印度』

矢内原忠雄全集第三巻には『南洋群島の研究』と『帝国主義下の印度』が収められている。 ミャンマーの件を矢内原が書いているとすればこの印度の研究にあるかもしれない、とめくってみた。 1936年10月。東大を追われる1年前の論文だ。 4章からなる。 第1章…

ミクロネシア・ブログ一覧 Blog list of Micronesia

ミクロネシアの地域協力枠組みを現場で見てきて関与してきた、私の視点からの記録です。全部で12話。一度ここで終了します。 yashinominews.hatenablog.com English version This is a record from my perspective, having seen and been involved in the …

Micronesia (7)-6 Micronesian Maritime Security Projects

His Excellency Francis Itimai, Former Minister of Transport and Communications of the Federated States of Micronesia and a sworn friend. When the Japan-led Micronesian Maritime Security Project was established, Australia was a major oppone…

ミクロネシア(7)- 6 ミクロネシア海洋安全保障事業

元 ミクロネシア連邦運輸通信大臣にして盟友のフランシス・イティマイ閣下 ミクロネシア海洋安全保障事業が成立する中で、大きく反発したのが豪州であった。それは今年2021年にミクロネシア5カ国が、豪州の影響が大きい太平洋諸島フォーラムから離脱する理…

Micronesia (7) - 5 Micronesian Maritime Security Projects

The Micronesia Maritime Security Project was launched by me alone in 2008. Even Jiro Hanyu, who has no knowledge of the oceans and the Pacific islands, was aware that Micronesia was an important region for the security of the United States…

ミクロネシア(7)- 5 ミクロネシア海洋安全保障事業

2008年、私が一人で立ち上げたミクロネシア海保事業。 海洋音痴、太平洋音痴の羽入次郎氏もミクロネシアが米国の安全保障上重要な地域である認識はあった。私と渡辺昭夫教授が豪州にも話を通した方がよい、とアドバイスしたところ、豪州はどうでもよい、と跳…