やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

アダム・スミスの植民論(3)長谷川貞之

筆者の長谷川 貞之氏は民法、信託法が専門で、日本大学法学部教授。 アダム・スミスの植民地論 / 長谷川 貞之 横浜商大論集 13(1), p28-53 (1979-12) 横浜商科大学学術研究会 スミスの「国富論」は税金や貿易のことに関して非常に詳細に書かれているのだ。長…

ソロモン諸島を巡る中台の情報戦!日本は無関心でいいのか?

いよいよソロモン諸島が台湾から中国に鞍替えしそうで、まさに今、情報戦が交わされている。日本は全く関心がない!誰も話題にしていない!それでよくまあ台湾を支援なんて言えますね。 と文句を言っていてもしょうがない。一人でも粛々と情報を収集し発信し…

アダム・スミスの植民論(2)堀切善兵衛

2本目は堀切善兵衛氏の論文。講演会の記録のようである。 アダム、スミスの植民論 / 堀切 善兵衛 三田学会雑誌 5(3), 301(91)-316(106) (1911-04) 三田学会 堀切善兵衛氏、慶応を1904年に卒業。米英独を留学後母校で教授に。この講演をした翌年の1912年から…

アダム・スミスの植民論

アダム・スミスの「国富論」の中にかなり長文の植民を議論した章があることを知っている人に今まで出会ったことがない。みんな、「国富論」を読まないで「ああ、見えざる手ね」と知ったかぶっているのは100%確実である。 日本の植民政策、即ち新渡戸と矢…

『ロシア革命とウィルソン主義」草間秀三郎

大変面白い論文をウェブ上で偶然見つけた。 草間秀三郎著「ロシア革命とウィルソン主義」。 草間秀三郎博士は2002年、愛知県立大学を定年退職されているがウィルソン研究者、のようである。著書に『ウッドロー・ウィルソンの研究 とくに国際連盟構想の発展を…

有本香さんから反論いただきました!

これは嬉しい反論なのです。 まさか私のブログが百田さんに読まれることはないであろう、と下記のブログを書いた。ところが『日本国記』を編集されたジャーナリストの有本香さんから反論をいただいた。 百田さんは併合は植民ではない、とは言っていらっしゃ…

ソロモン諸島は日本の一大水産基地であった。

ロイターがニュースを出して結構話題になっているが、あまりにも現状認識が酷すぎるので一筆。 reut.rs ソロモン諸島がいよいよ台湾から中国へ外交関係を変更とのニュース。まだ決定ではありません。9月8日からソロモン諸島外相が台湾を訪ねています。 ソロ…

米国海洋政策は元海軍少将がトップに

知らなかった。昨年の6月いやもっと前か。海軍出身の海洋学者RDML Timothy Gallaudet がNOAAの、すなわち商務省次官補となり米国の海洋政策を率いる。9月9−13日パラオに入る。どんな海洋政策を示すのか? 下記のビデオを見ているが、科学データを基本とした…

米国沿岸警備隊も認める麻薬で覆われたブルーパシフィック

www.pacificislandtimes.com 記事のタイトルは「青い大陸の白い粉」以前私が書いたブログと同じだ。何がブルーパシフィックだ。権利だけ主張してなんの義務も感じていない。太平洋の海は無法地帯となっている。 記事には米国沿岸警備隊のCommandant Admiral …

東北紀行(水沢篇4)sponsored by 吉野作造

あの頃の日本人はすごい。命がけで生きて来た。高野長英47歳の人生。 水沢の高野長英記念館。小雨が降る中、無理して行った場所だったが、行ってよかった。後藤の人格を形成したのは大叔父、高野だ。 高野長英、横井小楠、渡辺崋山。単なる西洋かぶれではな…