やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ジョージ・ツポウ5世(4)- 国葬参列

2012年3月27日、トンガで行われたジョージ・ツポウ5世の国葬に急遽参列させていただく事となった。 国葬を取り仕切る新国王ツポウ6世のご判断で、経済的影響を最小限にするため28日に予定していた国葬は一日切り上げ27日になった。 こんな急な日程では外…

ジョージ・ツポウ5世(3) – 太平洋の島に見る皇室外交

2006年9月19日に執り行われたトンガ王国、ツポウ四世の国葬に参列させていただきました。 ーーー トンガはお相撲、そろばん等日本との関係が深い国であったが、90年代後半からその関係は薄れていた。他方1999年にそれまで台湾支持であったのを…

恥かいて学ぶカヌーの早さかな

恥をかいて学ぶカヌーの速さ 親分「今度教科書を出すんだってね。ミネルヴァ書房と言えば学術書が中心のしっかりした出版社だよ。ところでどんな事を書いたの?」 私「はい、太平洋の人々が数千年前にはすでに数千キロを航海し、西はマダガスカルから東はイ…

ジョージ・ツポウ5世(2) – 日本の皇室が支えたトンガの民主化

(左からツポウ1世、カメハメハ1世、ポマレ5世) トンガ王国の皇室は国民から広く愛され、トンガの伝統文化を代表するような存在である。 太平洋の島で唯一、西洋の植民地支配を免れたのも、ツポウ1世の優れた判断力と指導力のためであった。 タヒチのポマ…

ジョージ・ツポウ5世 (1)– My “Your Royal Highness”の思い出

ジョージ・ツポウ5世 (1)– My “Your Royal Highness”の思い出 故笹川良一名誉会がトンガ王国の日本名誉領事を拝命されていたため、この日曜日香港で亡くなられたジョージ・ツポウ5世が来日された時は空港への御出迎えが、財団に入ったばかりの私の業務…

速報 トンガ国王ツポウ5世が訪問先の香港で逝去

トンガ国王ジョージ・ツポウ5世が、3月18日の夜、訪問中の香港でご逝去された。 香港には弟のツポウ・ラバカ皇太子殿下が同行されており、病院に運ばれた数時間後に息を引き取られたという。 ツポウ5世は63歳。先の国王が亡くなられた2006年から2年後…

相国寺の白象

今年の京都は、スティーブ•ジョブスに肖って「禅」をテーマに訪ねることとした。 とりあえず、まだ行ったことのない大徳寺さんと相国寺さんは必ず行こう、と心に決めた。ジョブスが歩いたかもしれないと思うと、何か特別なお寺に見えてくる。ミーハーを恥じ…

自由連合協定と米国沿岸警備隊

変人が語る自由連合協定はもう少し勉強してからまとめさせていただこうと思いますが、まずは米国がミクロネシア3国と締結している「自由連合」は、ニュージーランドが国連に提案し、dcolonizationの3つの選択の一つとなった「自由連合」と全くもって正反対…

琉球大学と笹川太平洋島嶼国基金

琉球大学と笹川太平洋島嶼国基金 <やしの実大学から琉球大学へ> 八重山諸島で開催して来た「やしの実大学」は1999年で終了する予定であったが笹川運営委員長(当時)の評価および運営委員会の判断を受けて2004年まで継続することとなった。 この事業が徐々…

キリバスのエクソダス

いよいよ、キリバスのエクソダスが始まりそうだ。 先週、キリバスのアノテ・トン大統領がフィジーの島の購入交渉をフィジー政府と進めているニュースが流れた。 キリバスは隣のツバルと同様にほぼ環礁だけで形成されている国で、大潮や海面上昇の影響、そし…

日本がなぜUSPNetを支援するか? <その2 プルトニウム輸送の代償としてのUSPNet>

<その2 プルトニウム輸送の代償としてのUSPNet> (左から故Kabua大統領、Tabai事務局長(当時)、Solofa学長(当時)) なぜUSPNetが日本のODA案件になったのか。 このブログを開設せよアドバイスいただいた日本財団笹川陽平会長の判断なのである。 笹川会…

変人が語る自由連合 中間報告

日本もミクロネシアと自由連合協定を締結したらどうか? その際は既に締結している米国と調整し、日米同盟の新たな方向としたらどうか? という案をもっているが、自由連合協定とは植民地主義の権化みたいなものだから、表立って言うと変人扱いされるぞ、と…

This Week is Sea Week

ここ2週間、巻き寿司を100本くらい作っている。 娘の学校の放課後クラスで異文化体験のようなものがあって、ある日コーディネーターの方から巻き寿司を作ってくれといわれ、練習を重ねた。 今までいい加減に作っていたが、ウェッブで調べて酢飯ーシャリを初…

世界分捕り合戦ー鳥のウンチ法で米国が獲得した領域

やっぱりWikipediaは便利である。 Wikipediaを単純に批判する人は、権威あるエンサイクロペディアの間違った情報や、大学で出されているWikipediaの利用方法などを参照されたい。 さて、米国の50%の EEZが太平洋の「島」によって形成されている事を以前書…

日本がなぜUSPNetを支援するか?ー <その1 ポストコロニアル通信体制を変革したUSPNet申請案>

日本がなぜUSPNetを支援するか?ー 右から電気通信大学の小菅教授(当時)、田中教授、筆者 <その1 ポストコロニアル通信体制を変革したUSPNet申請案> 南太平洋大学の遠隔教育ネットワーク ー 通称USPNet. 日本のODAでそのキャパシティがどんどん拡張さ…

ミクロネシアの海洋汚染 — 日米に届くか小国の声

ミクロネシアの海洋汚染 — 日米に届くか小国の声 ミクロネシア連邦モリ大統領 独立国となっても太平洋の小さな島々の声は大国の都合で簡単に無視されてしまう冷酷な国際政治の現実をいくつも見てきた。 昨年9月、国連総会と太平洋諸島フォーラム総会で続け…

Space Development and Decolonization (Post colonization)

(The first draft 27 February 2012) Space Development and Decolonization (Post colonization) It is reasonable to start with “Maitland Report” to describe the historical background of Information Communication and Technology for Development …

祖先のお歴々

サーバー再開、おめでとうございます。 大変な作業であったろうと想像しております。 さて、やらなきゃいけない事が目の前に山積みの時って、なぜかどうでも良い作業をしたくなりませんか? 娘のご先祖様たちです。これでヨーロッパの歴史が身近になりました…