やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2012-01-01から1年間の記事一覧

キャンベル国務次官補、再びアイランドホッピング

キャンベル国務次官補が再びアイランドホッピングの旅に出かけている。 今回は国務次官の他にPacific Fleet Commander Admiral Cecil Haneyの2人が代表。他にJeff Prescott, Special Advisor for Asian Affairs at the Office of the Vice President, Glori…

パラオオリンピックへ

ジェニファーさんは初戦敗退。 でもカッコイイ。 早くパラオに帰って、再開したい、というメールをいただきました。 Anson falls quickly to Mongolian Aug. 1, 2012、Guam PDN http://www.guampdn.com/article/20120801/SPORTS/208010319/Anson-falls-quick…

軍隊がお魚を護る意味(2)

先に掲載した「軍隊がお魚を護る意味」について、うっかり忘れていた”越境犯罪”について追加した。 違法操業の漁船を監視する意味は、不法にお魚を獲っている事だけではない。こういった漁船があらゆる越境犯罪の基地、温床になっているのだ。 これに関するP…

Meheroo Jussawalla博士の訃報

Meheroo Jussawalla博士の訃報を、今受け取りました。 昨日の7月29日に亡くなられたそうです。1923年7月14日生まれなので89歳でいらした。 インド出身の経済学者であり、情報時代の先駆的存在です。 当方に博士の経歴を書くだけの理解はなく、下記の英文…

軍隊がお魚を護る意味(1)

この件は昨年豪州や米国を出張している際に気づいて、もっと早く書きたかった。が、まとめる程の情報と知識がないので、ペンディングにしていた。 まだ、ブログに書く程の理解はないのだが、先にメモだけしておきたい。 なぜ、海軍が魚資源を管理するのか、…

太平洋への漂流物 NOAAのデータ

日本財団、笹川陽平会長のブログに「漂着物処理に自衛隊を派遣せよ」という提案が掲載されていた。 実は明日からの米国出張ではNOAAも訪問先にあり、この漂流物の件はNOAAのウェッブでちらっと見ていた。 自衛隊が太平洋に流れた漂流物を回収する事は賛成で…

アメリカの太平洋ー海のウルカヌス お復習い

太平洋といえば米国である。 このブログに「海のウルカヌス」という副題をつけて太平洋を巡る米国の動きを書いてきた。 ウルカヌスとは − 『ウルカヌスの群像―ブッシュ政権とイラク戦争』(ジェームズ・マン著、渡辺昭夫監修訳)から拝借させていただいた。 …

揺れるヤップー今昔

中国からのヤップ*への投資開発ニュースは昨年の9月頃明らかにされ、その後ニュースで進捗がたびたび報道されている。 *ヤップーミクロネシア連邦の西端に位置し、160,000平方kmに広がる4島と約130の環礁からなる。人口約6千人 中華人民共和国四川省にあ…

ミクロネシアへ小型艇供与

2012年6月19日、ミクロネシア連邦に日本財団が供与した小型艇が到着した。 同小型艇は15メーター、12トン、最大16名が乗船できる。小回りが利く同小型艇は、特に沿岸区域の監視、人命救助に役に立つであろうとChief of PoliceのTakasy Reimは述べてい…

タッキーがミクロネシア連邦の親善大使に。

一ヶ月も前のニュースですが、俳優のタッキーがミクロネシア連邦の親善大使に就任されていました。 ミクロネシア連邦の首都ポナペ空港の拡張工事も終わり、日本からの直行チャーター便も就航していました。 この飛行機で、タッキーと元森総理がミクロネシア…

パラオのユネスコ世界遺産登録を支援した笹川太平洋島嶼国基金

パラオから嬉しいニュースが届いた。 下記、コピーさせていただく。 − − − パラオでは今、世界遺産の話で盛り上がっています。 パラオの南ラグーンとロックアイランドが世界遺産の複合遺産に登録されました。 2012年6月24日からロシアのサンクトペテルブルク…

『ライブ・経済学の歴史』

訳あって、経済学の本を読んでいる。 いろいろ探したところ小田中直樹著『ライブ・経済学の歴史』(勁草書房2005)に巡り会った。 まえがきに、著者が大学生のころGNPの定義と算出式がわからなかったこと、教授されている今に至るまで正確に知らない、と述べ…

米国が非核国ニュージーランドを拒否

米国が非核国ニュージーランドを拒否 環太平洋合同演習ーRIMPACがホノルルで開催されている。28年ぶりに参加したニュージーランドの艦船がパールハーバー入港を拒否され、ホノルルの観光地にある港に停泊している。 パールハーバーには真珠湾攻撃をした日…

大学教授の間違いをただすと大変な事になる件

大学の教授だって人間だから、間違いはあるのだ。 先日、某大学教授のペーパーが間違いだらけ、誤解だらけで、放っておいていいのか悩み、知り合いの違う教授に相談したところ 「放っておけ。処世術を優先せよ。」というアドバイスをいただいた。 身に覚えが…

米領サモアからツナ缶工場がなくなるとサモア独立国に海底通信ケーブルが敷かれる話

風が吹くと桶屋が儲かる話の太平洋シリーズ第4弾。 以前、米領サモアのツナ缶工場が自由貿易の波を受け閉鎖されたことによって、そこで働いていた多くのサモア独立国の人々が職を失い、サモアは経済的関係を西に位置するニュージーランド、豪州に合わせるた…

"PATRIOT GAMES Island voices in a sea of contest"

バヌアツにある研究所- Pacific Institute of Public Policy から太平洋島嶼国を巡る米中競争を島の視点で見たレポートがこの6月に出た。 ミクロネシア地域協力による海上監視活動が成功例としてあげられている(下記引用)。 島嶼国は軍隊が出てくるより、…

日本の政治家が太平洋島嶼国の政治家に遠く及ばない件

日本の政治家は、太平洋島嶼国の政治家のセンスには遠く及ばない、と常々感じている。 サモア独立50周年を前に米中の対太平洋支援合戦を巡って、サモアの首相がオーストラリアラジオのインタビューに答えている。 この位のジャブは平気で出すのだ。 太平洋…

Good News Out of Rio+20: Six Heads of State Commit to Invest in Nature

なにやら、先々週の国連海洋法制定30周年記念式典に引き続き、笹川陽平会長は星野さんの監視をかいくぐってRio+20まで行かれたようである。 豪州のギラード首相やインドネシアのユドヨノ大統領と並んで海洋管理を語っている。民間団体からの出席は日本財団だ…

『京都 影の権力者たち』読売新聞京都総局

『京都 影の権力者たち』読売新聞京都総局 講談社 1994年 本との出会いは、人のそれと同じように様々である。 この本との出会いは不思議な巡り合わせだった。 昨年暮れに京都の錦を歩いていたら、脇道の喫茶店の前に本が山高く積まれていたのを見つけ横に逸…

米国国防省予算−サンダーバード

まさか、音大を出て、米国国防省長官のスピーチや国防省の予算会議をじっくり聞く事になるとは、思わなかった。 年間6,500人の退役軍人自殺者、同性愛問題、パネッタ長官も手こずるペンタゴンの巨大官僚組織と軍産複合体。 これらのあらゆる要素を絡ませて見…

パネッタ長官が語るLGBT

シャングリラ対話でのスピーチ以来、パネッタ長官とイノウエ議員の言動に注目しておりますが、このスピーチもいいなー、と素直に思いました。

シーシェパードを歓迎しないフィジー暫定政権

フィジーの海洋保護活動を支援しようとフィジー政府とコンタクトをしたシーシェパードは、フィジー暫定政府から歓迎しない、との対応を受け驚いている。 シーシェパードのサメ保護活動責任者ジュリー・アンダーセンは、違法活動は行っていないし、フィジーの…

Panel discussion to commemorate the thirtieth anniversary of the opening for signature of the United Nations Convention on the Law of the Sea (UNCLOS)

笹川陽平会長がスピーチをされた国連海洋法制定30周年記念式典のビデオ。 会長のスピーチは7分辺りから。 日本語のスピーチはこちらから。

イノウエ議員の真珠湾攻撃と国防予算公聴会

ダニエル・イノウエ議員のメッセ−ジ。 米国人には受け入れ難い事実かもしれないが、米国は、ハワイは日本の攻撃に準備をしていた、と。 3年前、2009年のビデオのようだが、パネッタ長官にしても、太平洋戦争が米国にとってなんであったのかを述べていること…

「胡蝶の夢」 創作童話

(怖いバージョン) 今日は、お母さんはお出かけです。 さっちゃんは一人でお留守番。 「行ってらっしゃーい。」 「いい子にしていてね。」 その日は朝から雪が降り風がどんどん強くなって来ました。 ガタガタ、ガタガタ、窓が動いています。 ガタガタ、ガタ…

マリンチェー坂本龍馬ー白州次郎

「テレパシー」とか「虫が知らせる」というのはある、と思う。 喜納育江教授のキーノートアドレス。質問の番が回って来ず、消化不良だった事が喜納先生にテレパシーか、虫が知らせたようだ。明日ランチをしませんか?とメールをいただいた。 琉球大学とオタ…

喜納育江教授の沖縄 ー キーノートアドレス

昨日、今日の2日間、オタゴ大学で“Reconsidering Gender in Asian Studies: A Pacific Perspective”というシンポジウムが開催された。 2日目のキーノートアドレスが琉球大学の喜納育江教授だ。タイトルは “Rethinking ‘Empowerment’ of Indigenous Okinawa…

北朝鮮政府代表団フィジー訪問

6月4日夜、北朝鮮政府代表団がフィジーに到着した。 フィジーのクブアボラ外務大臣によれば、平和構築の経験があるフィジーが南北朝鮮の和解統合にメディエーターとしての役割を果たす事ができるであろう、とのこと。 フィジーは1975年北朝鮮との国交を樹…

パネッタ長官のスピーチに好意的なのは中国?

先日開催されたシャングリアダイアログのパネッタ長官のスピーチ。 日本のメディアや評論は「中国の脅威、中国への牽制」と書きまくっている。 パネッタ長官のスピーチとQ&Aでは、「中国の脅威でしょ?中国への牽制でしょ?」しつこい質問を、何度も否定して…

Free online Workshop for Educator 20 June - 3 July 2012 

Wikieducatorというのがあるのは知っていたが、まさかお膝元で創設、展開されているとは今日まで知らなかった。 6月20日から7月3日までオンラインで無料でワークショップが受けられます。 オンライン教材に関する著作権やCreative Commons Licenseに関…