やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

サイパンは日本だった:濱田防衛大臣とパラシオス知事の面談

北マリアナ諸島、サイパンと書いた方がわかるかもしれない。そのサイパンのパラシオス知事が、濱田防衛大臣と4月4日に面談しているのである。 サイパンの地元紙には掲載されたが日本のメディアが全く取り上げない。なぜだ! サイパンは日本だったのである。…

私が安倍総理に教えたオーストロネシア語族の話を与那国で・・

八重山諸島で90年代から私が展開してきた「やしの実大学」を与那国で再開します。 テーマは、私が2017年に安倍総理に教える機会があった「オーストロネシア語族」の話です。 安倍総理は2018年5月の第8回島サミットと9月の国連総会演説でもオーストロネシア…

『与那国台湾往来記』松田良孝著、読書メモ

4月29日に私が安倍総理に教えたインド太平洋の2つの海を実際に交えたオーストロネシア語族の講演会を、与那国で企画している。 なぜ与那国なのか? オーストロネシア語族は台湾原住民のことであり、すぐ隣の与那国は日本の最西端ではなくインド太平洋の中心…

あの日から80年、50億円のホニアラ空港完成

www.solomonstarnews.com Japan hands over new modern airport facility to SI – Solomon Star News 1942年7月にガダルカナル島のホニアラに日本軍は基地とすべく滑走路を作った。1ヶ月後の8月7日、米軍に占領されてしまう。 あれから80年。日本ODA…

インド太平洋のツァー、アオテアロアに来る

米国の国家安全保障評議会インド太平洋コーディネーター、もしくは「ツァー」カート・キャンベルが、ホワイトハウス、国務省、国防省、USAID、沿岸警備隊の米国当局者の代表団を伴って、アオテアロアーニュージーランドを経由で太平洋諸国に入るというニュー…

私が安倍総理に教えたオーストロネシア語族の話

4月29日に与那国で開催する「やしの実大学」のテーマ、オーストロネシア語族は私が安倍総理、安倍政権に教えた、インド太平洋の海を実際に交わった海洋民族。 今こそ、4千年前の海洋秩序、自由で開かれたインド太平洋構想を学ぶ時です。 ツイッターSpaceで…

パヌエロ大統領の意志は次期政権に引き継がれるか?

3月7日に開催されたミクロネシア連邦の選挙結果が改めて大統領オフィスから発信された。 ミクロネシア連邦は4つの州がある。パヌエロ大統領はポナペ州で落選した。 メディアが次期大統領はポナペで多数の票を獲得したピーター・クリスチャンであろう、と書…

ミクロネシア連邦パヌエロ大統領が更迭した閣僚4名

3月10日にリークされたミクロネシア連邦パヌエロ大統領の13ページのレターに気になることが書かれていた。最近閣僚を更迭したというのだ。 <和訳> 私の政権を引き継ぎ、国や州レベルで政治的権力を持ち続けるであろう皆さんに対して、もし皆さんの政権が私…

ミクロネシア連邦パヌエロ大統領から送られたリンク

ミクロネシア連邦パヌエロ大統領を少し存じ上げている。 コロナで世界中がロックダウンする先頭を切ったのがパヌエロ大統領だった。島嶼国の実態を知らない、有本香氏と上念司氏がニュース番組でこの判断を批判しているのを見て、私は即座に反論した。 さら…

ミクロネシア連邦パヌエロ大統領が明かした中国の政治戦と台湾スイッチの可能性

2023年3月9日付の、ミクロネシア連邦パヌエロ大統領手紙がリークされ、大きな話題となっている。各紙これを取り上げているが、大統領任期終了まであと2ヶ月であり、パヌエロ氏は今回の総選挙で議席を失っており、台湾への外交関係スイッチが可能かどうか疑…

プレスリリース:やしの実大学in与那国 「与那国・台湾からインド太平洋に広がるオーストロネシア語族」

やしの実大学in与那国 「与那国と台湾からインド太平洋に広がるオーストロネシア語族」 八重山諸島の民間グループが「島で島を語る」をテーマに1998から2004年にかけて八重山諸島に置いて「やしの実大学」を開催。初代学長に篠遠喜彦博士、二代目に…

年末年始のご挨拶<安倍総理の遺産インド太平洋構想に臨む>

2018年の島サミットでは私が提言した海洋安全保障が議案に入り、安倍総理スピーチにこれも私が提言したオーストロネシア語族のインド太平洋の2つの海の交わりが入りました。 Maritime security, which I proposed, was on the agenda at the 2018 Island Su…

E.H.Carr の人権論 メモ

カーが戦後のUNESCOで人権問題を議論したのは53-55歳の頃だ。 E .H. Carrが戦後、人権問題委員会の議長をしていたとウィキか何かで読んで文献を探したが出てこなかった。もう5、6年前の話である。 先日チャゴス諸島ICJ判決に関する論文を読んでいたら自決…

【中国の植民地、ニセコ】レルヒ少佐『明治日本の想い出』読書メモ

ニセコから離れられない。少し距離を置きたのだが。 でも、これで最後にしたい。春が来るまでは・・・ ニセコに、日本に、スキーを紹介したオーストリア・ハンガリー帝国軍人、セオドール・フォン・レルヒ少佐の事だ。多分今回のニセコ訪問で、香港の李嘉誠…

【中国の植民地、ニセコ】TWスペース:ゲスト田中倶知安町議、福島香織氏

https://twitter.com/i/spaces/1eaJbrXlEjBJX?s=20 1時間以上、熱い話し合いが続きました。次回はオフラインでニセコからお伝えしたいと思います。 500人近い方に参加いただきました。

海洋安全保障、現場の話(その2) Maritime Security, Stories from the ground Part2

ミクロネシア海洋安全保障事業を扱うのであればofficialに動かないとダメだ、と畏友Cleoに言ったら「それはあなたがofficial positionだからよ」と返された。 いや、それは違う。私が意図的にofficialにしたのだ。国家安全保障の問題である。太平洋の安全保…

【中国の植民地、ニセコ 】スペース開催案内

2022年12月に初めてニセコ、倶知安を訪ねました。顔面麻痺の回復途中だったのでスキーではなく温泉に。今までメールだけでやり取りし、お会いした事のない田中義人町議にお会いすることが目的でした。 滞在先のコンドミニアムは中華系の人ばかり。「ああ、福…

中国の植民地、ニセコ(10)Niseko, a Chinese colony (10)

中国の植民地、ニセコシリーズ。今回で最後です。 初めて訪れたニセコで、初めてお会いする倶知安町田中町議から「もう手遅れ」と言われこのタイトルにした。確かにニセコ滞在中、ニセコの文化や歴史に触れることがなかった。私が北海道を最初に訪ねたのは、…

中国の植民地、ニセコ(9)Niseko, a Chinese colony (9)

中国の植民地、ニセコ(9) ニセコを植民しているのは香港資本であった。そしてそのリーダーは李嘉誠。日本軍の占領で広州を逃げ、香港で叩き上げた「超人」である。アジア一の金持ちで世界の経済を動かしている。その次男のリチャード・リーが東京駅丸の内…

中国の植民地、ニセコ(8)Niseko, a Chinese colony (8)

香港の、アジアの超人にして金持ちの李嘉誠。その次男、リチャード・リーこそがニセコのパークハイアット ニセコHANAZONOの土地を買い、開発した人物である。 長男と違って、青年期から父親に敵意を抱いてきた。留学中は父親からの仕送りを受け取らず、マク…

中国の植民地、ニセコ(7)Niseko, a Chinese colony (7)

中国の植民地、ニセコ(7) 丸の内とニセコを買ったのはリチャード・リー。その父親が李嘉誠である。番外編で『秘録 華人財閥』を少し紹介した。李嘉誠を中心に、著者曰くジャーナリスティックな視点で書かれている。ウェブにも情報は山ほど出ているが、玉…

海洋安全保障、現場の話 Maritime Security, Stories from the ground

他国の安全保障に関わる事は、他人の人生に関わる事と同じで非常に神経質になる必要がある。 特に国家安全保障に関わるのであれば、Sea ShpherdやGreen Peaceのように適切なプロセスを踏まずに進めてはいけない。 私が2008年にミクロネシア海洋安全保障事業…

中国の植民地、ニセコ(6)Niseko, a Chinese colony (6)

中国の植民地、ニセコ(6) 田中町議の運転する車は、まだ未開発の雪の平原、花園地区を猛スピードで走る。 「ここがサンシティが購入した土地ですよ。」 2021年6月ニュースになり、私がニセコに関心を持ったきっかけだ。 20ヘクタール、東京ドーム4個分…

明けましておめでとうございます!<2023はインド太平洋に展開する日米同盟>

www.youtube.com Happy New Year! I have not been able to summarize last year or my New Year's ambitions. At the end of the year, I watched again the video of retired Maritime Self-Defense Force General Takashima, who gave a lecture at the P…

中国の植民地、ニセコ(番外編)Niseko, a Chinese colony (Li Ka-shing)

私のタイプではないが、この甘いマスクで富豪に成り上がった李 嘉誠。彼が中国のニセコ植民地化の張本人なのであろう。彼を知ることがニセコ始め、中国脅威論を知ることに 今回のニセコ訪問は、三合会がニセコをどのように侵食しているのか?という関心であ…

中国の植民地、ニセコ(5)Niseko, a Chinese colony (5)

中国の植民地、ニセコ(5) ニセコを中国の植民地とした張本人である香港資本の前に、ニセコ・倶知安町が世界のスキーリゾートとなった歴史も書いておきたい。と言っても100年の歴史である。これはプロスキーヤーでもあった、田中義人町議から以前聞かされて…

中国の植民地、ニセコ(4) Niseko, a Chinese colony (4)

中国の植民地、ニセコ(4) 「オーディン」という北欧神話の神を社名にした会社のオーナーはニコラス・ゴーンタルドという香港在住のフランス人であった。英語のインタビュー記事をいくつか見つけた。 ゴーンタルド氏はBluetooth対応携帯電話で動作するよう…

中国の植民地、ニセコ(3) Niseko, a Chinese colony (3)

中国の植民地、ニセコ(3) Niseko と言う名前は世界共通言語になっている。今回訪ねたのはニセコと言ってもニセコ町ではなく隣の倶知安町である。なぜ「くっちゃん」ではなく「ニセコ」なのか?田中町議に聞き忘れた。両方とも語源はアイヌ語だ。「ニセコ」…

中国の植民地、ニセコ(2) Niseko, a Chinese colony (2)

中国の植民地、ニセコ(2) 「ニセコはどうにかなりそうですか?」 初めて直接お会いする田中義人議員に聞いた。 「もう手遅れです。今は他の地域がニセコのようにならないよう、状況を説明する努力をしています。ニセコほどではないが、北海道至る所同じよ…

中国の植民地、ニセコ(1)Niseko, a Chinese colony (1)

中国の植民地、ニセコ(1) 「リエコ、ニセコに3ベッドルームのコンドミニアムを数週間予約してあるんだ。子供たちの家族が来る前に来ないか?」 欧米人の大型ホリデーはクリスマスである。8月ではない。 顔面麻痺で今回スキーはできないが温泉に入ってニ…