やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2013-01-01から1年間の記事一覧

宇野千代

50近くで得た人との出会いは、10代20代30代とはまた違った、奥の深いものがあるように思う。 最近、外国の方から日本を学ぶ機会が多い。 学ぶというか、気づかせてもらう、と言った方がよいかもしれない。 米国、ワシントン大学のレベッカ•コープランド教授…

ジャスティン•ビーバー

娘から最近話題のアイドルの名前をよく聞くがあまり関心がわかない。 その中で、ジャスティン•ビーバーというおにいちゃんが、カッコイイだけでなく、歌がメッチャ上手なので、年甲斐もなく「ジャスティン、ジャスティン」と騒いでいる。 娘「私、ジャスティ…

寅次郎あじさいの恋

50近くになっても人生色々な出会いがあるものだ。 最近、ご近所に引っ越された方から京都と江戸の共通点を示す題材として、ナント! 『男はつらいよ、寅次郎あじさいの恋』をご紹介いただいた。 寅さん、懐かしいなあ。テレビでよく観ていた。 しかも、ただ…

原爆を落とした側

8月6日、広島原爆投下記念日。今年はテレビを見ながら黙祷をする事ができた。 原爆を落とされた日本側も恐ろしい思いをし、今でも続いている。 しかし、連合国側、即ち原爆投下をした側のアメリカ、ニュージーランド、オーストラリアもきっと自分たちのし…

アダムスミスが泣いて喜びそうな離島の話

八重山諸島、 石垣、竹富、与那国。 「癒し」を求めて訪ねたり住み着いたりするヤマトンチューは多い。 兼ねてから書きたかった2つの離島の話。 1つ目は、『道徳感情論』と『国富論』を書いたアダム•スミスが聞いたら泣いて喜ぶような話。 P島の旅館に泊ま…

死に向かい合う(1)

家族の死に向き合う事となり、49日ってなんだろう?と改めてウェッブで調べた。 死んだ本人は何もわからないわけだから、死後の色々な行事は残された家族が友人が、その人の死をどのように受け入れるか、という話ではなかろうか? 初七日 初願忌 十三仏:不…

緊急提言 パラオ・フィリピン海上保安協力協定締結

安倍首相のフィリピン訪問。 以前より協議されていた海上巡視船の供与が7月27日発表された。 10隻をフィリピンの沿岸警備隊に円借款で供与。 本件、外務省のODA担当局から昨年照会があったので、詳細を知る立場となり、関心があった。 「第2回日・フィリ…

Terms of engagement: Australia’s regional defence diplomacy

ASPIのベルギン博士とベイトマン博士がまたレポートを出した。 "Terms of engagement: Australia’s regional defense diplomacy" http://www.aspi.org.au/publications/publication_details.aspx?ContentID=365&pubtype=5 太平洋島嶼の事だけでなく、東南ア…

『海賊の経済学―見えざるフックの秘密 』 ピーター・T・リーソン著、 山形浩生訳

山形浩生さんの密かなファンである。 内緒だけれど(この方敵が多そうなので)山形浩生さんなしでは経済の話に入れなかった、と思う。感謝。 さて、海洋安全保障のお仕事をする上で、「海賊」というのは一つのキーワードのようだ。 前のブログに国家の略奪行…

What is the Pirate Organization?

このYou Tubeが面白すぎるので、とりあえずアップしておきます。 海洋空間とサイバー空間をつなぐもの。「海賊」だったのね。 『海賊の経済学 ―見えざるフックの秘密 』 ピーター・T・リーソン著、 山形 浩生訳、も面白かったのでこのブログに書きたい。今…

Economic Policy Speech by H.E. Mr. Shinzo Abe, Prime Minister of Japan

笹川会長がブログでお薦めしていた安倍首相のスピーチ。 確かにエンカレッジングである。海洋安全保障には直接関係ないけれど、日本の経済力はそれを裏打ちするものだから、重要だ。 日本の経済規模は独英を足したより大きい。 日本の4.1%の経済成長率は一…

「開発戦略の変遷と援助の有効性について」石井菜穂子著

パラオのレメンゲサウ大統領が進める、全EEZ商業漁業禁止地区制定案。 課題の一つがその資金メカニズムである。 商業漁業を禁止すると、今まで得ていた年間約3億円の漁業権の収入がなくなる。 それに加え、法制度の整備、監視の強化等々、余計な資金が発生…

バヌアツの独立支えた日本

日本特殊論は避けて通るタイプであるが、やっぱり日本は特殊だ、と太平洋を渡り歩いて思う事が多い。 以前、トンガの民主化を支えた日本の皇室の事を書いた。 ジョージ・ツポウ5世(2) – 日本の皇室が支えたトンガの民主化 http://blog.canpan.info/yashi…

運命の人が国務大臣に

このブログにも何度か登場いただいているパラオのビリー・クアルテイ牧師。 文部大臣、大統領補佐官等々の要職に就かれ、独立後のパラオを支えてきた一人である。 いよいよ、レメンゲサウ政権の国務大臣に任命された。 議会の承認を待ってとなるが、反対する…

モナコ・ブルー・イニシアチブ MBI

モナコ公国、アルベール二世。環境保護活動家として活躍している。 国家元首としては世界で唯一人、2006年には北極点に、2009年には南極点に到達。 モナコの事はよく知りませんが、人口36,000人、面積2.02 km2の地中海に面した小国。 アルベール二世、2010年…

第13回ミクロネシア大統領サミット開催中

昨日7月10日から13回ミクロネシア大統領サミットがパラオで開催されている。 日本財団、笹川平和財団が進める、ミクロネシア海上保安事業は2008年に開催されたこの大統領サミットが一つのキックオフであった。 下記のニュースによると昨日開催されたアジェ…

Marine Mammal Sanctuary Actパラオ議会を通過

パラオの海洋安全保障に関する動向から目が離せません。 年明けに返り咲いたレメンゲサウ政権。全EEZを商業漁業禁止地区に制定する計画を早速発表し、さらに大統領令で海洋保護区研究委員会を設置。6ヶ月後には具体的方策を出すよう指示を出した。 そして今…

豪州国内政治とミクロネシアの海洋安全保障

昨晩、豪州初の女性首相ジュリア・ギラードがその首相の座をケヴィン・ラッドに引き渡した。 豪州政治とミクロネシアの海洋安全保障。一見関係がないように見えるが、深いところで繋がっている。 このブログでさんざん取り上げているが、冷戦終結後広大な太…

Give us Palau! Give us Palau!

本当にがっかりするニュースである。 今月、パラオのレメンゲザウ大統領とコンパクトチーフネゴシエーターのビリー・クアルテイ氏がワシントンDCを公式訪問。目的は2010年からペンディングになっているコンパクトマネーの再履行である。 ところがパラオ案件…

南と北の冬至夏至

日本は夏至、という寺島常務のブログを拝見し、ああ、南と北は反対か、と改めて確認した。 北半球の日本が夏至の時、南半球は冬至なのである。 そしてこの冬至の日、マオリが「マタリキ」という新年のお祭りをする。 娘の学校行事もあり親が駆出される時期だ…

太平洋を結ぶ海底光通信ケーブル

10年前、いや5年間ほど前まで、経済規模の小さな太平洋の島々を海底ケーブルで繋ぐ計画はそれほど望みを持って語れていなかったように思う。 先週、トンガ王国に念願の光通信ケーブルが施設された。フィジーからの延長。 バヌアツも来年を目指して話が進…

スカイプとお化粧

ICTが主体ではない、と昨日言っておきながら、スカイプがなかったら、電話回線がなかったら、インターネットがなかったら、今の仕事環境は成り立たない事も事実である。 スカイプも一早く使い始めてた方である。その性能は日々向上し、電話会社の妨害もなん…

外山健太郎さんのICT4D イイネ

ICT4D ICTが主体でないって事。わかりやすいです。このプレゼン。 最高。イイネ! TEDxTokyo - Kentaro Toyama - 05/15/10 - (English) 外山健太郎さんのウェッブ http://www.kentarotoyama.org/

ワーママ 学ママの勉強術

気づけば、五十間近にしてワーママ、学ママの侭である。自分が選んだ道とはいえ、険しい道のりである。この数週間は毎朝4時起きで論文執筆。 ワーママ、学ママの課題はまとまった時間を作る事だ。 どうも博論が勢いづかないので、とある学会に博論の一部を…

小さな島国の海底資源管理

200海里が制定され、小さな島国が巨大な海洋権益を手にすることとなった。 しかしその海洋資源を必要としているのは外国、大国であって、島嶼国が自ら漁獲、採掘するわけでもないし、消費するわけでもない。 島嶼国の脆弱で不安定な政治は、巨大企業にい…

パラオの外交

小国が在外公館を抱える事自体大きな財政負担となる。しかも物価の高い先進国で小国の外交官が活動するのも制限がある。 今年1月に再スタートしたパラオのレメンゲサウ政権。 ハワイ州議員グレン・ワカイ氏を在ハワイ州の名誉領事に任命。 Hawaii Senator A…

胡蝶の夢 ー 若きビリオネラーの悩み(その3)

縁のないと思っていたビリオネラー。 ひょんな事から、というか太平洋の海洋安全保障事業がきっかけで知り合う事となった。 本当のお金持ちはケチである。未だに一銭もくれどころか、笑顔を送るよ、とかふざけた事ばかり言う。 しかし、すごい勢いで仕事をす…

南太平洋大学の起源

Laucala Bay Flying Boat Base near Suva, Fiji. 来月、7月にフィジーの南太平洋大学で12th Pacific Science Association Inter-Congressが開催される。 日本からはあの黒川清先生がキーノートスピーカーの一人として参加。 私も400近くもある発表者の一…

も一度 warshipとlawship

「日米同盟の動きも睨んで「海洋安全保障」やっています」 と言うと100人中99人が、怪訝な顔で反応する。 大学教授レベルでも「戦争でもする気か。」と言ったりする。 きっと「海洋安全保障」いや「安全保障」について知らないのだろう。 無理もない事…

Give us Yap! Give us Yap!

"Give us Yap! Give us Yap! "The Yanks have put it "The Yanks have put it "The Yanks have put it On the map." source from "Yap for Yappers," Nation, 109 (September 6, 1919) Also see "The Washington Conference and After: A Historical Survey"…