やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

台湾ー八重山ー沖縄

八重山諸島への自衛隊配置

今年春から秋にかけ、パラオの大統領選を追いながら八重山諸島の自衛隊配備についてもパラオと同じ位、自分の中で気になり追っていた。 私は90年代半ばから「島と島を結ぶ」「島で島を語る」というコンセプトで奄美大島をきっかけに先島での事業を展開してき…

『台湾の歴史』 許文龍著

台湾のFBFから教えてもらった日本の台湾植民のはなし。 『台湾の歴史』 許文龍著 読了。 https://drive.google.com/file/d/1y2I34sWx9CGDHcnHi4heEo9oyJErbJGf/view?usp=sharing 参った。日本の植民政策を正当に理解しているのは台湾人だ。 この本を紹介して…

台湾からのサイバー攻撃?

台湾の対太平洋島嶼国政策、及び太平洋島嶼国との共通点である台湾原住民対策についてFacebookでフォローしていたところ、Facebook事務局から台湾からのハッキングの可能性がありブロックしました。パスワードを変更して下さい、との案内が来た。 当方、台湾…

日本の台湾研究者が知らないオーストロネシア語族、そして後藤・新渡戸

このブログのおかげで広く知識や情報を共有させていただく結果となった。 その中でも、台湾との繋がりが最近出て来た。 特に台湾原住民の事である。 台湾の蔡政権が国内の原住民(オーストロネシア語族)に重点を置いている事と、 そのオーストロネシア語族…

八重山の革新左翼 ー 「典型的」市民運動の限界

帆足計の流れを汲む八重山の革新左翼と10年近く事業をして感じていた事が下記の記事にある3点だ。 彼等(帆足の秘書をしていた友寄英正氏と八重山毎日新聞前上地編集長)は「俺たちは笹川と仕事がしたい!」と石垣空港を後にしようとした私に訴えたのだ。そ…

海洋管理のための離島の保全・管理のあり方に関する基本方針の一部改正について

昨晩のニュースで見かけたので、メモだけしておきたい。 有人離島に国の機関設置、中国の進出念頭に領海、領土の管理強化へ http://www.sankei.com/politics/news/160726/plt1607260030-n1.html 総合海洋政策本部 開催状況 http://www.kantei.go.jp/jp/singi…

沖縄の選挙結果

自衛隊誘致で揺れる先島の選挙結果が気になる。 伊波氏が初当選 島尻氏に10万6000票差圧勝 八重山新報2016.7.11 自反対運動につながる伊波選対八重山事務所 八重山毎日2016.7.11 http://www.y-mainichi.co.jp/news/30102/ 上記八重山毎日には3市町の結果も…

宮古島市長、陸自配備を容認 きょう議会で表明へ(沖縄タイムス)

農林水産省のウェッブより http://www.maff.go.jp/j/nousin/noukan/tisitu/t_tikasui2/ <宮古島市長、陸自配備を容認 きょう議会で表明へ> 日本財団幹部だった鳥居啓一が、八重山諸島への陸自配備反対運動をどんどんすべしと俺が言っていたと伝えておいて…

台湾の対太平洋島嶼政策

台湾新総統就任式に参加したマーシャル諸島のヒルダ・ハイネ大統領が蔡英文総統とは正式な会談をしていなのでは?と書きましたが、ちゃんと会談されていました。 何を話したかのニュースはまだ見つけていませんが、女性トップの会談内容は興味があるところで…

パラオ台湾トップ会談は漁業問題か?

前のブログで蔡英文台湾新総統就任式にパラオとのトップ会談はあったが、マーシャルはなかった様子である事を報告した。 多分海洋安全保障や中国と関係を強化するパラオへの特別な関心ではないか、と書いた。 トップ会談の内容がニュースに出た。 「蔡総統ー…

写真で分析する台湾総統就任式と太平洋島嶼国

5月20日に開催された、蔡英文台湾新総統就任式。 太平洋島嶼国からは外交関係のある6カ国が招待されている。 その中の2つ。パラオとマーシャル諸島共和国の大統領府FBに早速写真が掲載された。 マーシャル諸島は、ヒルダ大統領が台湾のBruce Linghu副外相…

琉大が台湾オフィス 初の海外拠点開所

琉球新報しか取り上げていないニュースだが、台湾ー八重山ー沖縄、そして旧南洋のミクロネシア地域のつながりを、それをつなげた後藤新平ー新渡戸稲造ー矢内原忠雄を思うと、結構重大なニュースのはずなのでここにコピーしておきたい。 「琉大が台湾オフィス…

『台湾アイデンティティ』酒井充子監督、2013年

後藤新平を知ってから人生が、世界観がガラリと変わった。 後藤新平で沖縄ー台湾ーミクロネシアが繋がったのだ。 そしてこのブログを台湾研究者、ファンが見てくださり、急に台湾の事が身近になった。 太平洋島嶼国と台湾と言えば、3千年の植民の歴史がある…

日台協力でパラオの水不足支援を

パラオは、実はディカプリオどころではなかった。 雨が降らず、水道が日に2回しか使用できない状況が、ここ数日は1回になってしまった。 下記のニュースによると日本政府と台湾に支援を求めているという。 日本大使館は支援要請を受け取り詳細を検討してい…

八重山の革新左翼

Facebookにメモのつもりで書いたら結構な反響をいただいたのでこちらにも掲載しておきます。 八重山諸島に帆足計の影響があった事。当方が、そのグループと太平洋島嶼国と沖縄を結ぶ事業を行っていた事は、言論界の人々にとって、「意外」な話のようである。…

蔡英文台湾新総統就任式(追記あり)

5月20日に開催される蔡英文台湾新総統就任式。 太平洋島嶼国からの出席者がニュースで流れた。 下記6名が太平洋島嶼国からの参加予定者。 マーシャル諸島、ハイネ大統領 パラオ レメンゲサウ大統領 ナウル ワカ大統領 ツバル ソポアンガ首相 キリバス マア…

自衛隊与那国入りー後藤新平、新渡戸稲造を見習え!

与那国の自衛隊施設 いよいよ、自衛隊が与那国に入る事となった。子供を含む94名の自衛隊の家族も入るという。 このニュースに、保守の知人達が「嬉しい!」と喜びを隠さない。 与那国で20年ほど前、やしの実大学を開催し、先月もプライベートで訪ね、島の人…

沖縄へ ー 日本復帰その2

日本に復帰しなかった旧南洋ミクロネシア地域。 米国に留まった北マリアナ諸島。 米国との自由連合下で独立したパラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島。 しかし、冷戦終結と共に米国の、特にワシントンD.C.の太平洋への関心は薄れてしまい、自由連合協定…

沖縄へ ー 大城肇先生との出会い

八重山諸島で開催した「やしの実大学」事業のおかげで多くの方とお会いする機会に恵まれた。 その一人が、鳩間島出身の大城肇教授、現琉球大学学長である。 大城先生は、どこかで「やしの実大学」がご出身の鳩間島で開催される事を知り、一般参加者、即ち自…

沖縄へ ー 日本復帰

今回の沖縄訪問では、もし沖縄が日本に復帰していなかったらどうなったか? という事をテーマに訪ねた。と言ってもプラベート旅行であり、タクシーの運転手さんに聞いた位なのだが。 多分20人位に聞けたと思う。 一人だけ、米国か日本か半々よ、という答えで…

与那国へ ー 池間苗さんの与那国民俗資料館

一番最初に与那国を訪ねたのは1998年、1999年の「第3回やしの実大学」の準備のための事前訪問であったと思う。それから何度与那国に足を運んだであろう? 与那国行くと必ず訪ねるのが1919年生まれの池間苗さんが自宅の1階に開設した「与那国民俗資料館」で…

与那国へ ー ヨナグニウマと遊ぼう!

先週から訪ねている八重山。 そのレポートをブログに上げさせていただいているが結構な反応をいただいている。 実は今回の沖縄訪問は、プライベートな家族旅行である。 が、現地には事業でのつながりが多く、なんとなく仕事モードになっている。 与那国には…

八重山へ ー 自衛隊と海保の違い

北朝鮮のミサイルが発射される前日、八重山毎日新聞の上地義男顧問が自衛隊配備反対を明言する下記の2つの記事を書いた。 自衛隊配備で利益誘導の八重山建産連 2016年02月06日 八重山毎日新聞 http://www.y-mainichi.co.jp/news/29311/ 北朝鮮の“長距離弾道…

八重山へ — 海洋学者という活動家

上地さんの『新石垣空港物語』に、白保案が崩れた背景にサンゴ保護が浮上した事。そしてそのサンゴの重要性を指摘したのが1983年に石垣を訪ねた米国の海洋学者、キャサリン•ミュージック博士である事が書かれている。 このキャサリン•ミュージック博士は辺野…

八重山へ — 『新石垣空港物語』

久しぶりの八重山。 新しい石垣空港に初めて降り立ち、以前の空港に慣れていたため面食らってしまった。 当方にとっては旧空港が懐かしい。 「二度と来るか!」思いながら東京に戻る私を八重山毎日新聞現顧問の上地さんと友寄英正さんが待ち構えていて「俺た…

八重山へ ー 島と島を結ぶ

とんでもない時に八重山に来てしまった。 北朝鮮のミサイル発射に備えて、PCA3配置のため石垣に自衛隊が入っている様子がニュースで流れているが、今目の前でその様子を見ている。 なぜ石垣に来たのか? 私は、島と島を結ぶ、というコンセプトで沖縄の八重山…

『オキナワ論』ロバート・D・エルドリッヂ著

ひさしぶりの沖縄訪問を控えロバート・D・エルドリッヂ博士の『オキナワ論』を読んだ。 2008年、ミクロネシアの海上保安事業を立ち上げ、本格的に太平洋の海洋安全保障をやる事になったが、海洋問題を扱うのは初めての事であった。 海洋安全保障の研究会を…

離島の存在意義を問う。再びやしの実大学

なぜ、鳥井啓一氏が当方の事を覚えていてくださったか、というとこのブログの他に鳩間島•小浜で開催した2004年の最後のやしの実大学に参加していただいた事も理由の一つのようであった。 私は、終了してしまうこの事業をどうにか琉球大学の大城教授(現学長…

与那国の自衛隊配備と離島問題

<やしの実大学in与那国> 2月22日、中学生も巻き込んだ与那国の自衛隊配備を問う問う住民投票が行われ、632対445の賛成多数という結果になった。 笹川太平洋島嶼国基金は、島と島を結ぶというテーマで、亜熱帯の八重山諸島、奄美大島と太平洋島嶼国…

琉球大学サテライトキャンパス開始

昨年琉球大学の学長に就任された大城肇学長の第一弾の事業が琉球大学サテライトキャンパス。 文科省の補助金を得て、那覇、宮古島、石垣島の3カ所にサテライトキャンパスが設置された。 プレス発表資料によると自治体職員の政策形成能力強化や学び直しの機…