やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2011-01-01から1年間の記事一覧

ラグビーワールドカップー日本対オールブラックス

今日はいよいよオールブラックスとの対決だ。 観たいような、観たくないような。 奇跡が起るかもしれない。勝つ事ばかりが勝負ではないし。 1995年の第3回大会では17対145で敗れている。 日本時間午後4時から開始。

『解体新書「捕鯨論争」』

『解体新書「捕鯨論争」』 石井敦編著、新評論、2011年 衝撃的な内容である。 捕鯨擁護の日本。実は、調査捕鯨を続けるために、モラトリアム期間を延ばすような行動を取ってきた、という。 なぜか。調査捕鯨には多くの補助金や利子の優遇があるからである。…

PIF総会への日本の参加

政権交替で日本からの閣僚参加は期待していなかったが、間に合ったようだ。 山口壯外務副大臣が先週ニュージーランドで開催された太平洋諸島フォーラム総会に参加した。 外務省のホームページもいつもより情報が豊富だ。しかも「日本は太平洋島嶼国と太平洋…

手話は公用語ーその3

ニュージーランド手話法が国会に提出された時のMinister for Disability, Hon. Rurh Dysonのメディアステートメント(2004年4月7日発表)を見つけた。 以下要点をまとめる ・ニュージーランドには約7、000人のろうあ者が手話を使用している。全体…

2011年ラグビーワールドカップ

ニュージーランドはラグビー一色である。 9月9日から始まったラグビーワールドカップのために学校や会社や、太平洋諸島フォーラム総会まで日程調整を迫られた。 クライストチャーチの地震で、急遽開催地となったダニーンデンは急ピッチでスタジアム完成に…

校正

11月に出版される本の原稿校正がやっと終了した。 急な執筆依頼をいただき、出張中に急いで草稿を書き、監修者、出版社からの連絡が有ったときは、もう初稿校正。 大学学部生の教科書になる本で、太平洋島嶼国の政治経済を紹介。 監修者の反対を押し切り先史…

Principles and priorities for the Pacific - Senator David Feeney

下記は9月5日に開催されたAustralia Strategic Policy Instituteが開催したイベントでの、豪州国防政務官Senator David Feeneyのスピーチ。 太平洋の海洋安全保障について興味深いコメントがたくさん入っている。 ASPIのディレクター、ベルギン博士は笹川…

手話は公用語 ー その2

手話は公用語 ー その2 お世話になっている日本財団の石井靖乃さんは障害者支援事業を担当されている。早速ニュージーランドは手話が公用語になっていて、学校でも習っているヨ~。と伝えたら現地報告歓迎というお返事をいただいた。 石井さんから、手話言…

第42回太平洋諸島フォーラム首脳会議開催

第42回太平洋諸島フォーラム首脳会議開催 昨日から下記の予定で第42回太平洋諸島フォーラム首脳会議がニュージーランドのオークランドで開催されている。ラグビーワールドカップを辛うじて避けたスケジュールだ。 肝心の米国はヒラリー長官ではなくThomas R.…

恐怖の親子スキー教室

地球の北半球が夏を迎えれば、南半球は冬である。 マオリ語も手話も習う学校教育は柔軟で、自然豊かなニュージーランドではスポーツ教育も盛ん。 週末を利用した「親子スキー教室」の案内が娘の鞄にあった。 「行きたい~。」 そりゃあ行きたいよな。 私、母…

手話は公用語 ー その1

手話は公用語 ー その1 ニュージーランドの小学校は5歳の誕生日が入学日である。よって入学式なるものはない。 なんとなく、学校が始まる。 娘は5歳から、早速手話の挨拶を覚えてきた。 ニュージーランドは福祉国家であり、平等を重んじる国なので、先生…

外交官Sとの会話

6月のミクロネシア出張は1ヶ月家を留守にする必要があったので、どこかキャンセルできないか悩んだが、前半はどうしても会っておきたい米国沿岸警備隊のキャプテンがいた。彼のおかげで、水面下工作が可能となったのである。 また後半はどうしてもお会いし…

カニバリズムとガールフレンドの数

「奥さんは一人でいいが、ガールフレンドは多い方がいいですなあ。」 「いや、本当に。」 太平洋島嶼国から客人を招いた夕食会の席で、日本人の紳士2人がこんなたわいのない会話をしていた。 ”世のお父さん達は外でこんな勝手なことをホザイているのか。そ…

ショパンのバラード1番とトラッド前議員

ショパンのバラード1番を弾き始めてから1ヶ月ほど経つが、半分ほど進んだ。 その間、海洋安全保障研究会の委員をお願いしているオーストラリアのセネター、ラッセル・トラッド議員がこの7月に退任され、加えて野党にも拘らず、8月になって連邦政府の"spe…

『魚のいない海』

『魚のいない海』 フィリップ・キュリー, イヴ・ミズレイ著、 勝川俊雄監訳, 林昌宏訳 エヌティティ出版,2009年 「国際テロ組織を退治しろ」 この春、突然こんな指示があった。 詳細は書けないが、急遽情報収集をする中で、まともに相手にすべきではない、…

『逆説の政治哲学』ー正義が人を殺すとき  岩田温

『逆説の政治哲学』ー正義が人を殺すとき 岩田温著、KKベストセラーズ、2011年 著者の岩田温氏は若干28歳である。私の息子の年齢である。 現在秀明大学助教授。 世の中がだめになると人間が輝き出す、と言うのは本当かもしれない、と思った本である。個人的…

宝島 ー タックスへブン

「田中宇の国際ニュース解説」は時々無料のサイトを拝見していたが、この4月に出た「タックスへブンを使った世界支配とその終焉」というタイトルの記事が有料だったので思わず3,000円払ってしまった。 このブログでも幾度か取り上げているが、「南の島の楽…

キャンベル国務次官補のアイランドホッピング最終章

キャンベル国務次官補のアイランドホッピング最終章 (在NZ,米国大使のウェッブより) 6月のパラオ出張で某外交官から偶然伺ったキャンベル国務次官補の太平洋島嶼国訪問。訪問国によって情報がなく、2ヶ月近く時間が経ったがどうにかまとめた。 彼らの訪…

キャンベル国務次官補のアイランドホッピング その3 ー キリバス編

キャンベル国務次官補のアイランドホッピング その3 ー キリバス編 キャンベル国務次官補のアイランドホッピング最初の訪問地のキリバスを含め、パラオ、マーシャル諸島の情報が少なく、ウェッブサーフィンをしていたが、一ヶ月経った今も出ないので手持ち…

キャンベル国務次官補のアイランドホッピング その10 ー マーシャル諸島編

キャンベル国務次官補のアイランドホッピング その10 ー マーシャル諸島編 (クワジェリン環礁 Meck島から発射された迎撃ミサイル) キャンベル国務次官補のアイランドホッピング、最終地はマーシャル諸島。ここもパラオ同様あまり訪問内容の情報が見つから…

キャンベル国務次官補のアイランドホッピング その8 ー パラオ編

キャンベル国務次官補のアイランドホッピング その8 ー パラオ編 パラオ訪問の詳細はあまり見つからなかった。米ーパラオの政府間協議は第2次自由連合協定を巡って、キャンベル国務次官補訪問の直前に既に行われいたせいかもしれない。 (ウォルシュ司令官…

おススメ夏休みの工作ー”ペットボトル水車”

おススメ夏休みの工作ー”ペットボトル水車” 写真はまだ色を塗る前のペットボトル水車 家の前に小川がサラサラ、サラサラ流れている。 メダカや蟹、エビ取りを子供達が楽しんでいる。 ふと、この流れを利用して何か出来ないかとウェッブサーフィンしていたら…

原稿執筆

5月に突然舞い込んだ執筆依頼。 急ぎ、との事だったので6月の出張中にドラフトをどうにか書き上げた。 監修者からの指示は、 「歯切れが良過ぎる、もっとねっとりした文章にして、もっと削れ」 というものだった。ここ数日、ねっとりし、且つ簡潔な文章を…

【速報】パプアニューギニアに新首相誕生

【速報】パプアニューギニアに新首相誕生 本日、パプアニューギニアに新首相が誕生した。 南高地出身の Peter O'Neill 氏である。 1975年に独立した同国を支えてきたグランドチーフ・マイケル・ソマレ閣下は現在シンガポールで入院中。6月に引退を表明して…

【速報】ミクロネシア地域全体を鮫保護地区に制定

【速報】ミクロネシア地域全体を鮫保護地区に制定 7月25-28日にポナペで開催された第15回ミクロネシア首長サミットでミクロネシア地域全体を鮫保護地区に制定することが決議された。 同決議は鮫のヒレを保有、売買する事も禁じる地域禁止協定を策定する事…

戦後の日本と太平洋を結んだ偉人ー大平正芳・五島昇

What the nuclear accident has made me realise once again is that Japan's post-war policy towards the Pacific is related to its nuclear policy. In the 1980s, Prime Minister Nakasone visited the Pacific Islands because of the problem of dump…

第15回ミクロネシア首長会議開催

第15回ミクロネシア首長会議開催 2011年7月25日~28日、ミクロネシア連邦の首都ポナペで第15回ミクロネシア首長会議が開催された。 2000年辺りから始まったミクロネシア地域協力の枠組み。紆余曲折を経て、ミクロネシアの独立国3国による大統領サミットと…

【続報】ミクロネシア、チュック行方不明者全員無事

【続報】ミクロネシア、チュック行方不明者全員無事 関連のニュースを読むと、映画さながらの救助活動のようだ。 珊瑚礁にぶつかり転覆したボートから全員避難できたようだが、そこは無人島。 15名が手をつないでSOSの人文字を作ったりしたらしい。 今回の救…

【速報】チュック行方不明者全員無事

【速報】チュック行方不明者全員無事 今週月曜日に行方不明になった15名を乗せたボートが、無人島で転覆しているのが見つかり、近くのビーチに乗船者らしき人々を確認。近くを通りかかった船が本日(先ほど)確認しHF無線で通報、関係者が救出に向かっている…

USCGがミクロネシア、チュックで海難救助捜索

USCGがミクロネシア、チュックで海難救助捜索 ミクロネシアのチュック州で大人9名、子供6名が乗船した28フィートのグラスファイバーボートが行方不明になり、米国沿岸警備隊が捜索を実施している。 この月曜18日にチュック北部環礁から、約111キロのRuo島…