やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

豪州の中国スパイとソロモン諸島の海底通信ケーブル

別に豪州が中国にスパイされていることはニュースじゃないし、もうほぼ中国の植民地となっているわけだから、驚くことではない。が、なんとソロモン諸島の海底通信ケーブルと、最近のスパイ活動捜査が繋がっていると書かれていたので、アドレナリンが出てき…

北朝鮮のミサイルが飛ぶとマーシャル諸島に海底通信ケーブルが敷かれる

北朝鮮からのミサイルに慣れてしまって、日本政府が警告を出すだけで何も動いていなさそう(実は動いていると期待しているが)なのがもどかしい。 米国のハワイ州は既に警戒態勢で、市民にも広く呼びかけているという。 これが当たり前ですよね。 2017.7.22 …

クック諸島のメガ海洋保護区マラエ・モアナ法成立

Cook Islands Approves Largest Multi-Use Marine Park In The World Submitted by PIR Editor on Thu, 07/13/2017 http://www.pireport.org/articles/2017/07/13/cook-islands-approves-largest-multi-use-marine-park-world かれこれ5年位協議が続いていた…

タヒチ(仏領ポリネシア)、自治、脱植民地とEEZ、海洋資源

仏領ポリネシア、タヒチの独立問題。ニュースを軽くまとめようと思ったら、なんとEEZの海底資源につながる重〜い内容であった。国連関連の資料を見つけたので下記に掲載しておく。 まだ読んでいるのだが、まとめきれないので先に公開。 後で追記します。 <…

バヌアツの税制改革

ILO warns Vanuatu tax reforms could hurt vulnerable 21 July 2017 http://www.radionz.co.nz/international/pacific-news/335546/ilo-warns-vanuatu-tax-reforms-could-hurt-vulnerable 所得税のない国、バヌアツの税制改革が検討されている。 法人、個人…

米国国防省が支援するパラオ経済

パラオの、ミクロネシアのそして太平洋島嶼国の戦略的意義を日本政府と共有できるのは米国のPACOMであろう。 人口2万もいない、小島嶼国が経済的に自立するには、麻薬やカジノ、便宜置籍船などシャディな活動に手を出すしかないのだ。 だから、1960年の国連…

皇太子さま、水問題でビデオメッセージ 国連基調講演

「皇太子さま、水問題でビデオメッセージ 国連基調講演」 http://www.asahi.com/articles/ASK7N4G1BK7NUTIL01X.html 講演和文 http://www.kunaicho.go.jp/page/koen/show/1 講演英文 http://www.kunaicho.go.jp/page/koen/showEn/1 環境問題と皇室の関係は、…

トラック諸島の旧海軍沈没船、油流出防止を支援(追記あり)

トラック諸島の旧海軍沈没船、油流出防止を支援 2017年07月22日 http://www.yomiuri.co.jp/eco/20170722-OYT1T50068.html Moves under way to prevent oil leaks from wartime ships http://the-japan-news.com/news/article/0003835401 この話、知っている…

与那国の町長選

「勝てない」野党陣営が擁立断念 沖縄・与那国町長選は保守対決へ 陸自配備で有権者増加 2017年7月26日 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/118589 自衛隊が入った与那国どうなっているのか、気になっている。 40年も続いた石垣島の空港反対活動が、…

カール・シュミットとこのブログ

カール・シュミット(『陸と海と』『大地のノモス』)を読んでまとめていたら、ブログを書く気力、体力、時間を失ってしまった。 読んでまとめる、と言っても英語でjotting down notes と言うらしいが、気になった箇所を書き綴っただけなのだが、かなり刺激…

ニューカレドニアの独立問題

ニューカレドニアの独立問題。 フランスの前法務大臣が、自由連合の形を提案。 1998年のヌーメア協定以来、20年の脱植民地化の経過を経て来年が決断をする年。 Former French justice minister ponders New Caledonia options 27 July 2017 http://www.radio…

漁業資源が枯渇!というイエロージャーナリズム

イエロージャーナリズムはアメリア・イアハート失踪事件ばかりではない。 漁業資源が枯渇する、とこれもマグロ絶滅と同様バカの一つ覚えのように唱えているメディアが後を立たない。 ちゃんとFAOの資料見るくらいの努力はして、記事を書こうよ。 『世界漁業…

バヌアツ高等教育無償化へ

Free Secondary Education By Anita Roberts Jul 24, 2017 http://dailypost.vu/news/free-secondary-education/article_aa2bb2f7-c102-5103-85df-99fdf893183f.html?utm_medium=social&utm_source=facebook&utm_campaign=user-share 2018年からバヌアツの高…

アンガウル州マリファナ合法を探る?

84人のパラオ、アンガウル州の市民がマリファナ合法への署名をし政府に提出した。 理由はアンガウル州の経済のため、そして人口減少を抑えること。 現在グアム、合衆国の29の州が合法である、という。 Angaur Citizens Seek To Legalize Marijuana In Angaur…

医療支援と2つの中国(追記あり)

パラオの保健省は台湾のE-Da Hospital/I-Shou University(義守大學・義大醫療財團法人 義大醫院)の支援を受ける調印をし、2つの中国の支持を明確にした。 ベラウ国立病院でインターンシップのパイロット事業を行う。指導をベラウ国立病院とE-Da Hospital/…

マーシャル諸島ジャーナルGiff Johnson編集長への謝罪修正要求(2)

先週出した下記の要求に対しマーシャル諸島ジャーナルが記事を出しました。 アメリア・イアハートの写真の件でブロガーの山猫男爵が見つけた写真集を、特ダネとして売り込もうとしたマーシャル諸島在住のマット・ホーリーに、私が写真の詳細(国会デジタルラ…

『大地のノモス』カール・シュミット著 ヨーロッパ公法から国際法へ(3)

何歳のシュミットであろう?国際連盟創設に活躍した新渡戸を知っていたであろうか?そしてシュミットの国際連合に対する批判は? 第3章 国際連盟、および大地のラウム秩序の問題 p. 306-332 シュミットの国際連盟批判である。 ・無秩序の世界がヨーロッパの…

『大地のノモス』カール・シュミット著 ヨーロッパ公法から国際法へ(2)

カール・シュミットの『大地のノモス』第4部のコンゴ会議が長くなったので、 第2章 ヨーロッパ公法の解体(1890年ー1918年)p. 287-305 はこちらに。 ・コンゴ会社の旗が米国に承認された1884年4月22日に、「ヨーロッパ的な国際法が、自覚することなく徐々…

『大地のノモス』カール・シュミット著 ヨーロッパ公法から国際法へ

『大地のノモス』第4部の第1、2、3章 のメモだけ。 最初は第3章の国際連盟だけ読むつもりが、ヨーロッパ公法が国際連盟の設立を機に国際法へ変わった、という話ではないか、と思い、前の章から読むこととした。 面白い、けど難しい。 第1章 ヨーロッパ…

『大地のノモス』カール・シュミット著 ー 海洋の自由

カール・シュミットが法学の祭壇に供えた書『大地のノモス』の第3部、第3章 海洋の自由は下記の4項から構成される。 a) 二つのラウム秩序 ー 確定せる陸地と自由なる海洋 p. 208-212 b) 自由なる海洋は、無主物 [res nullius]か、あるいは全体物 [res omn…

『大地のノモス』カール・シュミット著 (新田邦夫訳 慈学社 2007)

カール・シュミット 「大地のノモス」原語で読んでみる。わからないけどシュミットのドイツ語を聞いてみたくなった。ちなみに国立音高、音大の第一外国語はドイツ語でした! カール・シュミットの『陸と海と 世界史的一考察』を読んで興味を持った法学研究者…

太平洋島嶼国とPKO

もう10年以上前、フィジーのイノケ・クブアボラ在日大使(現外相)から、フィジー軍がPKOに参加して得る外貨が同国の観光収入よりも大きいと伺った。 これに関するニュースもいくつか読んだ記憶があり、検索したが見つからない。 本来派遣先の平和維持が目的…

マーシャル諸島ジャーナルGiff Johnson編集長への謝罪修正要求(追記あり)

Mitch Harrisさんという見ず知らずの方が、マーシャル諸島ジャーナルGiff Johnson編集長が当方の中傷記事を書いている事を教えてくれた。 例のアメリア・イアハートの件である。 この件は山猫男爵さんというブロガーが7月9日に見つけていて、すでに多くの人…

中国の太平洋漁業進出

これがクック諸島の水産省です! 上海での漁業交渉から戻ってきたばかりの水産庁高官と話をする機会があった。 中国の漁業政策、すごいのだそうだ。補助金が一隻の30%強を占める。日本はとてもじゃないけど競争できない。 それから、外国の船籍の購入。 そ…

気候変動の犯人は小島嶼国?

気候変動で島が沈む!と一番に主張しているマーシャル諸島のDeBrum元外務大臣、気候変動大使を務める。 国際船舶が排出する二酸化炭素は2050年までに気候変動の原因の5分の1を占める可能性があるのだ。この事を抗議しにDeBrum閣下がIMOに乗り込んだところ…

PPBP空からの監視強化

1970年代から、即ち海洋保条約が協議されている頃から開始したオーストラリアのPacific Patrol Boat Program (PPBP)。 新たに名前をPacific Maritime Security Program (PMSP)に変えて、現在12の島嶼国に供与している監視艇を新しくし、さらには飛行機による…

ナカムラ大統領の懸念ーパラオ人口減少

パラオのナカムラ元大統領が、人口減少と人口に占める外国人の比率が増加していることに警鐘を鳴らした。 パラオの人口17,000人。その内パラオ人が12,000人強、外国人が4,000人強。外国人の割合は27%である。 ナカムラ元大統領はこのままではパラオはパラオ…

日米を結ぶニイハウ島の0

確認していないが、右は西開地重徳一等飛行兵曹の写真で、左は名札を持っていた米兵のJack Armstrong氏の写真、だと思います。 アメリア・イアハート失踪を巡る日本軍処刑説のレベルの低ーい情報が駆け巡り、これで小遣い稼ぎをしようとしたマーシャル諸島在…

南シナ海仲裁判決から1年

今日で、南シナ海判決1年。 この問題の世界的権威でもある坂元茂樹教授はここ数週間各紙のインタビューで多忙を極めていらっしゃる様子が授業を受けながら伝わってきた。 各紙のニュースを広っていきたい。 新聞で確認したところ、読売が一番充実していて、…

伝説の女性飛行士イアハート再燃(最終)

7月7日から追っているアメリア・イアハート失踪事件に関わる、日本軍の処刑説。 米国人達とのやりとりは、精神的に参った。 やはり、根底には日本軍を、日本に悪者にしたい、米国人と、それに乗るメディアやサイパン、マーシャル諸島の人々がいる。 でもこ…