やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

天皇陛下のお言葉と気候変動

(このブログがよくシェアされているので新渡戸が象徴天皇論を議論したブログをリンクしておきます。原文を読みもしないで決めつける学者がいるのが悲しい。)」 yashinominews.hatenablog.com 「ご在位30年式典 天皇陛下、お言葉全文」に関連してあまり取…

ミクロネシアの地域協力の動き

ちょっとリンクだけ。 やはり日本、米国が動くと、ミクロネシア諸国が動く。 www.taiwannews.com.tw www.channelnewsasia.com

国連海洋法条約65条とIWC脱退

日本のIWC脱退が国際法違反であるという「有識者」のコメントがメディアでも取り上げられていて、国際海洋法を学ぶものとして確認だけでもしておこうと、国連海洋法条約65条関連の論文を拾って読み出した。これが非常に興味深い。 動物愛護団体のPatricia Fo…

ワイマルの思い出

昨年末の欧州訪問。一番印象的だったのは、ワイマルだ。滞在先のJenaから一人で強行したデイトリップだった。何の予備知識もなく訪ねたワイマルだったが2020年がワイマル共和国百周年と知って急に興味を持った。シラーとゲーテは音楽を通してしか知らない。 …

最も不明確な条項ーUNCLOS65条

パトリシア・バーニー女史の65条に関するペーパーがあった。 ”Marine Mammals: Exploiting the Ambiguities of Article 65 of the Convention on the Law of the Sea and Related Provisions: Practice under the International Convention for the Regulati…

ミクロネシア大統領サミットに寄せるポンペオ国務長官のメッセージ

ミクロネシアのサブリジョナルの枠組みは、私の2つ目の修論の結論で提案した事である。そして実際に渡辺昭夫先生とミクロネシア支援を強化し、2000年初頭からその動きは開始した。ー ミクロネシア大統領サミットだ。 昨日までパラオで開催された第19回ミク…

海洋法条約を巡る中国のジレンマ

英国のジャクソンヘンリーソサエティ、アジア部長が執筆した南シナ海と英国の対応に関する論文 THE SOUTH CHINA SEA: WHY IT MATTERS TO “GLOBAL BRITAIN” の引用文献に海洋法条約を巡る中国のジレンマを扱った記事があった。 米国在住の執筆者Zheng Wang教…

労働者を殺し、奴隷船を支援する太平洋島嶼国の旗

www.hellenicshippingnews.com パラオの旗がバングラデシュの2人の若い命を奪ったニュース。 お金がない小島嶼国の収入手段が便宜置籍船ビジネスだ。このブログでもさんざん取り上げて来ている。廃船同様になった船を環境規制や安全規制の法律がない東南ア…

ブリタニアに戦く中国 ー イギリスのインド太平洋構想

太平洋を訪問される英国王室の動きは追っていたが、イギリスでのインド太平洋構想、海洋安全保障の動きはここ数日、初めて追っている。まさに激戦の真っ最中に訪れてしまったようだ。 まずは42歳の若手Gavin Williamson防衛大臣のRUSI(英国王立防衛安全保障…

東京帝国大学植民政策講義(6)新渡戸博士の講義 第一章輓近植民思想の勃興

第一章 輓近植民思想の勃興 第一項 動揺(motion)の法則 第二項 種族の興廃 第三項 国家勃興の反動 第四項 輓近植民思想の勃興 ここで言う輓近とは西洋諸国の植民の動向を概観している。 第一項 動揺(motion)の法則 では国家膨張の周期を 第二項 種族の興廃…

東京帝国大学植民政策講義(5)新渡戸博士の講義(大内兵衛の解説)

手元にある新渡戸全集第4巻は昭和59年2月15日の版です。初版は昭和44年11月25日。この全集の解説をマルクス経済学者の大内兵衛が書いている。大内兵衛も東京帝国大学法科大学で大正元年から二年までこの講義を聞いている。(それでもマルクス主義者になった…

東京帝国大学植民政策講義(4)新渡戸博士の講義(再開)

新渡戸の東京帝国大学植民政策講義、11月下旬に立ち上げたにもかかわらず、2月以上も棚上げにしましたが再開します。 忘れていたわけではなく、12月は米欧州(ワイマル含む)訪問、1月はワイマル共和国の林先生の本に衝撃を受け(個人的にも多忙を重ね)、2…

情報収集は努力のみ ー インテリジェンス講座その4

日本政府のインテリジェンスの方達から照会があるのだが色々教えているとついてこれないらしく 「早川さんは米国と通じているんですね」って。 通じるって何? 私が情報もっているから米国や豪州や世界中から照会があるんだけど、理解できないんだろうな。 …

豪バヌアツ安全保障協定は非排他的

オーストラリアが中国の影響が高まる太平洋島嶼国と排他的安全保障協定を締結しようとしているが、バヌアツのレゲンバヌ外相はバヌアツは独立国として非排他的、すなわち歴史的関係のあるフランスや、最近支援が強化した中国など、自分たちが誰と協定を締結…

ネオコロニアリズムと批判されるラッド元首相

www.abc.net.au 豪州のラッド元首相がツバル、キリバス、ナウルは豪州の市民権を得て、その広大なEEZは豪州は管理し、豪州に自由に居住して良い、という刺激的な提案をして物議を醸している。 ツバル首相はネオコロニアリズムだ、と。 この反日のラッド氏で…

犯罪の楽園パラオー日本政府インテリジェンスの皆さんへ

「早川さんのブログ見て、太平洋が楽園でないこと。レメンゲサウ大統領を神格化してはいけない、ということを学びました。」 ある政府組織のインテリジェンスの方からのメッセージだ。 複雑な心境だがそれが現実だ。 太平洋島嶼国の法執行能力、法遵守精神は…

Pacific commander: China greatest long term threat to a free & open Indo Pacific region

www.youtube.com 2時間以上あるけど、この公聴会は重要。 1:04:00 あたりから。ミクロネシアの自由連合協定の話。 Mrs Ernst 自由連合の件で質問したのはこちらの共和党の議員。 www.ernst.senate.gov

NAMMCO Agreement IWC脱退

日本が入る入らないのと言っているNAMMCO少し調べてみたいが、Agreement見つけたので後で読みます。多分国際法の観点からすでに議論されているはずなのでその論文を探してみたい。 え、国際法違反と言っている大久保さんは経済学修士?この論文の国際法から…

UNCLOS65条とIWC脱退

日本のIWC脱退に関連し、日本がIWCのオブザーバーの地位で日本のEEZ内での捕鯨を行うことは国際法違反である、というコメントがSNSにあって国際法とはUNCLOS65条の事かと思い確認してみた。 「いずれの国も、海産哺乳動物の保存のために協力するものとし、特…

海洋秩序を捻じ曲げる大金を持った無知2人

www.radionz.co.nz パラオの海洋保護区の件がラジオニュージーランドに掲載された。これで日本の水産業が世界の悪者にされるネタをまた提供したわけだ。 パラオEEZを全て(国内の非商業漁業以外)クローズにする海洋保護区法案が2020年から開始する予定であ…

太平洋島嶼の地域主義とDr. Colin Tukuitongaの恨み節

www.devex.com WHOの西太平洋事務所所長選挙でニュージーランドと日本が競っていたとは知らなかった。 記事は2位で落選したニュージーランド代表(ニウエ出身)のDr. Colin Tukuitongaの恨み節のような内容。パプアニューギニア、ソロモン諸島、バヌアツ、…

悪意ある立命館大学の対太平洋プロパガンダ

www.forumsec.org 2月8日、バヌアツの南太平洋大学で“The China Alternative: Changing Regional Order in the Pacific Islands”というテーマの会議が開催された。 太平洋諸島フォーラム事務局長、メグ・テイラー女史の基調講演の内容が全くの親中で愕然とし…

中共のプロパガンダ

これも面白い。中共のプロパガンダ。 英国のアジアに展開する軍事力に関する中国CGTN特集。第二次世界大戦以来の英国の世界展開とのこと。 中国の歴史と現実を捏造するニュース。英国の植民地支配を彷彿させる、と。 このくらいやらないとダメだ。プロパガン…

世界の脅威へ向けた英国の防衛政策

Gavin Williamson on Transforming UK Defence to Meet the Global Threats of Tomorrow 2月8日にパスカル女史が発表をしたRUSIで英国防衛相の「世界の脅威へ向けた英国の防衛政策」に関するスピーチがあった。 これに関する批評がどんどん出てきている。賛…

安倍政権は中国政府を見習え!(元陸将補 吉永春雄氏に関する追記)

2月10日ニュージーランドのオークランドを飛び立ったニュージーランド航空の飛行機が、目的地中国から着陸許可を得られないとの通達を受け、引き返したという。 ニュージーランドのアーダーン首相中国との外交関係と関係ないというがあまりにも絶妙なタイミ…

欧州訪問ー冬のロンドン

結構盛りだくさんだった欧州訪問。ロンドンが寒かった。 目的はこのオセアニア展とオックスフォード大学の旧友に会うため。 ピカチューとパプアニューギニアの工芸品の共通点はあるか?

欧州訪問ー最終地フランクフルト

欧州訪問最終地はフランクフルト ハインツはドイツだった!カップを置く場所が微妙に寄っているカップソーサーが気になる。

ドイツで研究されるインド洋

イエーナのマックスプランク研究所ではインド洋の人類の植民研究がされている。その研究の指導者がニコル博士なのだが、彼女日本に数年滞在した経験がある。さすがに日本語は忘れたそうだが、神戸の地震に遭遇し、その後大阪で暮らしたそうだ。 歯のDNA研究…

欧州訪問ーワイマル

ゲーテとシラーの前でアイススケート! 雪の降るワイマル。イエーナの隣にあるとは知らなかった。行こうかどうか相当迷ったが、行って良かった。 再来年がワイマル共和国100周年だ。ワイマールの自由や権利を再考する良い機会かもしれない。 「自由」につ…

欧州訪問ーストラスブールのクリスマス襲撃事件

ストラスブールのクリスマス襲撃事件 パリからフランクフルトに向かう電車がストラスブールの近くで停車した。セキュリティのためというアナウンスであったが後で同時刻にクリスマス襲撃があった事を知った。 ドイツのクリスマスマーケットも怖くて近づかな…