やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

麻薬人身売買ーパラオ大統領選の闇の奥

土曜日の朝からドロドロの重ーい情報が行き交った。 羽生会長から指示いただいているパラオ大統領選進捗状況。ベルズ副大統領の突然の出馬でその様子は大きく変わった。 パラオは、昨年天皇皇后両陛下が訪れてから日本にとって再度特別な国となった、と思う…

パラオへの中国人団体旅行禁止令(3)

パラオへの中国人団体旅行禁止令をブログに書いたところ、昨日は3千件を超えるアクセスが、一昨日は2千件を超えるアクセスがあった。 パラオへの中国人団体旅行禁止令 - やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa パラオへの中国人団体旅行禁止令(2) - やしの…

パラオへの中国人団体旅行禁止令(2)

昨日上げた「パラオへの中国人団体旅行禁止令」は沢山のアクセスがあり、また多くの方から情報が寄せられた。 中国政府は同じような対応を、台湾と外交関係のあるアフリカの国にもしているのだそうだ。 馬政権と比べ中国と距離をおく蔡政権への圧力であろう…

パラオへの中国人団体旅行禁止令

中国政府が、先週パラオへの団体旅行を禁止する事を発表しようだ。英語のニュースは上記のパラオの新聞しかなく、その信憑性も含め気になったのでTWお友達の黒色中国さんに聞いてみた。 中国語では結構出ているようで本当の話のようだ。 ニュースには「パラ…

海洋管理のための離島の保全・管理のあり方に関する基本方針の一部改正について

昨晩のニュースで見かけたので、メモだけしておきたい。 有人離島に国の機関設置、中国の進出念頭に領海、領土の管理強化へ http://www.sankei.com/politics/news/160726/plt1607260030-n1.html 総合海洋政策本部 開催状況 http://www.kantei.go.jp/jp/singi…

南シナ海仲裁裁判判決

オーストラリアの安全保障専門家の友人からの情報。 国際司法裁判所の判決の翌日に米国の公聴会に呼ばれている。 結構面白かったのでここにリンクしておきたい。 中国を追いつめるな、対話を促進せよ、米国はアジアへ関与せよ、そんな内容だと思う。 そうい…

違法操業をしているのは太平洋島嶼国?

違法操業をしているのが太平洋島嶼国である、というのはニュースにもなっているのだが、あまり知られていない。 7月21日付けのバヌアツデイリーポストのニュース。 Vanuatu receives FAO award for fighting IUU fishing PORT VILA, 21 JULY 2016 (VANUATU …

主権の名の下の犯罪

本当はこの件は触れたくないし、調べたくないし、まして書きたくないのだが、本来関係者は全員知った上で、パラオの仕事をすべきなのだが、そうでない可能性がある。ニュースになっている事だけここに書いておく。 パラオのレメンゲサウ大統領が台湾の陳総統…

パラオ大統領選に新たな候補者か?

今年11月1日に選挙を迎えるパラオ大統領選。 2期目の立候補を表明したレメンゲサウ大統領、2001年から2004年まで副大統領を務めたサンドラ・ピエラントッチ女史、スランゲル・ウィップス・ジュニア上院議員、3名の争いだったところに、昨日のニュースで…

太平洋に蔓延る環境NGOs

太平洋は環境NGOの天国である。 GPやSS, 柔らかいところでFOE, PEW, CI, TNC。 自分も何人かとつきあってみたが、生半可な知識と体制批判のポジション。特に小国を食い物にする様子は、まさにネオコロニズム。 知人からの示された4つのタイプは納得! 1.…

ポリネシア海洋宣言 Te Moana o Hiva

Moana モアナ とはポリネシア語で「海」の事だ。 ホノルルにある「アラモアナショッピングセンター」とは、「海上の道ショッピングセンター」の意味である。 7月始め、ポリネシアリーダーグループの準備会議がタヒチで開催された。 その会議で ポリネシア海…

日英同盟終結に向けたバルフォア閣下の別れの言葉(追記あり)

下記のブログで紹介した、大英帝国海軍大臣1915-1916(首相1902-1905, 外相1916-1919)アーサー・バルフォアの日英同盟終結に向けた言葉の英文を記録だけしておきたい。 英国の友人に是非見せたい。こんな歴史はきっと忘れられているであろうから。 そして新…

ゴシップ、という情報

ゴシップ、うわさ話も貴重な情報である。 情報は各方面から取っておく事が必要だ。 カクテルパーティとか、会議の休憩時間とか、飛行機の待ち合い場所とか。。 某島嶼国の友人との会話 友「あの大臣、女好きで有名なの。特に若い女の子が大好き。」 私「えっ…

西パプア問題ーどうやら身内の話になってしまったようだ。

今週、追ってきた西パプアのメラネシアスピアヘッドグループ加盟問題。 ふと気づくと当方の太平洋家族が重要人物として関わる話になったようだ。 太平洋島嶼国では、家族付き合いが基本である。 一人はバヌアツの若き政治家ラルフ・レゲンバヌ閣下。現在大臣…

西パプア問題ーケネディの遺産

太平洋島嶼国の仕事していると至る所でJohn F Kennedyに出会う。 西パプア問題。これこそケネディの最大の太平洋における遺産かもしれない。 昨日1時間位のウェッブサーフィンで調べた内容なので、興味のある方は疑いながら検証して欲しい。 CIAの共産主義…

西パプア問題ーMSGメンバーシップは9月特別会合で再調整か?

7月14日は西パプアにとって歴史的な日とはならなかった。 MSG leaders defer West Papua membership decision 2016.7.15 RNZ http://www.radionz.co.nz/international/pacific-news/308691/msg-leaders-defer-west-papua-membership-decision メラネシアス…

メラネシアスピアヘッドグループ(MSG)と西パプア問題

今日、2016年7月14日、西パプア問題に大きな転換点が示されるかもしれない。 インドネシア領である西パプアがメラネシア地域の政府間機関であるメラネシアスピアヘッドグループMSGの正式メンバーになるかどうかが決定される。 <西パプア問題とは何か?> F…

マグロと民族自決

クロマグロとレーニンで過ごした週末があった。 民族自決とマグロの関係を思いめぐらした週末だった。 週末はレーニンとクロマグロ - やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa ナント!ソロモン諸島で開催されている会議でPNAの事務局長Dr Transform Aqorauが「マ…

沖縄の選挙結果

自衛隊誘致で揺れる先島の選挙結果が気になる。 伊波氏が初当選 島尻氏に10万6000票差圧勝 八重山新報2016.7.11 自反対運動につながる伊波選対八重山事務所 八重山毎日2016.7.11 http://www.y-mainichi.co.jp/news/30102/ 上記八重山毎日には3市町の結果も…

太平洋のEEZと人口

下記の地域別EEZの比率と、人口の比率を眺めていただきたい。 問題はミクロネシアだ。 太平洋の人口(ミクロ、ポリ、メラ)の3%しかいないミクロネシアが太平洋島嶼国が保有する49%のEEZを保有しているのである。 ミクロネシア、特にキリバス、ミクロネシ…

パラオー上水の次は下水?守るのは魚か人か?

旱魃で水不足に悩まされたパラオ。 今度は下水、だという。 故障の上にキャパシティの限界。 故障は、修理のパーツを台湾に発注。修理されるのは数ヶ月後。 その間、汚水は海に垂れ流し。海水浴のできないビーチがいくつか。。 加えて下水処理のキャパシティ…

太平洋のEEZ全容を解明!日本の役割が見えて来た!(修正追記あり)

米国、フランスの太平洋のEEZを調べたら、やっぱり太平洋島嶼国の現状を把握したくなります。 表にしました。クリックすると拡大します。 先進国のEEZも米仏だけでなく、豪州、NZ, 英国、チリを含め表にしました。 但し豪州のインド洋にある島のEEZは外しま…

ゆすりたかりの島嶼国

<カツオ漁船拿捕の結末> 昨年このブログで報告した日本カツオ漁船拿捕の件を再度書く事にしたのは、ミクロネシア連邦スキリング前司法長官によって起訴された日本漁船の裁判に決着が着いたとの噂が入ってきたからだ。 この件の詳細を追っているのは当方だ…

French EEZ フランスのEEZ(追記あり)

世界最大のEEZを保有する米国のEEZを調べ上げたら、世界第二位のフランスのEEZを調べなかアカン。 yashinominews.hatenablog.com 3時間程かかりましたが、勉強になりました。 フランス、海洋国家です。世界中の海を小さいEEZを含め網羅しています。 この管…

「英霊に詫びる」大佛次郎 昭和20年8月21日

心の余裕が出来たら書こうと思っていた。 でも心の余裕はあれから半年経つのにやって来ないし、これからも無いような気がする。 2015年12月、当方の恩師でもある渡辺昭夫東京大学・青山学院大学名誉教授の講演会を聴く機会があった。 タイトルは「敗戦後70年…

味方の阿呆は命取り(追記あり)

敵陣に阿呆を見つけた時は宝物を発見したような喜びがあるが、味方に阿呆を見つけた時は、敵陣に賢人を見つけた時よりも恐ろしい。 命取りになるからだ。 当方は羽生会長から財団で一番仕事ができる、と評価いただいているのだが(口が滑っただけかもしれな…

戦後self-determinationが法的地位を得る過程

アントニオ・カッセーゼ博士の本をゆっくり読んでいる。 中途のままの新渡戸稲造の天皇論も早くまとめたいからだ。 さつま芋ポタージュも作らなければならないし。。。 レーニン、ウィルソンの言ったself-detreminationなんて、人々の決定権をはなから無視し…

さつま芋のポタージュとポリネシア航海

このブログへのアクセスを延ばすためFacebookやTwitterなどでも更新情報を出しているが、なぜか料理の報告をすると「イイネ」がたくさんもらえる。 そこでこのブログにも掲載してみて世間の反応を見てみたい。 1ヶ月ほどのヨーロッパ旅行で財政は火の車、日…

レーニン、ウィルソン、そして新渡戸のself-determination(追記あり)

手探りでレーニンのself-determinationの資料を読んでいたら、早速良質な文献に巡り会った。 イタリア人国際法学者、アントニオ・カッセーゼ教授の "Self-determination of peoples : a legal reappraisal" Cassese, Antonio.1995. アントニオ・カッセーゼ教…

日本の太平洋へのODA

日本の太平洋島嶼国へのODAは2国間支援の金額は年間100億円強。ODA全体のわずか1%強である。 が、太平洋島嶼国の中ではトップ3なのよ、と書いたら証拠数字を出せと言われた。 外務省のホームページから拾って表にしてみました。 面白い結果が。。 日本は…