やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

Self-determination for the Communication Policy in the Pacific Islands

The book is just published from Springer. I wrote one of the chapters. Hayakawa, R., 2016. Self-determination for the Communication Policy in the Pacific Islands, in Ishihara, M., Hoshino, E., and Fujita, Y. (eds.) Self-determinable Develo…

Smaller Island States of the Pacific Islands Forum

太平洋島嶼国の中でも人口が10万に以下の島嶼国7か国を集めたSmaller Island States of the Pacific Islands Forumの会議が6月24日、パラオで開催された。 7カ国とは下記の通り。 クック諸島、人口15,300 キリバス、人口113,400 ナウル、 人口10,900 …

森元総理とミクロネシア海洋安全保障事業

2008年、私が立ち上げたミクロネシア海洋安全保障事業がどうにか軌道に乗って、順調に発展している理由の一つが森喜朗元総理の存在である事を、「水産庁叩き」シリーズを書きながら思い出し、私しか知らない、私しか書けないことなので、記録として書くこと…

レーニン参考文献の記録

レーニンの民族自決論を手探りで探しているが、山程ある。 多分玉石混交だが、当方にはどれが玉でどれが石かわからないから、取りあえずどんどんリストアップしておきたい。 吉野作造の帝国主義批判と植民地論 平野敬和 https://doors.doshisha.ac.jp/duar/r…

馬鹿の一つ覚え ー 水産庁叩き(5)

水産庁叩きシリーズ最終回。 ミクロネシア連邦のカツオ漁船拿捕事件で、国内の漁師さんともパイプが出来た。 勝川教、即ち資源保護推進で改革派の学者さんの話と、 宮原教、即ち資源保護推進で保守派の水産庁官僚の話を聞く機会を得たが 現場の声が一番重要…

週末はレーニンとクロマグロ

この週末はレーニンを読みながら、クロマグロのブログを書いていた。 「馬鹿の一つ覚えー水産庁叩き」の話をここで書いておきたい、と思ったからである。 全く異次元の話のよう見えるが、レーニンのプロパガンダとして広まった Self-Determination、民族自決…

馬鹿の一つ覚え ー 水産庁叩き(4)

勝川さんと壱岐の漁師さんたちが主張しているのは、卵を産みに来た成魚は年寄り母さんであろうと穫らないでおこう、という案だと当方は理解しています。日本の沿岸はクロマグロの産卵地なのだ。 参考:将来懸念、管理強化訴え 漁業者ら「マグロサミット」5…

馬鹿の一つ覚え ー 水産庁叩き(3)

クロマグロの受精卵と稚魚(水産研のウェッブより) http://www.fra.affrc.go.jp/cooperation/tuna_egg/index.html それでは本当に水産庁は水産資源管理に対し、無為無策なのであろうか? 宮原氏によると、確かに漁場を増やそうという努力はしてきたが資源管…

馬鹿の一つ覚え ー 水産庁叩き(2)

一週間もしないうちに宮原さんから連絡が。。 「早川さんに言われて目が覚めました」とは言わなかった。 「早川さんの美貌に負けました。」とも、言わなかった。 パラオへの監視艇派遣を進めたいので協力して欲しい、という事であった。 水産庁、OFCFといよ…

馬鹿の一つ覚え ー 水産庁叩き(1)

<諸悪の根源、水産庁!> 世界のお魚が減っているのは日本の水産庁のせいなんです! 資源管理に無為無策な水産庁! 漁師への補助金ばかり予算を確保し、本気で水産業を育てようとしない水産庁! 資源枯渇が叫ばれている矢先、補助金で更に多くの魚が取れる…

パラオの観光に陰り、そして海洋保護区にも。。

パラオ寄港予定の海上自衛隊の輸送艦「しもきた」 パラオ観光局からの報告によると2016年5月の観光客数は9,602 人。昨年の同月の15,705人に比べ大きく減った。 原因として考えられるのは、3月あたりから深刻化した水不足問題と、観光の目玉であるクラゲ湖…

太平洋島嶼国の人口問題(2)人口成長率

前回は、太平洋島嶼国と一言で言ってもその人口配分はメラネシア4国(パプアニューギニア、フィジー、ソロモン諸島、バヌアツ)に大きく偏っており94%を占める事を指摘した。 yashinominews.hatenablog.com 人口成長率はどうか? データは前回同様SPCの…

書籍出版のご案内 Self-determinable Development of Small Islands

http://www.springer.com/us/book/9789811001307 琉球大学の事業で2013年に依頼された原稿がまとまって今月6月15日にSpringerから出版されていました。 タイトルは"Self-determinable Development of Small Islands " 私は16章から成る同書の"Self-Determ…

太平洋島嶼国の人口問題

通称SPC - 1947年に設立された太平洋最古の地域政府間機関である。 北太平洋のミクロネシア諸国が独立しそのメンバーに入る前は南太平洋委員会、South Pacific Commission と名乗っていたが、現在は「南」が取れて1998年から太平洋共同体事務局 Secretariate…

宮古島市長、陸自配備を容認 きょう議会で表明へ(沖縄タイムス)

農林水産省のウェッブより http://www.maff.go.jp/j/nousin/noukan/tisitu/t_tikasui2/ <宮古島市長、陸自配備を容認 きょう議会で表明へ> 日本財団幹部だった鳥居啓一が、八重山諸島への陸自配備反対運動をどんどんすべしと俺が言っていたと伝えておいて…

ヌスバウム博士京都賞受賞!

6月17日、マーサ・クレイブン・ヌスバウム博士が京都賞を受章とのニュースが流れた。 京都賞は知らなかったがヌスバウム博士はお名前は、自分の博論で散々目にした方である。 http://www.kyotoprize.org/laureates/martha_craven_nussbaum/ 京都賞とは稲盛…

ICT4Dを巡るユネスコとコミンテルン

情報とコミュニケーションの問題をユネスコが取り上げる事になった背景の一つが、1970年代の非同盟諸国の動きにある、 Claudia Padovani and Kaarle Nordenstreng の “From NWICO to WSIS: another world information and communication order?"というペーパ…

宇宙の平和利用 ー ケネディのスピーチ1961年

当方の博論から削って要約せよと言われた、1961年のケネディの国連でのスピーチ。 この宇宙の平和利用のスピーチを、財団に入った数年後、まだ20代だったかな? に見つけた時は、今自分が担当している事業(PEACESAT)がケネディに繋がっていると知り感動した…

原子力の平和利用 ー バンドン会議の非核声明

原子力の平和利用を唱えたのは1955年に開催されたバンドン会議だった。 1955年太平洋島嶼国はまだ独立していず参加していない。 会議の声明文“declaration on promotion of world peace and cooperation” の中に非核に関するコメントがある。 この声明から60…

パラオメディア協会の動き

今年3月に私が長らく支援をしてきた(約15年間で100名以上の太平洋島嶼国のメディアを招聘)PINA - Pacific Islands News Association の年次総会がパラオで開催された。 その際、パラオで始めてパラオメディア協会 Palau Media Councll が設立されたのであ…

ヒューズ、メイヤー、トンガ、笹川良一、ケネディ、ニクソン

トンガと笹川良一氏の関係を調べていたら見つけた情報。 タックスヘブンとも関係して来る。いつか、必要になれば、調べたい。笹川良一氏は太平洋島嶼国のタックスヘブンの構図を一気に読み取ったのであろう。その点においてタックスヘブン(近代的植民地制度…

パナマペーパーと太平洋島嶼国(3)

世の中のパナマペーパー、及びタックスヘブンの取り上げ方がずれているように見える。もしや自分の方がズレているのでは?と、このテーマの3回目を書くのをためらっていたが、下記の2つの情報が元気づけてくれた。 まずはインデペンデントの下記の記事。 "…

パラオ上水道改善計画に18.43億円の日本ODAが決定

パラオの水不足問題で、配水管の故障を知り、水道も日本が支援すべし、と言っていたら本当になってしまった。 というか、パラオ政府と日本政府はこの問題を以前より認識し、協議や調査を重ねていたのであろう。これで、電気、通信(ADB経由だがこれも日本)…

民族自決とレーニン(2)

軽くメモとして書いた「民族自決とレーニン」にここ数日200前後のアクセスがある。 やっぱ、マルクスは人気者です。 反応があると応えたくなるのが人情。 民族自決とレーニンの話はウィキにもあるし、探せば山のような資料が。。 「民族自決」"Self-determin…

パプアニューギニア学生運動に警察が発砲、学生に死者負傷者が

オニール政権の汚職を批判したパプアニューギニア大学の学生抗議運動が活発になり、1週間ほど前には学長の判断で大学は閉鎖されていた。 昨日、この学生と警察がぶつかったようで、死者4名、負傷者9名との情報がある。 PNG police shoot students during …

100万ページビュー突破!

昨日6月5日に100万ページビューを突破していました。 太平洋島嶼国の話が今話題のタックスヘブンにもつながるし、新渡戸の話も結構な反応をいただいています。特に昨年の天皇皇后両陛下のパラオ訪問を機に、このブログへの関心が高まり一機にアクセス数が…

民族自決とレーニン

『日本・1945年の視点』(三輪公忠著、東京大学出版会、2014年)は貴重な本である。 新渡戸と矢内原の論稿が掲載されているので手元にあるのだが、他の論稿も勉強になる。 1986年に出版され、東京大学出版会が古典としての評価の高い著作を新装復刊した一冊…

シャングリラダイアログ- 豪州国防大臣の不参加

前のブログでそのタイトルだけお借りしたASPIのGraeme Dobell氏の記事。 "All about China, all the time" 5 Jun 2016 Graeme Dobell http://www.aspistrategist.org.au/all-about-china-all-the-time/ 皆中国の事を懸念してるのに、オーストラリアは、ダー…

シャングリラダイアログ- 英仏の南沙諸島へのコミットメント!(追記あり)

今回のシャングリアダイアログ。地球の裏側の、嘗てはアジア太平洋に広大な植民地を保有していた英仏の国防大臣のスピーチが興味深かった。 両者とも南沙諸島の中国の進出を懸念。同じ点を強調している。 我々はアジアにいる!アジアの安全保障は我々の問題…

シャングリラダイアログ- All about China, all the time

昨日、6月5日まで開催されていたシャングリラダイアログ。 オーストラリア戦略政策研究所Graeme Dobell氏の記事のタイトルが一番はまっていると思う。 "All about China, all the time" 5 Jun 2016|Graeme Dobell http://www.aspistrategist.org.au/all-ab…