やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

パラオ便宜置籍船ビジネスー幽霊船が徘徊する

www.irrawaddy.com パラオの北朝鮮をも支援する怪しい便宜置籍船ビジネスは健在である。 何が海洋保護区だ。手つかずの自然だ。これがレメンゲサウ大統領と、亡くなったマケインと、マケインの友人のリック・ペリーエネルギ長官と、ペリーの友人の悪徳弁護士…

『日本占領と「敗戦革命」の危機』江崎道朗著ー第4章近衛、第5章重光

江崎先生の新刊。『日本占領と「敗戦革命」の危機』 第四章 近衛上奏文と徹底抗戦の謎 第五章 停戦交渉から逃げ回ったエリートと重光葵の奮戦 近衛と重光、両名は新渡戸の生徒である。新渡戸の国家観、外交観、天皇、共産主義、軍国主義の姿勢を観てきている…

待賢門院璋子の生涯―椒庭秘抄

京都岡崎にある無鄰菴で日本史研究家の方と蛍を見る機会があった。 平安時代がご専門だという。そこで生半可な知識をよせばいいのに披露した。 私「西行が侍をやめて詩人、僧侶になったのは待賢門院璋子に恋したからですね。この近くに璋子さんの御願時円勝…

ロームシアター建築ツアー

前川タイルはどちらでしょう? 1960年に完成した京都岡崎の京都会館。 建築家前川國男の作品は戦後復興のシンボルのような存在だったらしく、その改築計画は京都中の建築家が反対したそうである。 京都の建築家の友人に誘われて反対集会に参加したこともある…

赤く染まる南太平洋

www.stuff.co.nz サモアに有名なアギー・グレイズ、というホテルがある。 台風で大きな被害を受けて改修が終わったばかりだったと思う。 中国資本が買い取ったようだ。どんどん赤く染まる南太平洋。。 アギーの話はどこかに書いただろうか?ドイツ、ニュージ…

フィジーに潜入した韓国のカルト集団

www.radionz.co.nz 日本のメディアが韓国の悪いニュースを流さないのであれば、無視されるニュースだ。フィジーで見つかった韓国のカルト集団。400人のメンバー ー 奴隷ー違法労働者の可能性。 フィー ジー は韓国語で守られた場所、という音に似ている。バ…

バヌアツ:中国のローンは問題ないー>パスポート販売

バヌアツデイリーポストから、中国のローンは罠じゃない、という記事が出て読んだがよく分からない。でも記事の最後の方に、バヌアツ政府のパスポート販売が政府歳入の25%を占めることが書かれている。 このパスポートの部分をラジオニュージーランドが記…

日華懇会長古屋議員の提案:日台協力による太平洋諸国支援

これはFBで書いたのだが、ブログに残しておきたい。 超党派でつくる議員連盟「日華議員懇談会」(日華懇)の会長古屋議員が台湾を訪問された事は知っていたが下記の内容は知らなかった。 「古屋氏によると、蔡氏は安全保障面で中国の動向に懸念を表明した。…

ミクロネシア連邦チュック州、またも分離独立の動き

ミクロネシア連邦、旧南洋日本統治領は4つの州からなる。ポナペ、チュック、ヤップ、コスラエだ。その中でも人口が一番多いチュック州に「また」分離独立の動きがあるとのにニュース。 www.radionz.co.nz 約5万人のチュック人が来年の3月に住民投票の予定…

太平洋島嶼国の新たな支援要請?ープラスチックゴミ

太平島嶼国でプラスチック製品規制の合意がされたと言う。ゴミを運ぶのはSwire Transportという中国の会社! なんかゴミを海に捨てちゃいそうだけど。。 www.swireshipping.com 世界で一番海洋ゴミを出している国ですよ。NZ豪州なんて分別収集どころではない…

豪州モリソン首相太平洋諸島フォーラム年次総会参加せず

www.sbs.com.au Morrison won't go to Nauru Pacific meeting 豪州モリソン新首相、9月のナウルで開催される太平洋諸島フォーラム年次総会に参加せず。ペイン外相(前国防省)が代わりに参加。 豪州野党労働党から非難轟々。 米国はジンク内務長官(Secretar…

『日本占領と「敗戦革命」の危機』江崎道朗著ー第3章戦時下での米中結託と野坂参三

江崎先生の新刊。発売3日目で増刷だそうです。 一章ずつ読んでメモ書いてます。 日本が追い込まれる、そして敗戦革命の危機の要因が共産主義でそれが米国と日本内部に結託し、日本にどのように侵入してきたか? ネタバレになるので書きませんが、一体どれだ…

『日本占領と「敗戦革命」の危機』江崎道朗著ー第2章中国共産党による対日心理戦争

江崎先生の新刊『日本占領と「敗戦革命」の危機』一章ずつ読んでメモ書いています。 日本で反日活動をする日本人が洗脳されたというのは、どこかで読んだり聞いたりしてきた。本書ではさらに詳しく書かれている。 ネタバレになるので今書いたけど、消しまし…

パラオの中国人観光客はやっと減った感じ。

yashinominews.hatenablog.com パラオの中国観光客数のグラフを作ったらずっとアクセスされている。データを更新し7月分を入れ、さらに日本人の観光客数も入れてみました。 中国観光客数は昨年に比べ確かに7月は半分位になっている。この先どう動くか? それ…

『日本占領と「敗戦革命」の危機』江崎道朗著ー第1章ルーズヴェルト民主党政権下での対日「敗戦革命」計画

江崎先生の新刊『日本占領と「敗戦革命」の危機』第1章。 全部読んでから感想、なんて書けないので一章ずつ。しかし私のような素人にもわかりやすく、節も短いので読みやす。それに江崎先生のコミンテルンシリーズはわからないなりに読んできたので、面白く…

位田隆一教授の「開発の国際法」論文リスト

海洋法条約もその他の国際法条約も途上国の「開発」が主要テーマなのである。私の一つ目の博論の理論枠組は開発学なのだが、開発学を学んでいる時には「国際法」は現れてこなかった。 「開発の国際法」フランス発で議論されている。坂元教授から教えていただ…

ミクロネシアの中国公使

このブログは水産庁の方もよくご覧になっているそうなのでこの写真を貼っておきます。重要なのは写真の2人の男性、Mr. Henry Tan, CEO of Hong Kong Luenthai Group Ltd. とMr. Samuel Chou, President of Liancheng Overseas Fishery Company。 ミクロネシ…

『日本占領と「敗戦革命」の危機』江崎道朗著ー序章

江崎先生の新刊だ。500ページの大著。ネタバレにならない程度にメモして行きます。 発売3日で増刷だそうです。 はじめに、と序章で既に50ページ。 序章 ー 「敗戦で平和になった」という誤解 ー と題し戦後の日本の危機が描かれている。笹川良一さんが惚れた…

太平洋島嶼国を麻薬から守る「落語」?

カナダの友人からメールが来た。 「日本人がトンガで変なことしているよ」リンクをクリックしたら驚いた。笑福亭笑子さんという落語家がトンガで公演していたのだ。 matangitonga.to たまたま前の晩、パラオの子供達の麻薬問題を専門家の方と話していたので…

日米協力で台湾と西太平洋を守ろう!

先般のエルサルバドルと台湾との外交断絶。米国共和党議員が台湾から離れようとする国をこれ以上出さないような方策を検討する、という。 www.reuters.com jp.reuters.com ここに来て米国が中国の本当の姿に気がついて、台湾を守ろうとしている、という風に…

太平洋安全保障と安倍政権の島サミット(修正あり)

今年5月に開催された第8回島サミットの主要議題は「海洋安全保障」と「インド太平洋戦略」であった。小さな島々の集まりだが数の上でも、地政学上もそして海洋面積の点からもその影響は大きい。特に中国の進出、北朝鮮の瀬取りなどを許す島嶼国の便宜置籍船…

世界の1.89%の人口の小国が世界の半分の投票数を持っている(追記あり)

小国の数のパワーは国連などの国際場裡で痛感する。実際にどの程度の「数」の影響力があるのか以前ウィキデータで試作したところ、面白い結果が出た。 当方の2つ目の博論指導教官、坂元茂樹教授のゴーサインをいただいたので今度は国連の人口データを見つけ…

困った時に助けてくれたのは中国だけ

中国からのローンが100億円に達し返済に苦しむトンガ。 首相のコメントをメディアが歪曲して伝えられているらしく(トンガが中国に乗っ取られる等)、トンガ首相官邸からメッセージが出た。 Hon Prime Minister’s Clarification of the Development Partners…

チャイナマネーによるトンガ王室の腐敗と衛星ジビネス

ニュージーランドのジャーナリスト、Michael Fieldのツイッターに現れた速報である。 トンガサット経営者のトンガの女王が、中国政府からトンガ政府の供与された資金約50億円の半分25億円を自分の個人の会社であるトンガサット再建のために違法に受け取った…

ニューカレドニアは独立するか?

11月に住民投票が迫るニューカレドニア。 独立の可能性は?と政府関係者から問い合わせがあったので少しサーチしてみた。 独立の可能性は低い、が多分自由連合の形を取るクック諸島やトケラウのような提携国家になるであろう。 まずは独立したら中国に依存す…

日本人が知らない「第二列島線上」の西パプア問題

8月17日インドネシア独立の日。 オランダ領であったインドネシアの独立に関与した日本は、日本が1942年に占領したオランダ領ニューギニア、現在インドネシア領となっている西パプア問題を全く知らない。 現在、米国企業(Freeport-McMoRan Inc., (FMCG) b…

パラオ、中国観光客減少とマネロン

パラオの中国観光客数がこの5月から連続減少している。他国を含む数では前年比で15−26%の減少だ。8月がどうなるか? しばらく様子見。 台湾、日本に観光客を呼びかけるレメンゲサウ大統領だが、現在中国資本の大型リゾート開発が開始した。環境アセスメ…

読書メモ『暗黒大陸 中国の真実』

中国をめぐる反日の情報は中国に派遣された米国人宣教師が発信地である、という話を晩年日米関係の修復に命をかけた新渡戸稲造が書いていた。同じことを米国の外交官が1933年に書いていて日本語の本になっていることをFBFから教えてもらった。 ラルフ・タウ…

『海洋の国際法構造』ー大陸棚と海洋法秩序

「第4章海底資源の開発」の2節目は「8. 大陸棚の法的地位」 ここでは大陸棚の存在とそこにある油田の発見が各国の管轄権、主権の拡大主張に繋がっていく背景から書かれており、国際政治も垣間見え興味深い。このような各国の主張が国際法上どのような意味…

『海洋の国際法構造』- 豪州の日本排除と大陸棚

公海におけるビキニ水爆実験の国際法的議論がされているということで手に取った小田滋『海洋の国際法構造』(有信堂、1956)。1950年代の海洋法に議論は特に日本の漁業の関係で興味深く、どんどん読み進めた。最後は「第4章海底資源の開発」だ。大陸棚の議…