やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2020-01-01から1年間の記事一覧

文化大革命とアフリカとムーミンパパ

60年代のアフリカの誕生と中国の国連加盟と海洋法条約、この流れをさらっと書くつもりが中国の文革をアフリカが支えた、軍事支援もして分離独立も支えたことがわかりました。 ああ、60年前から中国は同じことを続けているのだ。今に始まったことじゃあない、…

パルド大使の論文とムーミンパパ

海洋法条約の父、パルド大使の論文ってあまり出て来ないなあ、と呟いたら下記の2つをムーミンパパさんが教えてくれました。(ツイッターのアカウント名です。多分国際法を専門にされる方です) 後で読んでコメント書きますが、パルド大使は海洋の専門家でも…

松岡静雄とポナペ開拓論

写真は左から松岡、横田、秋山、山屋 本を書く為に資料を再読するとどんどん新しい発見がある。 松岡静雄 ー 柳田国男の弟にして海軍大佐として第一次世界大戦では山屋他人海軍大将の指揮下でポナペを占領した。 1921年に病気で退役したと至る所で読んでそう…

パラオの闇と.pw(リストのみ)

59 People Arrested for Working at an Illegal Gambling Business in Semiich, Ngerchemai Hamlet, Koror, Palau Koror, Palau – On Tuesday night, June 2, 2020, multiple national government agencies joined forces to conduct a search warrant on a …

在フィジー日本大使館ツイッター事件(進行中につき今ントコ記録だけ)

2020年6月12日は記念すべき日である。 来年の島サミットに向け提出した提言書に太平洋島嶼国の各日本大使館はSNSを義務づけよ!と書いた手前パラオの日本大使館に続き他も支援することとした。 ips.hatenablog.jp フィジーでは防衛省から出向しているキャプ…

現地企業との付き合い方 ー インテリジェンス講座その6

太平洋島嶼国には日本の企業も現地に根ざしながら結構頑張っている。島嶼国政府は汚職体質だし市場経済の常識が通じない上、法もゆるい。 マーケットが小さい上に今回のコロナや台風の被害でもあれば観光業などは大打撃だ。 なので、このような企業が多少怪…

【極秘】「南洋観察に関する報告」重光葵1921年

「極秘」と記された報告書がある。今は公開されウェブでもアクセスできる。 https://www.jacar.archives.go.jp/das/image/B15100706900 この報告書をじっくり読みたいと思っていた。日本の南洋統治政策に大きな影響を与えているはず、だから。 以前も少し書…

パラオ、オンラインギャンブル中国人犯罪検挙

説明は後で、、取りあえず大きな前進。

The United States and Japan must support Australia’s Compact for Pacific Islands

米国保守系のウェブメディアに、オーストラリア国立大学のJohn Blaxland教授が豪州政府に提案している島嶼国とのCompactの件を支持する記事を書きました。 パラオは中国マフィアの拠点となり、バヌアツは中国マフィアにパスポートを販売。もう限界です。日本…

カンパチとナヴァロの水産改革

2020年5月7日の大統領令で示された米国の水産改革。同日のウォールストリートジャーナルに、トランプ政権の通商戦略ブレーン、ピーター・ナヴァロと国内政策会議(DPC)委員長ジョー・グローガンの連名で記事がでた。 "Trump Lifts the Net off American F…

トランプ大統領とピーター・ナヴァロの漁業・海洋政策<追記あり2020.5.26>

これこそドンピシャの私の研究課題。後で読みますが、要はオバマやデカプリオ、PEWが工作してきた海洋政策の転覆でパラオや太平洋島嶼国に関連してくる話。。 しかし、まさかナヴァロが漁業政策を語るとは思わなかった。。 <追記1> トランプ大統領とピー…

私が作った日米宇宙開発協力の一歩

2020年5月18日、自衛隊に宇宙作戦隊、Space Operation Squadronが創設された。これは前年の2019年8月29日、米軍に創設された宇宙軍United States Space Command:USSPACECOMに日本が呼応する形だ。米国は創設員78名、日本は20名だという。 日米の衛星開発協…

再び『楽園考古学』篠遠喜彦博士

私が安倍政権に、インド太平洋構想とオーストロネシア語族の話を200%の自信を持って説明できたのは篠遠喜彦博士との出会いがあったからなのだ。 今書いている書籍に篠遠先生の話を書き込むために1994年に出版された『楽年考古学』を再び開いた。荒俣宏氏と…

在パラオ日本大使館ツイッター事件

在パラオ日本大使館のツイッター、立上げろ、と提案したのは私である。フォロワーが2万人に迫っているが、これも私が動いた結果である。 自慢したいのではない。やればできるのだ。クールジャパンに出した何百億円なんて必要ない。一銭もいらない。やる気と…

「大東亜共栄圏」研究の一視角 共時性としての西洋 酒井 一臣

偶然ウェブで見つけた大東亜共栄圏の研究動向をまとめたもの。著者の酒井 一臣氏は国際関係史学者。短い論文ですぐ読める。私が渡辺昭夫先生の本にみつけた波多野先生のアジア主義の議論が重要であると紹介されている。しかし、ここでも植民、帝国主義、軍国…

米国を支持する小国パラオー台湾のWHO参加を巡って

パラオ大統領府から公開情報。 米国の上・下院議員外交部会4名連名で台湾のWHO参加支持要請レターがパラオ大統領宛てに5月8日付で発信された。 多分他の国にも発信しているであろう。 米国の議員外交、対中国の全面対決姿勢を見る思いだ。そして中国マフィ…

中共の魔の手に自ら身を委ねる小国パラオ

パラオが大変な事になっている。もともとあるオンラインパチンコ法案を緩和し、現在4つのライセンスを発行しているがさらに30のオンラインギャンブルにライセンスを発行する法案が下院を通過。 この背景には昨年あたり大統領がアレンジした香港・マカオの…

緊急事態条項と憲法 <追記あり>

コロナを巡りニュージーランド、オーストラアが厳しい規制を次々と決めて行く様子をみて、その法的根拠はなんであろう?と興味をもち、矢部論文を飛ばし読みで参照した。 国王大権とかヘンリー8世条項とかこの分野完璧素人だが面白い議論であると感じた。 …

「文明の生態史観はいま」梅棹忠男著

今日誰かが梅棹忠男の「文明の生態史観」を紹介していて、急に手元にあった「文明の生態史観はいま」を思い出し再読した。 なぜ日本が太平洋なのか、に答えてくれる梅棹節である。対談形式なのでさっさと読める。 対談相手は川勝平太さん。 梅棹さんから ち…

小泉信三著『共産主義批判の常識』

小泉信三著『共産主義批判の常識』 「7搾取論」と「6階級と民族」の紹介、 小泉信三著『共産主義批判の常識』の背景 著者、小泉信三(1888−1966)について 自分のマルクス、共産主義への関心 7搾取論(小泉信三著『共産主義批判の常識』) 6階級と民族 —…

Compact for Pacific Islands

Compact for Pacific Islands “Developing a grand compact for the pacific” – When I saw this policy recommendation by Prof John Blaxland of the Australia National University, I was pleasantly stunned. This was because it was absolutely the s…

My published journal articles 2016 - 2020

This is the list of my papers on the Pacific and maritime security from 2016-2020 found on web media. <East-West Center> March 26, 2018 JAPAN'S OCEANIA ENGAGEMENT AND MARITIME SECURITY, Asia Pacific Bulletin, No. 417 https://www.eastwestcenter.org/publicati</east-west>…

満州事変 ー 笹川良一と松本重治 『追想松本重治』

1991年に笹川平和財団に入る時、今早稲田で教授をしているらしい黒田一雄から「一生十字架を背負って生きていくんだよ」と言われたことを30年経っても覚えている。 この黒田というのはいっしょにボランティア活動をしていたのだが彼は一切活動せず肩書きだ…

中共の手に落ちた瀕死のキリバス共和国(随時情報を追記)

キリバスの事はフォローしていなかった。 あまりにも海洋保護のフェイクな活動にまみれていたからだ。 先日総選挙があり、台湾を切った現政権が過半数に満たなかった。多くの新人が当選し、なんと、70歳になられた初代大統領タバイ氏も再出馬。 タバイ氏が出…

満州事変 ー 笹川良一と松本重治、そしてI House

緒方貞子さんの満州事変の論文を読んだ事がきっかけで、そこには出て来ないが満州で活躍・暗躍した同い年の松本重治と笹川良一の存在を思い出した。そしてこの二人が影響を受けたのが、私がここ数年関心を持っている新渡戸稲造と後藤新平である事も思い出し…

何もしていないバヌアツの日本大使館

www.nytimes.com バヌアツの首相選びがニューヨークタイムスの記事になること事態がニュースだ。それだけ太平洋島嶼国の事が米国では重要になってきたと言う事であろう。 コロナと大型サイクロン真っ最中の首相選出。とにかくこれで災害対応は進むであろう、…

台湾コロナ対策は普通の情報収集の結果

台湾外相がコロナ対策を説明したハドソン研究所のサイトを紹介した私のブログが2300回以上FBでシェアされ、1万回はアクセスされている件。 このブログを紹介してくれたインテリジェンスの専門家、江崎さんの影響か台湾政府がヒューミントを武漢に送っている…

コロナフリーのNZは台湾との関係を強化すべし!

www.stuff.co.nz 対中共姿勢を明確に示すニュージーランドのブレイディ教授のオピニオン記事。 2017年、彼女がウィルソンセンターで発表した論文マジックウィポンが、世界の対中の議論の流れを変えた、と言っても間違いではない。 www.wilsoncenter.org 初期…

満州事変 ー 笹川良一と松本重治、そして後藤と新渡戸

緒方貞子さんの博士論文、満州事変を読みながらここには名前が出て来ない2人の人物を思い描いていた。笹川良一と松本重治だ。 2人は1899年生まれで同い年。満州事変のどこにどのように関わったのか。本を読みながら想像していた。 私が笹川の看板を背負っ…

パラオのインド人記者消える

パラオの麻薬問題を大々的に地元誌 Island Timesに取り上げたインド人のEshan Kalyanikar記者が突然いなくなっていた。知人に一言もなく。 パラオの麻薬問題。犯人は政治家の家族だったり、さらに法務大臣自ら取締を妨害しているのだ。この法務大臣が次期大…