やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

海洋法

America's Pacific Island Allies - RAND 報告書

数週間前に米国のシンクタンク、RAND Corporationから米国が自由連合協定を締結するミクロネシア3カ国に関 する報告書が出て、安全保障、アジア太平洋、インド太平洋関係者はみんな読んでいた。 ざっと読んだがかなり大雑把な、簡単にまとめられた内容で、こ…

私をインド太平洋構想に導いた衛藤晟一議員

太平洋を渡り歩いて30年の私が一気に安倍政権の「インド太平洋構想」に範囲を広げるきっかけを作ってくれたのが衛藤晟一議員なのである。 先月シンガポールの学会で発表のリハーサルをしながら思い出していた。 2017年4、5月。私は古屋圭司議員が会長を務め…

商業捕鯨を再開すると南極での活動ができなくなる理由

美味しそう! 昨日読んだ森下、岸本論文の下記の部分が気になり、これこそ今度の国際法学会の主要テーマ「多元化する条約体制による秩序形成と維持」なのではないかと条約を当たってみた。以下の条項だと思うが違うかもしれない。 環境保護に関する南極条約…

「商業捕鯨再開へ向けて」森下、岸本論文

ウェブで偶然見つけた捕鯨関連の論文だ。掲載場所と日時が明確ではないのだが資料の最後にある下記の連載記事を集めたものかもしれない。 森下丈二、みなと新聞連載「商業捕鯨再開に向けて」(2015 年 2 月 19 日から 11 月 12 日、隔週、計 20 回)。 50ペ…

薗浦健太郎衆議院議員、内閣総理大臣補佐官インド太平洋構想オールジャパン実行部隊の成果ここにあり!

先週、シンガポールで開催された学会に参加してインド太平洋構想宣伝してきました。これは発表資料のパワポの一枚。 ソノケンこと、薗浦健太郎衆議院議員、内閣総理大臣補佐官(国家安全保障に関する重要政策担当)のインド太平洋構想オールジャパン実行部隊…

インド太平洋構想-アセアンの展望

2019年タイで開催された会議で「アセアンのインド太平洋構想、展望」が採択された。気になっていたがシンガポールからの飛行機の中で読むことができた。 アセアン諸国がインド太平洋構想に留保があった事は聞いていた。今回の展望はその態度を180度転換する…

ニューカレドニア便り(6)日仏海洋協力

www.kantei.go.jp ニューカレドニアでこのニュースを聞けるとは思わなかった。 安倍総理とマクロン大統領が歴史的な合意をしたのである。しかも特にインド太平洋の海洋協力は私が以前から安倍政権の主張してきたことである。 なぜフランスの海外領土管理に日…

一人で立上げたミクロネシア海上保安事業

2008年、笹川陽平さんの正論をきっかけに立上げる事となったミクロネシア海上保安事業。安倍政権のインド太平洋構想にも重要な位置を占める。 笹川さんの正論にミクロネシアへの支援をいれたのは私のアイデアである。草稿段階で何回かコメントを求められたの…

バヌアツ政府フランス艦船を追い返す

dailypost.vu フランス領ニューカレドニアと海洋紛争を抱えるバヌアツ。人道支援に来たフランス海軍を追い返してしまった。 その船は離島の教育支援にやって来たのだ。 領土確保と人材育成、どちらが大事?というかそもそも離島の福祉教育すら支援できないバ…

日本を悪者にする日本政府とパラオのフェイク海洋保護区

パラオがその80%のEEZを禁漁とする海洋保護区法案に動き出したのが2008年。私はそのアイデアをレメンゲサウ大統領から直接聞いた最初の人間だ。 まさか国交省、海保、日本財団がこんなに海洋音痴とは当時は知るよしもなく、その案を押し進めようとする笹川…

『太平洋戦争とアジア外交』波多野澄雄著 ー 侵略か解放か?

安倍総理のインド太平洋構想を草稿したであろうT氏やK氏は、日本の大アジア主義や大東亜共栄圏を意識していなかったかもしれない。でも原点はそこにあるような気がして、後藤の大アジア主義とは何か?玄洋社は何を議論していたのか?孫文の大アジア主義は?…

「太平洋の赤い星第2版」トシ・ヨシハラ, ジェイムズ・R.ホームズ著

「太平洋の赤い星第2版」トシ・ヨシハラ, ジェイムズ・Rが昨年出版されていた。まだ第1版も読んでいないが、山形浩生さんが和訳して2014年に出版されている。 www.usni.org 出版に際してこの1月Global Taiwan Instituteで開催された講演を聞いてみた。(下…

IWC脱退と南極捕鯨の「藪の中」

IWC脱退を巡って、南極捕鯨からの脱退と沿岸捕鯨再開の綱引きを取り上げ、日本が妥協していれば脱退する必要はなかった、という論調が多く見られる。例えば下記の記事だ。 IWC脱退の怪 2018.12.30 高成田 享 「南極海での捕鯨を縮小ないしは撤退する代わりに…

米国大統領が進める間違った海洋政策

間違った水産政策、海洋政策が進められているのは日本だけではない。米国はブッシュ、オバマ時代に広大な海洋を禁漁区とした。その影響を受けて米領サモアでは唯一の収入源となっている缶詰工場が3件のうち2件、閉鎖した。近隣で漁業ができず、マグロが水…

アングロサクソン金融マフィアの手に落ちる日本の水産改革<追記あり・郵政民営化も支援>

「早川さん、GR Japanって知ってますか?」 このブログで水産資源の事も取り上げてきている。私の専門分野ではないが海洋問題=水産資源と言っていいほど切り離せないのだ。そして2008年に私が一人で立ち上げたミクロネシア海上保安事業が日本財団、笹川平和…

2つ目の博論と空海

この世の中に2つ目の博士号に挑む人は多くはないようで珍しがられている。 私の場合は,2008年から担当してきた海洋安全保障問題を体系的に学ぼうと決意した事が理由である。 2015年辺りであろうか、笹川平和財団のモラルハラスメントは酷くなる一方だった…

NZ海洋監視チーム台湾船舶の奴隷ビジネスを摘発

www.stuff.co.nz 摘発された台湾の船Daiwan Justice ニュージーランドの海洋監視(Maritime NZ)により4ヶ月給料を支払っていなかった台湾の運搬船Daiwan Justiceが、ニュージーランドのLytteltonで摘発された。 ニュージーランドのMaritime NZ は国際運輸…

チャゴス諸島判決(取りあえず資料リスト)

チャゴス諸島判決は今取り組んでいる博論では扱わない、と思うが、海洋保護区、自決権、脱植民地化、とすべて、太平洋島嶼国とBBNJのケースで議論したいテーマなのだ。 チャゴス諸島の事を追っていたわけではないので、資料を読んでもチンプンカンプンだが、…

最も不明確な条項ーUNCLOS65条

パトリシア・バーニー女史の65条に関するペーパーがあった。 ”Marine Mammals: Exploiting the Ambiguities of Article 65 of the Convention on the Law of the Sea and Related Provisions: Practice under the International Convention for the Regulati…

海洋法条約を巡る中国のジレンマ

英国のジャクソンヘンリーソサエティ、アジア部長が執筆した南シナ海と英国の対応に関する論文 THE SOUTH CHINA SEA: WHY IT MATTERS TO “GLOBAL BRITAIN” の引用文献に海洋法条約を巡る中国のジレンマを扱った記事があった。 米国在住の執筆者Zheng Wang教…

労働者を殺し、奴隷船を支援する太平洋島嶼国の旗

www.hellenicshippingnews.com パラオの旗がバングラデシュの2人の若い命を奪ったニュース。 お金がない小島嶼国の収入手段が便宜置籍船ビジネスだ。このブログでもさんざん取り上げて来ている。廃船同様になった船を環境規制や安全規制の法律がない東南ア…

ネオコロニアリズムと批判されるラッド元首相

www.abc.net.au 豪州のラッド元首相がツバル、キリバス、ナウルは豪州の市民権を得て、その広大なEEZは豪州は管理し、豪州に自由に居住して良い、という刺激的な提案をして物議を醸している。 ツバル首相はネオコロニアリズムだ、と。 この反日のラッド氏で…

BBNJを巡る学術論文ー濱本・加々美・佐俣(自分用メモ)

坂元先生の文章、「海洋秩序の再編」が掲載されている、国際問題2018年9月 No.674に京大の濱本教授のBBNJに関する論文が、そして入会したばかりの国際法学会誌2018年5月号には加々美先生と佐俣先生のBBNJに関する論文が掲載されている。 2018年9月に開催さ…

混乱と紛争を導く完全なレシピー海洋法条約121条

このブログで海洋法条約を議論する能力も勇気もないのだが、なんとなく一般大衆が国際法に正義が、正しい事が書かれていると誤解しているのではないかと思い、紹介だけしておきたい条項がある。 海洋法条約121条の島の定義である。たった3項のこの条約につ…

マハティール首相来日で思う英米中の金亡者と1MDBそして海洋保護区

マハティール首相が来日されていた。 平成30年秋の叙勲で桐花大綬章を受章され大綬章親授式に出席するためだ。 マハティール首相のFBより https://www.facebook.com/TunDrMahathir/photos/pcb.10155979400538652/10155979400463652/?type=3&theater マハテ…

オバマの海洋保護区が中国の水産業を支援する

www.youtube.com これも「風が吹けば桶屋が儲かる」、若しくは「頭隠して尻隠さず」みたいな話である。 オバマ政権が広大な米国の太平洋にあるEEZを商業漁業禁止にしたため、ツナ缶詰工場が唯一の産業である米領サモアがその工場を維持するために、なんと中…

BBNJの歩み

http://highseasalliance.org/sites/highseasalliance.org/files/HSA-timeline-A4ver-LR.pdf

太平洋っていつもお金ね。今ここに小切手があるわよ。いくら欲しい?(追記あり)

オーストラリアの環境相が、キリバスの前大統領に「あなたがなんでここにいるかわかっている。お金のためでしょう。太平洋っていつもお金ね。今ここに小切手があるわよ。いくら欲しい?」“I know why you are here, it’s for the cash. For the Pacific, it’…

安倍総理とテイラー事務局長はテリトリアリストか?

Jursidictional right 管轄権 海洋法を理解するのに山本草二先生の管轄権の議論は必須であることを坂元教授から伺って今年の初旬はこの管轄権に関する議論を読み、なんとくなわかってきた。 そうすると今までEEZ が沿岸に繋がる領域を囲い込む印象だったのが…

パラオ政府中国の海洋調査を許可する

このニュース、中国が許可なくパラオのEEZで調査とあるが、重要なのはパラオ政府がすでに他の中国の調査船に許可を出していることだ。赤字の部分。米国政府は、日本政府は把握しているのか?パラオは九州・パラオ海嶺で日本と繋がっている。中国の調査船をパ…