やしの実通信 by Dr Rieko Hayakawa

太平洋を渡り歩いて35年。島と海を国際政治、開発、海洋法の視点で見ていきます。

2018-01-01から1年間の記事一覧

違法操業の漁船対応で日米初連携 太平洋島しょ国と今月共同研修

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018111001002296.html また大きな達成が、10年越しの達成が得られた。 2008年に私が立ち上げたミクロネシア海上保安事業。国交省元審議官の羽生次郎元笹川平和財団会長に、「これは日米同盟を推進する事業なんです。」…

マクロンの平和会議は茶番劇か?

第一次世界大戦の終戦を記念して、パリでマクロン大統領が大々的なセレモニーを開催し、トランプ、プーチン、メルケル等々世界の指導者が集まり、日本は麻生副総理が参加した事を昨日知った。 日本のメディアはほとんど報じていない、とのこと。 このセレモ…

赤い国連とパラオの海洋保護区

シドニーモーニングヘラルドから赤く染まる国連の記事が出た。この件は中国ウォッチをしている専門家からは以前から指摘されていたし、この記事に出て来る中国人女性がアフリカの途上国出身の国連議長に賄賂を渡して逮捕された事は英語のニュースにはなって…

パプアニューギニアと笹川良一

パプアニューギニアの独立を世界で唯一人支援したのは笹川良一氏である。 yashinominews.hatenablog.com このことは、笹川平和財団の中でも、日本財団の中でも、肝心の笹川陽平氏もご存知ないのだ。私は日本財団のセクハラ老人鳥井敬一氏から「笹川さん、そ…

第3回韓国併合再検討国際会議 : 「合法・違法」を超えて

なんでこんなことまでして、と思っていたが植民地化を免れるために重要だった? 日韓問題。当方の指導教官の坂元茂樹教授が論文で書いていらしてざっと読んで難しい議論である、という記憶しかなかったがニュースになっているのでウェブで探してみた。日韓併…

インド太平洋研究の必要性 ー 「海のアジア」vs「陸のアジア」

フリードリッヒ・ラッツェル 私が太平洋島嶼国に仕事として関わったのは1991年からで、大の男が4人がけで転けさせたで30億円の笹川島嶼国基金をマイナスの状態から、即ちその目的から策定した。 必死で勉強した資料中で、渡辺昭夫先生が書かれたものが一番…

インド太平洋研究の必要性

ips.hatenablog.jp japan-forward.com インド太平洋研究会を立ち上げようと準備中である。 事務局が私なのでお金は扱いたくないし、責任が発生しないようにしたいが仲間は欲しい。いつもお世話になっている方に声をかけたらすごいメンバーがアドバイザーにな…

マーシャル諸島のロンゲラップ環礁が中国の軍事基地となる日

インターネットのおかげで毎日気になる太平洋島嶼国のニュースが何十と知る事ができる。インターネットがなかった時期が懐かしい。キリバスの大統領選のニュース等何ヶ月か後に知る事ができればラッキーだった。今は結果が出る前にわかってしまう。 さて、ブ…

豪州モリソン首相1500億円基金設置表明

首相がどんどん変わるオーストラリア。今年はナウルで開催されたPIF総会に新任のモリソン首相は参加をせず批難轟々。その内南太平洋はどんどん真っ赤に染まっていく。。 そんな中でモリソン首相が眼に留まる支援策を発表した。 www.radionz.co.nz 1500億円の…

EU査証免除になったバヌアツの市民権をお売りします。

www.youtube.com オーストラリア国立大学が中心となっている開発に関するブログに中国の債務の罠は誤解であるという記事が出た。この債務の罠に関して最近メディアから質問を受けたばかりだ。 China in the Pacific: is China engaged in “debt-trap diploma…

ニューカレドニアー独立を問う住民投票 中国の病院船外交

2018年11月4日に行われたニューカレドニアの独立を問う住民投票。 郵便学者の内藤先生のブログに先に書かれてしまって悔しいの粗捜しをしながら追加情報を掲載している。 yosukenaito.blog40.fc2.com 今回で最後。中国の進出だ。 内藤先生は ところで、2000…

NZ自由連合協定締結国クック諸島とニウエが中国の手に落ちた日(追記あり)

Ambassador to New Zealand, the Cook Islands and Niue, Her Excellency Wu Xi, with Premier Toke Talagi. 結構話題になっている記事です。 中国がニュージーランドに接近した背景にはその自由連合協定国のクック諸島とニウエを手中に収める事が目的である…

Transparency for Tuna and Casino with Chinese friend

Our Oceanと言うオバマ政権のフェイク海洋保護活動で、先日AIを利用した完璧なマグロ管理を披露したミクロネシア連邦のクリスチャン大統領。中国のカジノ進出を支持する法案を準備している事も書かれている。 AIを利用した完璧なマグロ管理を進めているのがT…

Transparency for Tuna or Tax Haven

en.antaranews.com なるほど。ミクロネシア連邦はTNCにやられているわけだ。この団体、環境保護という美名の下に違法操業やってる中国のルエンタイから資金提供を受けている。日本ではAPICという外務省の外郭団体がこれも海洋環境保護をうたいつつミクロネシ…

小島嶼国の便宜置籍船と湾岸戦争

これもバヌアツと中国の関係を調べていたら偶然みつけた資料。 小島嶼国が便宜置籍船ビジネスで北朝鮮を支援している事はこのブログで何度も書いてきた。これを安保理事会が制裁対象とし、日本政府もPIFで指摘するまでになった。 yashinominews.hatenablog.c…

中国とバヌアツのせいで日本人の食卓からサンマが消える?

以前、日本の水産庁が提案するサンマ資源管理になぜか中国と共にバヌアツが反対したのかブログに書いた。 yashinominews.hatenablog.com 最近バヌアツに関する質問をメディアから受け、数字の確認をするためにIMFのレポートを読んでいたら興味深いグラフを見…

鯨の血まみれの尾を突き刺した旭日旗

旭日旗に鯨の血まみれの尾を突き刺したチラシで広報されている講演会が11月13日にニュージーランドのオタゴ大学で開催。在NZ日本大使館宛に下記の文章を送りました。 在NZ日本大使館御中 先日オタゴ大学から下記の日本の捕鯨に関する講演会の案内が送られて…

パラオの気になるニュース

インターネットのおかげで気になるニュースがどんどん流れてきて、RTしたりFBでシェアしておくのだがいつの間にか忘れてしまう。 パラオ関係で気になるニュースが3つ出て来たのでリンクだけしておきたい。 パラオの在日本大使をされていたMinoru Francisco …

ニューカレドニアー独立を問う住民投票 虹の戦士号事件和解とFRANZ防衛協力

yosukenaito.blog40.fc2.com 11月4日のニューカレドニア住民投票の件を郵便学者の内藤先生に先に書かれてしまったので、その粗捜しをしている。これが楽しいので続けます。 ニューカレドニアが仏領になって鉱山開発がされた事に触れられていますが、重要な…

後藤新平の植民政策(15)植民政策一班

後藤の講演記録である「植民政策一班」から、「第一 緒論及び日本植民政策の史的経済的関係」に続いて 「第二 帝国満州における特殊の使命」をメモした。 最後の節は「第三 植民政策の基礎となるべき間接設備の効用」。 植民の肝要は科学的視点。研究所の重…

マハティール首相来日で思う英米中の金亡者と1MDBそして海洋保護区

マハティール首相が来日されていた。 平成30年秋の叙勲で桐花大綬章を受章され大綬章親授式に出席するためだ。 マハティール首相のFBより https://www.facebook.com/TunDrMahathir/photos/pcb.10155979400538652/10155979400463652/?type=3&theater マハテ…

ニューカレドニアー独立を問う住民投票 パリコミューンの影

1871年のパリコミューン 改めてフランス革命のめちゃくちゃさを実感 みんなルソーとマルクスのせい? 内藤先生のブログではフランスの領有化から第二次世界大戦に一気に飛ぶ。 しかしここで忘れてならないのが、流刑された多くが1871年のコミューン革命の政…

ニューカレドニアー独立を問う住民投票 

昨日2018年11月4日、仏領ニューカレドニアで独立を問う住民投票が行われ56.4%が現状維持を表明した。 本件日本では誰も追っていなさそうなのだが、沖縄独立派格好の材料になる可能性もありフォローしている。と郵便学者の内藤陽介先生がブログでもう書いて…

後藤新平の植民政策(14)植民政策一班

後藤の講演記録である「植民政策一班」から、「第一 緒論及び日本植民政策の史的経済的関係」に続いて 「第二 帝国満州における特殊の使命」をメモする。 私は満州の事や歴史的背景など何も知らないので暗闇の中の読書のようなレベルである。それでも後藤新…

後藤新平の植民政策(13)植民政策一班

後藤新平の台湾植民政策。 「植民政策一班」から、第一 緒論及び日本植民政策の史的経済的関係、の後半。 米国ウィスコンシン大学のポール・エス・ランチ教授 (Paul S. Reinsch) の本の中でいかに日本の台湾植民が優れているか書かれた文書を紹介している。…

立作太郎と横田喜三郎 メモ

国際法は海のように広く深い。海洋法だけで息切れしているのに、戦時国際法、国際人道法などというものがある。これを昨日FBFに聞かれて半日が潰れしまった。仮にも国際法の博士課程に在籍し答えられないのは、私のつまらないプライドが許さない! 横田喜三…

お問い合わせについて

やしの実通信は、日本財団のカンパンブログへの掲載を7月で中止にしたものの、データ移行があるのでそのままにしてあるところ、毎日千頁以上、ある時は3千4千のアクセスがあります。それだけ太平洋島嶼国への関心が高い、ということなのでしょう。 そして…

博論ーロシアインテリジェンスが再びダウンロードか?

今年6月に600回もダウンロードされていた当方の博論。今日見たら1300近くダウンロードされている しかも米国を超えてロシアがトップで286回もダウンロード。誰が読んでいるのか? さらにこの博論に関係ないルーマニア、ルクセンブルグがトップに出て来た。 …

後藤新平の植民政策(12)植民政策一班

後藤新平の「植民政策一班」第一 緒論及び日本植民政策の史的経済的関係。日本の植民政策のアカデミックではない、実践と政策が書かれている。 この本が一般に入手できない事、また植民を研究する日本の学者が後藤と言えば「阿片政策」を批判するレベルであ…

ヘンリー王子夫妻を迎える「日本太平洋ICTセンター」

ニュージーランド、オーストラリアに続いてフィジーを訪ねられている英国ヘンリー王子ご夫妻。 南太平洋大学内に日本のODA約30億円でで建てた「日本太平洋ICTセンター」にご夫妻をお迎えできた事は日英協力の一歩です。実は私はそのつもりで90年代英国関係機…